JR東日本・E751系

……つがる号 のグリーン席

 E751系とは、スーパーはつかり号(当時)用の車両として、E653系をベースにして2000年にデビューした車両です。前面には「hatsukari」という英文字があったのですが、2002年12月ダイヤ改正時に「tsugaru」に変わりました(申し訳ございませんが、このページの一番上の写真ではつぶれて見えません)。
 東北新幹線が新青森まで延伸し、この「つがる号」と言う列車にこの車両が使われなくなった影響で、2010年12月4日から、一時期走らなくなりました。比較的新しい車両で、そのまま引退という可能性は少ないとは思いますが、交流専用のために使いづらいと言う話もあるようです。もし、他社に行くとしても、こんな低質な車両、誰も引き取りたくはないでしょう。
 その後、485系3000番台の置き換えとして、2011年4月23日から、従来の6両編成から4両編成になり、おなじ「つがる号」で復活しました(おすすめしたいというわけでもないため、そのまま「今は亡き」に載せておきます)。





 E751系は、まだ新車のうちにはいるでしょうが、同じく新車の789系と乗り比べると、その差が分かってしまいます。
 これは単純に見た目で分かりますが、縦5列が4列になり、その分前後(≒床面積)が狭くなる一方で、車両としての幅の寸法は同じなのに、横3列が4列になってしまっています。
 そして細かく見ていくと、窓ガラスが、北海道の車両が2枚なのに対し、同じく寒い地方を走るこの車両は、厚めではあるものの1枚です。やはり違いはあり、窓からの冷気が伝ってきます。客室の他の差と言えば、壁と座席の間がなく、はやり窮屈に感じます。いい例として、789系とは違い、もしボールペンなどを落としてしまったら手で拾うことができないくらい狭いのです。窓枠には小物程度なら置けますが、それが幅をとり、肘掛けに肘をおこうとするのを邪魔します。



 座席はE3系をベースにしています(絨毯も横縞模様と、同じです)。そのため、座席は弱々しく、中間の肘掛けも狭く、隣の人が使っていれば、こちらは使えません。弱々しい例として、隣の人が動くと、座席そのものにもろに影響を受けるという状態です。乗り心地は、線路によるものも大きいのでしょうが、揺れます。ただし、789系よりももっと揺れるような気がします。また、変な縦揺れが多かったです(これは789系ではありませんでした)。これでは文字が全く書けません。



 こちらの座席は、テーブルは背面にある1つだけです。もちろん、E3系のそれと同じく弱々しいです。フットレストも同じく弱々しく、どちらの面がどちら用(靴を脱いだままor脱がないで)か分かりません。再び789系と比べると、枕がふかふかしているところはよく、また、リクライニングの深さは、大きな差はありません。
 ここら辺りをまとめると、窓側の肘掛けに肘をおこうとしても窓枠がじゃまして違和感がある、じゃあ、その窓枠におこうとしても、窓ガラスが1枚のため冷たい、だからといって、中間の肘掛けを使おうとしても、すでに使われている…という、自分の居場所がない八方ふさがりの状態です。これでも、グリーン車です。



 789系と比べる中で、E751系が“たちの悪い”ものとして…まずは前提として、789系のシートピッチは1145mmに対し、E751系のそれは1160mmです。これだけで判断すると、後者の方が広いのですが、シートピッチから座席分を引いた長さは(足下のスペース・J寸法)、実は789系の方が広いのです(5cmの差があります)。どこで無駄をしているのかというと、座席の奥行き(D寸法)の差は10mmで誤差の範囲でありこれは除くとして(しかも広いからと言って無駄ではありません)、シートバックの厚みです。789系は何とかして薄くしながらも、重厚さを保っているのに対し、E751系は厚くしておいてその割には重厚感がありません。



 他に細かく見ていくと、まずは帽子掛けについてです。789系の窓枠1つに2つに対し、この列車は1つです。つまり、全体で言えば789系は、15人で20個使える(しかも、バックレストにもあり、結果としては35個)のに対して、E751系では、16人で10個しか使えず、しかもバックレストにはありません。しかもフックそのものは、幅が太く、上着によっては使えないものもあります。次に車内LEDについてです。次駅案内、車内の案内、「はやて」は全席指定だという内容はありましたが、789系では表示していた文字ニュースはありませんでした。また789系と比べると、789系はドットが細かく日本語は明朝体で表示していましたが、E751系はドットが粗いです(16ドット)。最後に、E751系には読書灯がありません。こういう細かいところでも、ぼろが出ています。これでも、“基本的には”同じグリーン料金です。

 これらの室内写真の車両番号:クロハE750-3


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