JR東海・新幹線N700系

……東海道・山陽新幹線 のグリーン席

 N700系とは、2007年7月にデビューしました。車体を傾斜する装置を設けることで(振り子ほど本格的ではないようです)、東海道新幹線の区間で多いカーブを、今までの車両よりも高速で走行できるようになっています。

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*:シートヒーターのアイコンですが、実際は「レッグウォーマー」です。
詳細はアイコンの説明をご覧ください

 その他のサービス:冊子(WEDGE、ひととき)
 音楽のサービス内容:5チャンネル(Classic、Popular Music、Artist Collection、English Conversation、Radio)(2001年9月現在・2ヶ月ごとにプログラムが変わります)





 外の表示も含めて、客室扉上部のサインやピクトグラム(LED、号車表示、トイレ使用灯、消火器やゴミ箱)は、文字が大型化されており、逆に、今までが小さすぎるのではないかと思うくらいです。そのLEDは、プロポーショナルフォントではありません。
 客室全体で電球色で、照明が、何となく中央にあります(その結果、荷棚の前出が少し広い)。窓枠の上にも電球色のLEDが埋め込まれています。



 この座席の開発に際し、ドイツのメルセデス・ベンツの座席を分解し、構造などを研究したそうです。
 布地は、写真で見ると違うように見えますが、実物を見ると同じ柄です(繊維の流れ方によるため、このように写ってしまう)。座面とバックレストの堅さが違い、バックレストの方が堅く、枕もほぼその堅さのままです。枕が、厚みはいいものの、同じ路線を走る500系に乗ると、もうちょっと柔らかいといいかな、とは思いいます。
 座っていると見えにくいですが、中央の肘掛けの先端には、コンセントが用意されています。
 読書灯は電球色で、バックレストに埋め込まれています(窓側の座席の、人が座っているとしたら肩付近に、光っている円い点が見えると思います・※この写真では点灯しているわけではなく、光の反射により光っています)。



 窓は小さめです。
 リクライニングは、「シンクロナイズド・コンフォートシート」と言う、いわゆる“ゆりかご式”です。座面の下がり方も中々です。倒すときはレバーを手前に引き、戻すときは先の方に押します(戻すときはちょっと硬いような気もしますが)。電動ではありませんが、少しの力で動くことができる一方、電動と違い、音も出ず、動作が速くスムーズで、電動よりよいかもしれません。この、リクライニングの動作は、他の座席と比べてもピカイチです。
 背面テーブルは、多少、面積が広くなっています。フックをはずし、手前に倒した状態だと前の方にあり、手が届かないかもしれませんが、手前に引くことができます。インアームテーブルも含めて、出すとき、仕舞うときが堅いです。
 中央肘掛けに区切り線がありますが、腕を載せても気にならない柔らかさです。
 また、レッグウォーマーがあります。これは、座面を温めるのではなく、その下の金属が温かくなり、ふくらはぎを温めるようになっています。



 背面テーブルの止め金具に丸い突起があり、レジ袋などを掛けるのにも使えます。
 背面ポケットは網状ですが、その網も従来と違いゴムになっていて、収縮性に富んでいます。
 フットレストは、デフォルトの状態だとやや高めに位置しています(フットレストは使わず、足を伸ばしたい場合にはいいかもしれません)。そのため、レバーを踏んで低くしないと足を置きづらいように感じます。一方で低くすると、他の座席よりも低くできます。



 車両・座席としては、いい方に入りますが、相変わらず、ソフト的なサービスがないのが残念です。
 色々と快適性を重視したというN700系ですが、前の方に座ると非常に目障りであろう、“光る広告”は健在です。
 デビュー当時には逆にありませんでしたが、後になって、「グリーン車座席のご案内」の下敷きを用意するようになりました。…用意したという行為はいいのですが、内容が、詳しくないというより、利用者の立場に立った説明ではありませんでしたが…。



 車端部分です。大きなピクトグラムが分かると思います。

 これらの室内写真の車両番号:776-3



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