全日空 BOEING737-700(プレミアムクラス)

プレミアムクラス プレミアムクラス
Premium class
 全日本空輸
(ANA/NH)

 このBOEING737-700は、2005年にデビューした、JALのB737-800と同じ第3世代のB737です。
 国際線機材の国内線運用としての機材ですが、臨時の助っ人としてではなく定期的に、多くの路線に就いています(時刻表の機種欄にも、"73P"として書かれている)。国際線機材の証拠として、同じくプレミアムクラスが8席あり定員が167席のB737-800はトイレが2箇所ですが、定員が120名のこの機種には、トイレは3箇所あります。国際線の場合、この前方の座席はビジネスクラスとなりますが、プレミアムクラスはビジネスクラス相当の座席だ、と言うことが分かります。
 B737-700は、2021年6月末で引退しました。この座席と同じ座席が、BOEING767でも使われていましたが、10年前に発覚した小糸工業のトラブルの影響で、21年7月までに交換済みのようです。




詳細はアイコンの説明をご覧ください






 前後2列合計8名の、個室感覚のプレミアムクラスです。
 搭乗時に預けた上着は、プレミアムクラスと普通席との間の仕切部分のクローゼットにいれられます。ベルトサイン5分前を目安に返却の旨説明があります。



 以前の、スーパーシートプレミアム(SSP)と、大きな差はない印象です。良くも悪くも「新しいクラス」としては、新鮮味はありません。単純に、SSPの座席に、仕切などをつけて改良したような感じです。
 中央の肘掛けの下の方には、電源があります。離陸後、ベルトサインが消えた後に使えるようになります。ただし、意識しないと分からない位置です。後述のテレビ台を収納する都合で、B747-400やB767-300、B737-800にはあるはずの小物入れがありません。
 プライバシーディバイダー(中央の肘掛け上の仕切り板)は、自分一人だけの分には、全く関係ありませんが、普通に座っている分には目障りにならない程度です。ただし、ファーストクラスに慣れていると、若干圧迫感があります。というのも、ファーストクラスの肘掛けは、普通席で言えば一人で二人分の幅がありますが(つまり、2人×2列分=座席の中央には4人分の幅の肘掛けがある)、こちらは純粋に一人一人分(座席の中央には2人分の幅の肘掛け)だからです。今回は隣に他の人が座っていませんでしたが、隣に人がいた場合、どう感じるかが気になるところです。



 リクライニングすると、座面前方が上がります。ランバーサポートのレバーは、中央の肘掛け後方にあります。この構造も、SSP時代と変わりません。レッグレストは、レバーを引くと途中まで上がり、さらに上げるには、手で引っ張らないといけないようです(単なる故障?)。
 テーブルは、前後移動+回転できるのは、国際線機材ならではかもしれません。ただ、何だか全体的に不安定で、弱い感じがします。半面の時は、コップ用のくぼみがありますが(こちらも木目)、全面の時にはくぼみはありません。
 B737-700は、国際線用の機材としても利用するため、中央の肘掛けには、貸し出し用テレビの台が入っていますが、国内線の時は全くの無用です(雑誌を置いておくのに使える程度?)。
 写真では上げ忘れていますが、ヘッドレストの位置も変更できます。



 バックレストには、上着掛けのフックと、二つのポケットがあります。ポケットの下の方は、機内誌やメニュー、ヘッドホン等々が入っていますが、上の方は空になっていて、手持ちのものを入れられます。一部や網になっていて、忘れ物がないように判別しやすくなっています。
 このフックですが、2列あるうちの後ろの席の人だけかというとそういうわけではなく、前の席の前の壁にも、同じようなフックがあり、この写真でも、テレビのちょっと下にそれが見えます。着陸前に上着を返されますが、どの座席の人でも、平等に、前のフックに掛けられるようになっています。ただし、ポケットは機内誌などのポケットだけです。



 「プレミアムクラス」がデビューした2008年の春頃、「CMで出ている座席には座れない」と言うことで色々問題があったからか、Webサイトには、この機種の座席はこれで、こういう機能がある…と、事細かに説明があったものの、肝心の機内には、そのような説明(下敷きなど)は見あたりませんでした。
 B737の就航路線というと、基本的には利用客数の多くないローカル線です。一方ローカル線だからと言って短距離線とは限らないですが、そんな路線でも、国際線ビジネスクラス相当の座席が用意されるのは、有り難い話です。
 ただし、お勧め度の☆が2つになっているのは、金額は同じでも、空港や便によって大きく差があるのです。今回(羽田発でラウンジが使え、朝食が出る)ならばいいのですが、空港によってはラウンジがあってもプレミアムクラス利用者は使えず、食事も軽食だけの可能性があり、不平等です。例えば、羽田〜沖縄線で乗るとして、往路はラウンジが使え、朝食が出ますが、復路はラウンジが使えず、軽食しか出ないが、料金は同じという可能性もあります。



 トイレは、予備灯は点いていますが、(鍵を掛けるまで)非常に暗かったです。

 これらの写真の機材番号:JA11AN



全日空のサービス(プレミアムクラス)について

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