JR東日本・新幹線E3系2000番台
……山形新幹線・つばさ号 のグリーン席
山形新幹線用のE3系です。99年に山形新幹線が新庄までの延伸に伴い、1000番台が増備編成として導入され、その後、400系を淘汰させるべく、2008年に2000番台が導入されました。秋田新幹線用の0番台と比べると、一番変えて欲しい2-2配列という座席配列以外は多少、変化が生じています。
詳細はアイコンの説明をご覧ください
意味が不明なアーチ状の造作はなくなり、多少は広く見えるようになった車内です。ただし、2-2配列なのは相変わらずで、座席の狭さは従来のE3系と変わりません。この列車も400系と同様、先頭車です。もし先頭車でないと、通路を歩いてきたお客さんが普通車と間違えるでしょう。
黄色いヘッドカバーの上下できる枕周りや、幅の狭いメッシュ地の肘掛けは変わりません。
幅の狭い割には上に跳ね上げることの出来ない中間の肘掛けも相変わらずですが、その肘掛けには、普通席に設けられた電源が、グリーン席にも(仕方なく)設けられることになりました。普通席には壁よりにあるのに対して、グリーン席の場合は肘掛けにあるので、普通席の利用者よりは、使い勝手はよいでしょうか。
普通席と唯一の相違点は、(従来からあった)半面のインアームテーブルの他に、レッグレストが備えられたことでしょうか。ところが、フットレストはなくなりました。(靴の重量で)足首を捕まえられて、下の方に引っ張られるような圧迫感があり、手持ちぶさたです。スリッパを持参すると良いでしょう(こまち号ではないので、サービスされません)。また、リクライニングは手動にもかかわらず、レッグレストが電動という、珍しい組み合わせです。リクライニングは、角度は良く倒れるものの、座面が全く動かないからか、腰の部分が大きく曲がっているからか、上着のずれが酷くなります(リクライニングのことを背ずりといいますが、まさにそれです)。
これは個体差かもしれませんが、背面テーブルは、棒とテーブル本体のつながる部分が堅く、仕舞うときはバックレストに鋭角で当たります。いつも以上にゆっくり仕舞わないと、前の人が不快になります。
狭いのは座席そのものだけではありません。座席と、横の壁の間もです。狭いだけならまだしも、これが危険です(これは255系でも同じでした)。インアームテーブルを取り出すとき、指を挟む可能性があります。また、そのインアームテーブルは、その狭さで取り出しづらかったです。
ポケットの部分は、低グレードの座席を象徴するゴムひもではなくなりました。ただ、見栄えの向上やサービスアップのためではなく、普通席に設けられているカップホルダーを、グリーン車にも(仕方なく)設けたからではないかと思います(ゴムひもの場合、カップホルダーと干渉してしまう)。実際、普通席も網ポケットです。窓よりの座席から、黒い輪っかが見えますが、上着や傘などを中に通すことで、ブラブラさせないようにするためのようです。
デッキ側に唯一ある、一人掛け座席です。一人掛けだとは言っても、隣席との肘掛け争奪戦が起こらない程度で、基本は2人掛けと同じ仕様です。座面の座布団の形状が、左右で違う(左右非対称な、二人掛けのものをそのまま流用)のは気のせいでしょうか。
ヨコシマな絨毯は、0番台から引き続いています。他の部材は、0番台と比べると、(質が良くなったかは別として)別のものですが、この絨毯だけは、同一品かもしれません。
新幹線車両のため、グリーン車に備えられたトイレにはウォシュレットが備えられています。グリーン車と普通車の間には特に扉があるわけではないので、もちろん、普通席の人でも気軽に使えます。
これらの室内写真の車両番号:E311-2007
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