JR東日本・485系(最旧式)

……かもしか号 のグリーン席

 3両編成の485系の「かもしか号」として使われていた車両のグリーン席です。3両編成の485系はJR九州でも走っていましたが、九州の方は普通席のみの編成でした。
 2010年に東北新幹線が新青森に延伸するまでは、秋田〜青森間は「かもしか号」として走っていましたが、延伸後この区間の列車は「つがる号」(延伸前は八戸〜青森・弘前間の列車名)となり、E751系(一時期走らなくなったため、当サイトでは既に今は亡き座席に移動済)と485系3000番台(臨時列車)にて運転するようになりました。
 一方の、当のこの車両ですが、延伸後は臨時用の車両として使われたこともあったようですが、2011年10月現在、一部の編成が、廃車解体される場所に回送されたようです。




 横4列×縦3列=12列のグリーン席です。客室内は、特に天井周りは国鉄時代の無機質さが大きく残っているものの、全体的に黒・グレー系の色合いです。
 グリーン席と普通席の区切りは、別の仕様の座席では自動ドアで区切られていましたが、こちらは普通の引き戸です。床は、走行音を遮断して静寂性を高めたいからでしょうか、グリーン席は一段高くなり(5cmくらい)、カーペット敷きです。ところがその一方、普通席とを区切る壁が簡素なもので、天井・横壁ともにすかすかで、しかも隣は自由席なので、混雑していると人の音が伝ってくるのではないかと思いますが…。



 JR西日本の、改造されなかった485系と同じ座席です。
 座席は、国鉄時代のものそのままです。ただ、柄は代わり、肘掛け部分が、布張りから、ビニール張りになりました。この柄にしろ、ビニールの生地にしろ、他の座席にも使われているものです(柄の例:E485L)。



 同じ座席のJR西日本の485系の写真(の、窓と肘掛けとの間隔)を見比べると、客室全体が嵩上げしたことが何となく分かると思います。
 元々は全席普通席だったものにグリーン席を設置したため、窓枠と座席とが合わない席があります…と言っても、該当するのは中央の1列のみです。
 段階式のリクライニングシートです。それほど長い距離を走る列車ではありませんが、昔の座席をそのまま使っているため、リクライニングの角度は深いです。
 一方でテーブルも昔のままで、窓側席の場合、肘掛けのテーブルは、窓枠に当たらない程度のサイズではありますが、位置関係がぎりぎりのため、使うときや仕舞うときは指を挟むおそれがあります(床の嵩上げの弊害かもしれません)。また、収納時はテーブルが飛び出ているので、肘に当たります。



 背面テーブルはなく、上記の、肘掛け横のテーブルのみです(一般的には、車端部には大きなテーブルが備わる車両もありますが、このグリーン席にはなく、全員がこの小さいテーブルのみです)。



 奥の扉の先は運転室ですが、扉の上には家庭用のルームエアコンがあります。型番を見ると、一番小さな6畳用の機種でした。このグリーン室は、大体6畳強あったようですが、外が鉄壁の中で、どれだけ効果があったのやら(※取材時は3月だったため、使われていなかった覚えがあります)。そのエアコンの左右には、毛布が用意されています。
 青森駅での放送では、「温泉特急・かもしか号」という案内でした。車内販売も、自動販売機もありませんが、冷水機は残っていました。この座席を含めてごくごく一部ですが、タイムスリップしたような感覚です。

 これらの室内写真の車両番号:クロハ481-1003


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