日本航空・McDonnell Douglas MD-87[N02]
MD-87は、1988年に旧日本エアシステム(JAS)時代に導入したジェット機です。エンジンが後ろに付いていることと、お尻の部分にも乗降口があることが特徴です。空港によっては、この乗降口から、清掃する人や、客自身も乗降します。
MD-81と比べると、エンジンは同じ一方で胴体が5メートル短くなっていますが、これにより、実質パワーが強くなるため、滑走路が短い空港でも離陸できるようになり、滑走路の短いローカル空港のジェット化に寄与しました。
2008年03月31日に引退しました。
MD-81と大きな違いはありません。胴体が短くなった分、後方左側(この写真では二人掛けの右側)だけにある非常口がなくなり、前から後ろまでずっと座席が並んでいます(MD-81のページの、後ろからの全景写真を見ると、左側にドアが見えますが、このMD-87の同じアングルの写真を見てもありません)。3人掛けで見ると、MD-81は2〜35列ですが、MD-87は2〜28列です(2人掛けの場合は1列目からありますが、MD-81の場合、非常口があり、比較できません)。
座席も、MD-81と同一です。バックレストの、背骨に当たるところに、突起物があり(ちょうど肘掛けの高さと同じくらいの位置)、ちょっと力を入れるとボコボコと凹んでしまいました。
リクライニングは、この狭さに比べればよく倒れる方だと思いますが、これで倒すとかわいそうなくらい後ろが狭くなるでしょう...。
テーブルは、かなり手前に来ます。またその一方、奥の方に物を置くと畳まれてしまうような状態になってしまいます。コンピューター(手前には置けない+重い)の操作は不便かもしれません。手前に手首を置き、重心を保つほうがよいでしょう。カップホルダーの穴が空いています。
背面ポケットには、小さな心配りが。中央の部分は針金が手前に湾曲していて、手をポケットに入れやすい=ものが取り出しやすく、ドリンクサービスで飲み終わった紙コップも入れやすいです。そして、ポケットとバックレストの間にも、小さなポケットがあります。
ちなみに、座席は2種類あるようで、上記の特徴がない座席もありました(テーブルは安定し、湾曲が浅く、小さなポケットがない)。
A席(2人掛けの窓側)に座った場合、壁よりの足下が狭いので(特急列車の、車体の下がすぼまっているのと同じ)、左足の置き場に困る一方、右足の方は前の方にシートの脚があります。また、壁が丸く、座高の高い人は多少、頭が壁にくっついてしまうかもしれません。そのためか、通路側に座る人も多く見かけました。
3人掛けの座席です。灰皿を埋めた跡(白いカバー)が見えます。
自分が青い座席に座っているのなら、前後と、通路を挟んで隣は赤い座席です。思ったほど、この色の差は目障りには感じなかったような気がします。
エンジンが見える席は、27,28席。29席は窓がなく、リクライニングもしませんでした。
ちなみに、JALの整備工場に見学しに行くと、この座席が至るところで見られました(2009年9月現在)。
<トイレ>
トイレは後方に2箇所あり、循環式です。既に明るい状態で、鍵を掛けても明るくはなりません。
洗面台は、栓が上がった状態がデフォルトです(最近の航空機は、栓が下がった状態がデフォルトで、使った後、レバーを押してたまった水を排水しないといけない)。水栓は、レバーを押した瞬間だけ水が出ます(猶予はありません・国鉄時代の洗面器のようです)。石鹸は泡です。
<ギャレー・他>
左の写真は機体前方にあるギャレー、右の写真は機体後方を写したもので、緊急時などの道具入れ(スポーツ新聞が見えます)・トイレのドア・後方の乗降口です。木目がいい味を出しています。
MD-81とは、後方の部分が、大きく違います。MD-81には、飲み物が準備できるギャレーがありますが、MD-87にはありません。カートは用意されていますが、緊急時の道具などが入っている部分に、飲み物の一部などを保管していたようです。ドリンクサービスのスタンバイ中、コーヒーとお茶の入った透明なポットは、前方から来ていました。
右の写真の右側に写っている、上部が白く、下部が茶色っぽいものは、このページの一番上に書いた、お尻にある乗降口のドアです。乗務員用のジャンプシート(下部の茶色)を備えていますが、客・乗務員や、鉄道なども含め、ドアにシートがあるというのはなかなか無いのではないでしょうか。
機内サービスカート内のケースは、JASのロゴが至るところに見えました。
普通の飛行機、乗務員呼び出しのチャイムの「ピーンポーン」に対して、「ピー」という、尻切れた中途半端な音でした(音色はピーンポーンと同じ)。
これらの写真の機材番号:JA8281
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