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日本航空のサービス(国内線 JALファーストクラス)
JALが、特別席である「スーパーシート」を廃止し、2004年5月に、JAS時代のレインボーシートと同グレード、国際線で言えばプレミアムエコノミークラスの「
Class J
」になりました。“特別席”としては利用しやすくなったものの、大きな座席や優遇されたサービスを期待する人間からは敬遠され、どちらかと言えばグレードアップを図った他社(ただし、昔と比べれば、グレードは低いのですが…)に流れてしまいました。そのような背景から、2007年12月1日より、国内線に「JALファーストクラス」が誕生し、国内線では3クラス制になりました。
普通席と比べての主なサービス
:チェックインカウンター、専用保安検査場・保安場直結ラウンジ、優先搭乗、新聞*、ラウンジ、機内食(軽食、夕食、甘味、ドリンクなど)、手荷物(40kgまで無料預かり、優先返却)、ボーナスマイル(区間マイルの50%を加算)など
新聞:2010年01月05日より、クラスJ・普通席での新聞サービスがなくなったため
搭乗前
羽田空港
2010年10月20日より、ラウンジがリニューアルしました。
極力、人の写っていない写真を選んだため、北ウィング/南ウィング、ダイヤモンド・プレミアラウンジ(DPラウンジ)/サクララウンジの写真が混在しております。DPラウンジとサクララウンジとでは椅子が若干違い、配置などに違和感があると思いますが、同じ日にリニューアルオープンした=雰囲気は同じです。また、全体的に暗めの為、多少お見苦しい点もございます。ご了承ください。
チェックインカウンター(羽田・南ウィング)
チェックインするには、この中に入ります。
国際線のチェックインカウンターのようなソファーこそありませんが、重厚な雰囲気は十分にあります。既にチェックイン済み、搭乗券がいらない、荷物を預ける必要がない人は、そのまま保安検査場に向かいます。
右の白い家具の中には、JALのものを含めた、昔のものが飾られています。その白い家具の右の方に進むと、専用の保安検査場があります。
ダイアモンド・プレミアラウンジ(一部サクララウンジ)(羽田・北ウィング)
レセプション
(この写真だけ南ウィング)
チェックインを済ませ、すぐ横の保安検査場を抜け、エスカレーターを上がると、受付があります。搭乗券を装置に読ませます。ラウンジを使わない場合は、エスカレーターを上がらず、そのまま搭乗口に出られます。
ライブラリー
(サクララウンジの写真)
メインのエリアといってもよいでしょう。非常に広々としています。今までは、列車のクロスシートのように、そのブロックに一人が座ると他の人が座りづらい雰囲気の席もありましたが、現在は全席が独立したような形状です。座席横には、コンセントと有線LANのインターネットがあります(無線LANも使えます)。
左側には、今までのJALやJASの歴史を象徴する書籍やグッズが展示されています(中身は見られません)。右側は窓になりますが、今までのラウンジと比べると、窓の位置は高いです。
バー
(サクララウンジの写真)
ビバレッジエリアに近く、テーブルがあるこのエリアで食事が出来ます(朝はパンがありますが、それ以外は各自用意)。
ビバレッジエリアでは、おしぼり、ソフトドリンク(ジュース、牛乳、炭酸飲料、珈琲、ポカリスエットなど)、生ビール、ウィスキーなどが用意されています。
早朝限定のパン
ラウンジオープン直後から、このようなパンが用意されています。「メゾンカイザー」のパンで、なくなり次第終了です。写真のパンは 左:クロワッサン、右:ヴィエノワーズショコラ とのことです。市販のものと比べると、サイズが小さいようです。
プライベート&リラックス
(サクララウンジの写真)
半個室状態になっています。スポットライトがあり、真っ暗ではありません。このエリアの座席も、電源と有線LANがあります。
この写真はサクララウンジの写真のため、右側には「エクスプレス」エリアがあります(DPラウンジには「エクスプレス」エリアはありません)。
(サクララウンジの写真)「プライベート&リラックス」エリアの奥には、マッサージチェアもあります。
シャワー
型番…ベッセル形洗面器:TOTO L710C、シングルレバー混合栓:TOTO TLC31、サーモスタットシャワー:TOTO TMWB95EC
レセプションに受付すると使えます。タオル、シャンプー・リンス・ボディソープ、歯ブラシ類が用意されています。
クローク
クロークは、ダイヤモンド・プレミアラウンジのみにあります。
この他、喫煙室もあります。
サクララウンジには、FAX、女性用、子供用のエリアもあります。
伊丹空港
バスは1階に到着、ファーストクラス専用のチェックインカウンターでチェックインした後、エスカレーターを上がり直進したところに、ファーストクラス利用客やJMB最上級会員専用の保安検査場があります。
伊丹空港にはラウンジが2箇所あります。保安検査場を出てエレベーターを上がれば目の前にある、窓のあるサクララウンジ(3階)と、東京行きで使われる17番と18番搭乗口の中間に位置する、窓のないサクララウンジ(2階)です。
写真は総て窓のあるサクララウンジ(3階)です。無線LANのインターネットはありますが、有線LANは用意していません。
窓のある方の一番広いエリアです。夜、たまたま誰もいない一瞬なので、ソファが若干ずれてしまっております。全席窓を向いていますが、窓の位置が高いので、飛行機は見づらいです。
一番広いエリアの奥に、全国のサクララウンジで見かけるような雰囲気・スタイルのエリアがあります。ここは以前は喫煙室だったようです。
ビバレッジコーナーです。何故か、窓のある方にだけ、青汁があります。
福岡空港、新千歳空港にも、ファーストクラス利用客、最上級会員専用のチェックインカウンター、保安検査場があり、サクララウンジに直結しています。
搭乗後
以降、細かく説明しますが、主に悪天候が理由で、この通りのサービスが出来ないこともありますが、お客からのリクエストに応えるよう、最大限のことをしているようです。
まずは、優先搭乗があります。ボーディングブリッジ右方に分岐する方(機体後方向け)が普通席ですが、左方(同前方)は、ファーストクラスとクラスJ専用です。客室に入ると、白くて大きな座席が見えます。
早速、上着を預かってもらい、「○○様、この度はファーストクラスご搭乗ありがとうございます」と、担当する客室乗務員(CA)の他、客室責任者からも挨拶を受けることもあります。もちろん、裏で名前リストを確認しての挨拶ですが名前入りでの挨拶は、気持ちのいいものです。新聞などが必要かどうかも聞かれます。
その後、飲み物や食べ物のリクエストが聞かれます(メニューは、それぞれの座席にあります)。
やがて、温かいおしぼりが配られます(JALスーパーシートの末期まで存続していた、柑橘系の香りは、ほんのり掛けているようです)。おしぼりは一度回収されますが、食事中などでも、新しいおしぼりがいただけます。
アメニティ
:スリッパ、テンピュール枕、耳栓、モイスチャーマスク、アイマスク
温かい飲み物
:コーヒー、紅茶、煎茶、ほうじ茶、コンソメスープ
冷たい飲み物
:オレンジ、アップル、飲むトマト酢、スカイタイムゆず、冷緑茶、からだ巡茶、コカ・コーラ、コカ・コーラZERO、ペリエ、ミネラルウォーター
アルコール
:ビール、焼酎、ワイン(赤)、月替り銘酒(日本酒やシャンパン)
時間帯によるサービスの違い
時間帯
出発時刻
食事
スイーツ
軽食
茶菓
酒類
朝食帯
〜9:59
朝食
○
○
○
中間帯
10:00〜16:59
重箱弁当
○
○
○
○
夕食帯
17:00〜
夕食
△
○
○
※夕食帯の軽食の△:サンドウィッチなどの軽食はなくなりましたが、長距離用の温かい軽食は食べられます
各項目の内容
食事
朝食:月ごとに和洋が変わる
弁当:重箱弁当(主に和食)
夕食:和洋の名店との提携メニュー
スイーツ
フルーツパルフェやケーキなど
軽食
サンドウィッチ、おにぎりなど
にゅうめんなど(長距離路線)
茶菓
フィナンシェ、クッキー、あられなど
全内容共通:10日ごとにメニューが変わります
※カップ麺は2009年04月からなくなりました
※おつまみ(チーズやオリーブの盛り合わせなど)は2009年06月からなくなりました
※朝食の時間帯が、2009年12月から、59分延びました
※以下、具体的な食事の写真を掲載しますが、中距離線限定の温かい軽食を除いて、食事の内容は路線による違いはありません
機内食・洋朝食
(2008年01月上旬・東京〜大阪便)
サンドウィッチは軽く温められていました。右のベージュ色の飲み物はコンソメスープです。洋朝食では2011年6月より、短距離の大阪線と、長距離の福岡・札幌線とで、メニューが変わるようになりました。
機内食・和朝食
(2008年12月中旬・東京〜大阪便)
和食ではご飯と味噌汁が付きます。もちろん温められています。お漬け物や小鉢など、食事の中でバランスがよいように思います。
機内食・重箱弁当
(2008年12月上旬・東京〜大阪便)
お弁当は、基本的に和食です。
2008年11月までは、ご飯ものは、冷たかったものの、混ぜご飯やお寿司などがお弁当箱の中に入っていました(
参考・2008年01月中旬・東京〜大阪便
)が、現在は朝食や夕食と同じ、温かい白いご飯が別のお皿で出るようになりました。ご飯がお弁当箱の外に出て空いた分のスペースには、新たにおかずが増えました。この写真では、左上はおつまみ、スイーツです。
みそ汁が出ます(具は、時々変わってくれると良いかな、とは思います)。
おかずは、サービス開始当初は魚介類が多かったですが、おかずが増えた12月を境に、肉系も増えました。
機内食・冷やし中華
(2008年08月下旬・東京〜大阪便)
夏の時期の中間帯は、重箱弁当ではなく、夏らしい冷たい麺類が出ます。右は軽食の「稲荷寿司、細巻(干瓢)」です。
機内食・洋夕食
(2007年12月上旬・東京〜大阪便)
有名店とのコラボレーションです。
ファーストクラスサービス開始当初の夕食です。「スシ風フランスオードブル」と、月替わり銘酒(シャンパン)です。「スシ風」となっているのは、ネタの下が酢飯ではなく、野菜になっています。
現在、温かいパンとバターが付きます(
参考・2008年12月中旬・東京〜大阪便
)。
機内食・和夕食
(2008年01月中旬・東京〜大阪便)
有名店とのコラボレーションです。基本的には、お酒のおつまみに合うようなおかずを選定しているようです。
機内食・軽食、おつまみ
(2008年01月上旬・東京〜大阪便)
左から順に、「うどんですかい」、「とろろこぶ巻き寿司(具:鮭、高菜)」、「オリーブ盛り合わせ」です。このように、複数の内容を組み合わせることも可能です。軽食がおにぎりの時は、温められます。
機内食・軽食
(2008年04月上旬・東京〜福岡便)
「クロワッサンサンド」、「ペンネパスタ チーズクリームソース(温かい軽食)」です。温かい軽食は、比較的水平飛行時間が長い、羽田〜福岡間、羽田〜新千歳間限定の軽食です。
カトラリーも、国際線上級クラスで使われているものと同じものを使っています。
機内食・スイーツ
(2008年04月上旬・東京〜福岡便)
スイーツも、有名店とのコラボレーションです。写真のスイーツは、「クレームショコラ」です。
レモンティーを頼むと、レモンはポーション(液体)のものではなく、本物のレモンが添えられます。
機内食・茶菓
(2008年11月上旬・東京〜福岡便)
写真の茶菓は、「フィナンシェ・ア・ロランジュ(オレンジのフィナンシェ)」です。中間帯であれば、上記「スイーツ」がありますが、朝食帯・夕食帯で、食後に甘いものが食べたい場合は、このような茶菓が用意されています(※2008年12月以降はメニューなどからなくなっているため、ない可能性もあります)。
御飯
竹皮模様のものが白い御飯で、温められています。東京〜福岡線と東京〜札幌線の朝食・夕食では、お茶碗でサービスされます。国内線で、温かいご飯が食べられるというのは、有り難い話です。2008年11月までは、和食の朝食・夕食だけでしたが、2008年12月からは、お弁当でも温かいご飯がサービスされるようになりました。
御飯が別皿になったことを筆頭に、ファーストクラスサービス開始当初と比べると、ボリュームも増えています。たかが国内線、しかも東京〜大阪線は短距離ですが、それでも、食事は重視されている証拠なのでしょう。
ドリンク
左の飲み物は、月替わりの銘酒・シャンパンをオレンジジュースで割った「ミモザ」です。用意している飲み物であれば、このようなカクテルも作ってもらえます。
以前のスーパーシートの一時期、全時間帯で軽食でも茶菓子でも選べる、というサービスが旧JAL/JASともにありましたが、ファーストクラスも同じく、全時間帯で、「お食事」として食べることが出来ます。(もちろん、甘味や茶菓子などもあります)。
また、旧スーパーシート当時は軽食か茶菓子かだけの選択でしたが、現在は、食事の中でも更に選択枠があります。全員が全員、同じ夕食ではなく、軽食も食べたい人は軽食(の、カップ麺)など、メニューにある食べたいものを頼めます。
しかもそれでも、飲み物はもちろん、陶器の食器で用意しています(スーパーシート時代は、このような選択制の頃は、お皿ではありませんでした)。
「お腹が空いている」「この後会食がある」など、体調やこの先の予定などに応じて、色々と組み合わせることが出来ます。出発空港には、どちらかといえば余裕を持って行かなければならず、食事するタイミングを失いがちですから(例えば13時発の便だからと言って、空港内のレストランが混雑したり、出発何分か前には搭乗口に着く必要があるため、お昼時に食べられるとは限らない)、全時間帯で食事が出来るのは重宝すると思います。
食事と一緒に、ナプキン(衣服が汚れないため)も用意されます。その布にはボタンの穴があり、胸から掛ける場合は、このボタン穴を使うとよいということでしょう。
このファーストクラスは、まず東京(羽田)〜大阪(伊丹)間でスタートしました。この路線は世界的に代表する幹線ですが、その一方、フライト時間は短いです。短時間の間に、一人一人違う機内食など、サービスは完了できるのかという不安は、サービス開始前は不安視されていました。
天候の影響もあると、ただでさえ短いサービス時間がさらに短くなってしまいます。ファーストクラスが出来て初めの方は、慌ただしく感じることもありましたが、やがて、CAの方も慣れてきて、短時間なりの丁度良いサービスを受けることが出来ます。
福岡などの長距離便では、離陸後にベルトサインが消灯し、着陸前に点灯するまで約1時間近くと、東京〜伊丹間の倍程度に増えます。温かい軽食などのメニューが増えましたが、それでもかなり余裕があります。
極力(ベルトサインが付く直前)まで、乗務員は乗客と接するようにしています。何か用事があれば、「乗務員呼出ボタン」を使う前に、通りがかるCAさんに声を掛けるほうが早いくらいです。
到着後
荷物は、最優先でターンテーブルにきます。荷物を見てみると、赤い「ファーストクラス」タグが付けられていました。もちろん、ファーストクラスの先、乗り継いでも、その到着空港で最優先で返却されます。
ラウンジが使えるようになったり、機内食が食器で出てくるなど、昔のスーパーシートを彷彿とさせ、さらに機内食の充実やシートの大型化などで、「ファーストクラス」という名前の通り、従来のスーパーシートを大きく上回る内容となっています。
また、具体例などを書くのは難しいですが、座席や食事などの目に見えるサービスだけではなく、地上の係の方や客室乗務員としての、ファーストクラスとしての、気遣いがあります。おそらく、「ファーストクラスはもう使いたくない」と思う人は、いないと思うほどです。
値段優先の方は普通席、ちょっとゆったりしたい方はクラスJ、最大限優遇されたい方はファーストクラスと、利用者に応じて使い分けやすくなったと思います。
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