日本航空・BOEING777-200[W16](国内線 JALファーストクラス・座席更新)

 JALファーストクラス
JAL FirstClass
 日本航空(JAL/JL)

 BOEING777-200(B777-200)は、定員的にはB747-400とB767-300の中間的な位置づけの機種です。エンジンの直径が、小型ジェット機の胴体が入るくらい太いです(それだけ太くても、エンジンの数が少ない方が、省エネになるとのことです)。構造上の都合で他の機種より客室の窓には丸みを帯びていたり、後ろのギア(車輪)が3連だったり(普通は2連=ローラースケートのような感じ)と、細かなところに特徴があります。
 国内線にファーストクラスが2007年に誕生し、(おそらく)シートの老朽化などの理由で16年末頃からシートが交換されました。18年の夏頃現在、総ての座席がこのページの座席に交換したものと思われます。
 本来であれば、22年頃までにかけて徐々に退役させる予定でしたが、コロナ禍による利用者減と、この機種向けのエンジンの影響で21年2月21日から運行停止になっている影響で、21年4月付の発表で、20年度中に(前倒しで一気に)引退したという発表がありました。


詳細はアイコンの説明をご覧ください




 国内線JALファーストクラスは、最初は[W14]というコンフィギュレーションコードデビューし、やがてSKYNEXTという仕様になったものの、ファーストクラスの座席としては変化のない[W15]、そして座席が変わったこの[W16]になりますが、いずれも定員や配置は変化はありません。
 [W14][W15]の頃の座席は、以降“前世代”と表記します。



 正面から撮影したものです。通路を挟んでの隣席とも、横一線にならない配置になっており、このファーストクラス区画が、六角形に広がっています。



 クリーム色の座面に木目という色合いは、前の世代の座席と大差はありません(細かい色味は違います)。新しい座席ですが、電源はありません(従来からあった、スマートフォン用?の電池は各座席に備わっています)。
 前世代の座席と比べると、肘掛けの位置が低い印象があります。
 各座席の両端の肘掛け下にも収納スペースがあります。
 リクライニング・レッグレスト・フットレストのボタン、音楽のコントロールパネル・ヘッドホンジャック・読書灯スイッチは総て、センターコンソール部分にあります。
 ファーストクラス用の低反発のクッションが最初から備えるようになりました。今まではリクエストベースでした。



 手元の照明の明るさは3段階の調整が出来ます。
 リクライニングは座面(手前側)が上がります。前世代の座席は、離陸時など後方にGが掛かるとちょっと背が倒れたことがありましたが、この座席ではそこまではありません。
 個体差もあるのでしょうが、レッグレストを上げる(使う)時、手を添えないとダメで、スムーズではない印象です。また、ヘッドレストの高さは、従来は肩で上げることが出来た程度の力で上がりましたが、この座席は手でちゃんと持ち上げないと上がりませんでした。
 テーブルは、縁が付いているので、多少の揺れには強いものの、奥行きの寸法がなく、食事のトレイの奥行きとほぼ同じで、余裕がありません。出し入れするときは、B767-300の座席のようにカバーをずらして…という、慣れていないと分かりづらい所作をしなくても出し入れが出来ますが、一方で仕舞う時、慌てると大きな音が出るかもしれません。というのも、前世代の座席はテーブルを仕舞うときにバネがあり勢いを吸収できていましたが、この座席にはなく、前世代のテーブルに慣れていると…。



 センターコンソール部分は前世代のようにポケットがあるわけでもない割には結構場所をとり、目立ちます。寸法の頁のJの項目はここを採寸したものです。座面から計測すると725mmです。
 リクライニングは電動ではない=機械類がないので、前の座席の下に物を置くことは出来ますが、段差がないので、離陸・上昇時は刷り降りる可能性があります。
 背面部分は上着掛けがあり(上方にある丸いボタン状の物)、ハンガーのマークがあり分かりやすいです。上着は出発前に預かってもらえますが、着陸前に返されます。その後が不便なので、重宝します。
 機内誌などは背面ポケット部分にあります。



 カーペットの柄は、[W15]のものと同じです。


 <トイレ>

 実質、ファーストクラス専用のトイレです。ファーストクラスへの改造に伴い、特にトイレの改造はしていないようです。JA771J〜JA773Jの場合、元々からカウンターが大理石模様などと、バージョンアップしています。


 <ギャレー>

 一方で、ギャレーは改造されています([W14][E15]からは変わっていないと思います)。お湯は、“うどんですかい”などのカップ麺のため、ファーストクラス向けの改修前よりも熱いお湯が出るようになったようです。

 上記の通り、2つの不幸であっという間に引退してしまいました。そのため、私自身、2021年の時点で一番多く乗った機材でしたが、お名残搭乗をすることも出来ませんでした...。

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 これらの写真の機材番号:JA8985



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