JR東日本・253系200番台
……成田エクスプレス号 のグリーン席
253系とは、成田エクスプレスの専用車両です。今まで、グリーン車には、1-1配列と、2-1配列と1-1配列が交互に並ぶ、2タイプがありましたが、その後、この前列が2-1配列のこの座席に総て置き換わってしまいました。
当サイトでの呼び名では、200番台となっております。現在、0番台も100番台も、このページと同じ客室に改造されましたが、従来の0,100番台との区別のため、便宜的に付けたものです。
最終的には、2010年06月30日に廃止になりました。関連ページ:相変わらず 悪貨は良貨を駆逐させる JR東日本
悪くするためには跡形もなく、とことん改造するようで、今までの客室とは大きく変わっています。改造前は、航空機を意識したようで、丸みを帯びた客室内でしたが、改造後は、あくまで普通の特急車両になりました。成田エクスプレス走行区間はトンネル内を長く走りますが、読書灯も撤去されました。窓が大きくなり、(外が明るいときに)明るくなったのは唯一の改良点かもしれません。
席番の付け方が、ある時期から変わり、トイレ寄りが1列目〜運転席寄りが10列目になりました。この写真では、手前が10列、奥が1列です。10列目は、まだ荷物スペースがあるので多少猶予があるものの、1列目はすぐに自動ドアがあり、立って通路に出ようとするだけで自動ドアが反応、センサーが敏感すぎます。
0,100番台の座席は、金属の台座に置かれており、見た目の格好がよくありません。200番台の場合は、この台座はありません(中央の柱だけです)。中央のアームレストを見ると、E3系統の座席と同じことが分かると思います。
肘掛けの位置は低いです。枕は、少し柔らかい感じですが薄っぺらいです。2-1配列にした代償なのでしょうか、シートピッチが、通常のグリーン車の1160mmに対して、この座席は1090mmです。J寸法的には最下位です。
座席配列が、今までの、デフォルトが斜め向け(0番台)や、変則的なもの(100番台)から、全席2-1配列で、斜めに向くようなこともないため、フットレストが付くようになりました。
この座席と基本的には同じ初期のE3系とは違い、背面ポケットが、ゴムひもから網状になっています。
フットレストは、両面とも同じ布地(カーペットとも座面とも違う)でどちらの面がどちらかが分かりづらく、靴を脱いで使う気にはなれません。跳ね上げるようになっていますが、下の面で固定することができずに、勝手に跳ね上がり、保持しません。
今までのように、45度ずつ回転するようなことは出来ません。
言葉での説明では分かりづらいので、下の図をご覧頂ければ分かると思いますが、二人掛けの座席のそれぞれ客室の端部前後の部分に、一人掛けの座席がありますが(1A,10A席)、窓にぴったりくっついていません(この写真はC席なので、反対側の話です)。そのため、フットレストやテーブルなどが窓に寄っているため、違和感があります。一番前なら、その一人掛け席に合わせた壁にあるテーブル、フットレストが使えますが、同じ一人掛けを選ぶなら、C席を選んだ方がよいでしょう。一方、成田空港行きでは9Aの人が、一人掛け10列の、ズレたフットレストを使うことになります(一方9B席はフットレストや、それを補うオットマンの類がない…前方は何もなくて広いですが)。
天井は直接照明に、変なカバーが付いています。蛍光灯は席から丸見えです。しかも電球色ではないので、何だか普通車のようです。言い方を変えれば、客室内全体では明るくはなりました。
JR東日本の在来線特急が2-2配列ばかりの中、「まぁ、まだ2-1配列だからいいじゃない」と思うかもしれませんが、問題は、この列車のグリーン料金は、普通のJR東日本のグリーン料金よりも割高だと言うことです。
しかも、2009年秋から、この列車の置き換えで、E259系がデビューしましたが、普通車や、他のJR東日本の在来線グリーン車と同じ2-2配列になってしまい、徐々に徐々に、悪くなっています(これ以上落ちぶれることがないところまで落ちぶれました)。この253系は全車置き換えされてしまいました。この底を打つには、JALファーストクラスに触発され、鉄道の座席としてはちょっと現実的ではないイメージ図の紹介があった、新幹線E5系・スーパーグリーン車=グランクラスのように、京成スカイライナーに、2-1配列の特別席がデビューし、京急線まで直通運転でもしない限り、この殿様は変わらないでしょう。
253系デビュー当時から、そのまま改造されていないグリーン個室です。改造=改悪されていないため、一言で言えば、ゆとりがあります。ちなみに、E259系には、グリーン個室はありません。
これらの室内写真の車両番号:クロ253-1
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