JR東日本・北斗星−ロイヤル(個室寝台)

……24系25形客車を使用

 1988年に青函トンネル開通を機にデビューし、2015年03月に定期列車としては廃止、同年04月から08月までは臨時列車として走った、上野〜札幌間を結ぶ寝台列車です。そのなかでもこのページに掲載しているロイヤルは、豪華な客室の先駆けの個室で、デビューしてから晩年まで(定期列車時は1列車4室)予約は困難でした。
 当初はJR北海道、JR東日本とも保有していましたが、2008年3月に、2往復あった定期列車が1往復に減らされ(ロイヤルの車両はJR東日本所有のみに)、さらに取りにくくなりました。北海道・東日本とも、基本的にロイヤルの機能は大差ありませんが、このページはJR東日本のロイヤルの写真を掲載しております。





 個室全体をイラストで示したものです(下の写真とは、一部照明などが異なっています)。このイラストでは、カーテンや椅子などを省いています。手前に見えるものはベッドです。トイレ・シャワーの壁、扉は実際に存在します。また、このイラストや以下の写真を含め、車両によって、多少の差違があります。
 ロイヤルのある車両は、B寝台個室(約10室)とロイヤル(2室)が1両にあるのですが、JR北海道の車両は車両の中央に位置し、乗り心地を考えていました。
 このスペースを、一人(エキストラベッドを使えば二人)で使えます。同じスペースでも通勤列車ならば何人が入れるかを想像すると、贅沢なものです。
 右側のドアの下の床が一段下がっていますが(逆を言えば、通路と比べて個室内が一段高くなっています)、室内は土足禁止です。


寸法

 線路方向枕木方面天井高さ
客室2,3001,9452,310
ベッド8051,945--
テーブル520495--


 個室内は、茶系統でまとめられていて(壁は木目)、ベッド、エキストラベッド、シャワー室、コントロールパネル(BGMスイッチ(4ch+VTR…モニターのスイッチはモニターで操作)、暖房、アラーム付き時計、天井灯、床灯、非常ボタン)、テレビモニター、冷房スイッチ(入り口横に無段階方式)、ドライヤー、スリッパ二組、靴べら、靴磨き、ハンガー4つがあります。デスクには、編成の説明、設備の使い方やビデオのプログラムが入っていました。デスク下にはスペースが空いており、くずもの入れがあります。
 このベッド、「ロイヤル」の割には幅があまり広くなような気がします。



 テレビモニター、インターホンと、この扉の奥はシャワールーム(トイレ、洗面所兼)です。インターホンは食堂車に繋がり、ルームサービスなどに使えます。もちろん、パブタイムや朝食時に、空いているかどうかの確認にも利用できます。



 少し力のいる作業をすれば、元のベッドと同じ高さの補助ベッドができあがります。この写真は、補助ベッドを出した状態です。この状態だと床の部分は狭く、椅子をシャワー側に寄せないと広げられません。
 実際に寝るには、メインのベッドのシーツが2枚重ねになっているので、それを広げて、ダブルベッドにします。浴衣と枕と毛布は、おそらくどこかから(車掌が)だしてくるのだと思います(→キセル防止のためでしょうか?)。



 背もたれを下げて、通路よりの棚に収納してある肘掛けを置くと、ソファになります。




 シャワー室の内部です。便器と洗面器は折り畳まれていて、それぞれ使うときに、床屋さんの洗髪台のように、引き出します。
 トイレットペーパーは、シャワー操作部(の手すり)の下にあります。
 シャワーには時間制限がありますが、シャワー室外のボタンを押すことで、延長できます。
 この個室が出来た当時は、今ほど電源の需要がなかったからなのか、コンセントが、剃刀用としてシャワー室にしかありません。また、隣で使っていたシャワーの湿気が、自室のシャワー室に入ってきてしまいました(換気扇を入れないと、逆流するようです)。



 左はウェルカムドリンク、右は翌朝の朝刊とモーニングコーヒー(この写真の通り、紅茶も可能)、カードキーです。
 出発時に、ウェルカムドリンクを持ってくると共に、朝刊とモーニングコーヒーを持ってきて欲しい時刻を聞いてきます。


 これらの室内写真の車両番号:オロハネ24-554
 取材時期:2014年07月



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