JR東日本・新幹線E5系(グランクラス)

……東北新幹線 のグランクラス

 このE5系は、320km/hを走るべく、東日本大震災の起こる一週間前(11年03月05日)にデビューしました。当初は速達列車のはやぶさ号にのみ運行していましたが、現在は、E2系の置き換えもあり、速達でない列車にも使われています。
 このグランクラスは、E5系が初のサービスとなります。グランクラスはE5系の全編成に用意されており、はやぶさ、はやて、やまびこ(一部)の各列車では客室乗務員が乗務し、軽食などがサービスされますが、早朝・深夜の列車と、なすのでは乗務やサービスがありません。


詳細はアイコンの説明をご覧ください

 その他のサービス:軽食、茶菓子

アメニティスリッパ、ブランケット、靴べら、アイマスク
温かい飲み物コーヒー、緑茶、ハーブティー
冷たい飲み物コーヒー、緑茶、黒烏龍茶、アップルジュース、ダイエットコーラ、ミネラルウォーター
アルコールビール、ワイン(赤・白)、日本酒、シードル






 新幹線車両を、普通席は3-2配列、グリーン席で2-2配列のところ、このグランクラスは2-1配列となっていて、横の寸法(特に肘掛け)には余裕があります。一方、グランクラスは先頭車にあり、320km/hに対応するために流線形になっているため、縦の列は6列です。反対側の先頭車も6列ですが(こちらは普通席です・同じ列数ですが、乗降ドアが2箇所あるなどの違いはあります)、そこら辺の狭さもあって、苦肉の策でこの座席を用意したのかとも思えます。
 車内は、座席の下、窓枠や、出入り口の扉付近など、今まで鉄道車両で使わない、至る所でLED照明が使われています。



 革張りの座席や、センターコンソールなど、木目以外はどこかの座席に似ています。
 座ると、ちょっと座高が低いかなと感じます。予想の高さで座ると、思ったより低いために、(勢いが付いて)ドシンとなりますが、隣への影響を与えそうな構造になっているように思えます。ただし、掃除中以外は、あえて回転できないようになっているため、構造がわかりません。
 手ぶらで乗る分には全く問題ありませんが、窓枠など、乗車中に必要な小物類を置く場所がありません。センターコンソールはあるものの、隣の人との共有ですから、限界があります。



 色々なところにLED照明が埋め込まれていることが分かります。
 リクライニングとレッグレストは電動です。座面の角度もゆりかご状に変化します。
 インアームテーブルは、仕舞うとき、カバーが同時に開くので、楽ですが、一方、インアームテーブルを引き出すときや、カクテルテーブルの収納時は、金属が当たる音がするために若干騒々しいです。



 シェルタイプなので、前の席の背が来ることはありません。背面ポケットに当たる冊子類の収納は、センターコンソールの真下辺りにあります(これもどこかの座席と同じです)。スリッパもここに入っています。



 一人掛けの座席の場合、背面ポケットがなく、壁にポケットを設けています。



 荷棚の内部には、飛行機のような、下の部分が見えるミラーが貼られています。
 新幹線は、途中駅での乗降があるので、飛行機とは違うサービス方法が必要です。特に仙台は、乗り降りとも多く、仙台で降りたその席に、仙台から新たな客が座ることもあります。仙台に停車する前に、グランクラス担当の乗務員(一人)が10号車のデッキに向かう一方、他の二人(グリーン車担当、車内販売員・※15年3月まで)が出て来て、仙台で降りた客の席の片付けとセッティングをします。仙台を降りる人と仙台から乗る人の時間差は短く、飲食店で前の客のお皿を片づけているシーンと似ていて、列車内に入っても、すぐに座ることができない可能性があります。
 コントロールパネルには係員呼び出しボタンがあります。そのボタンを押しても、すぐ来るわけでもない一方、旅客機のようなポンという音もせず、席の上にサインが出るわけでもなく(なので、ちゃんと反応したかどうかも分かりづらい)、一方係員は、他の号車に行ってるだけかもわからず、これは色々とわかりづらいです。


 軽食・洋食(2014年04月上旬)
※洋軽食は、2019年3月で廃止になりました。

 (途中駅から乗った場合)着席後まずは、温められた大判の布おしぼりが(袋のまま)配られます。そして、食事・ドリンク・おつまみ/茶菓子の希望を聞かれます。食事は和食か洋食かの選択制、おつまみ/茶菓子も選択制で「両方」は不可能です。そして、少しするとまとめて持ってきます。カートなどで持ってくるわけではなく、一人一人分持って来るため、都度9号車寄りの準備室を往復します。JALファーストクラスの2〜3列とは違い、6列となると倍ですので、地味に距離はあります。
 食後のおかわりは、特に率先して聞かれません。コーヒーの場合、飲食店のようなポットとグラスを持ってきて、目の前で注がれます。
 テーブルは、通路側の席だと乗務員が出してくれますが、そうでない場合は自分で出さないといけないようです。また、お代わりなどの飲み物だけ頼んだとき、テーブルをそのまま出していましたが、乗務員がテーブルに置いてくれるわけでもなく、“私の持っているトレイから、あなた自身で取って欲しい”というニュアンス。JR東日本が、と言う意味ではかなり上等ではあるものの、客室乗務員による応対のレベルは、ANAのプレミアムクラスと同程度かもしれません。JALファーストクラスへは、遠い話です。



サンドイッチ ●たまごサラダ&岩手県産ロースハム ●ツナとオリーブのサラダ&ブロッコリー
付け合わせ ●ミニハンバーグ(青森県産りんご入り) ●フルーツ(キウイフルーツ&パイナップル)
 お弁当も、おしぼりと同様、頑丈にラップでくるまれたままです。料理だけ温めることが出来るわけもなく、もちろん冷たいまま。下にちらっと写ったフォークは使い捨てです。

2019年4月に軽食の内容が大幅に変化

 19年4月1日に、グランクラスのサービスをリニューアルしたとのこと。軽食の種類を一本化(洋食を廃止)し、その分、質を高めたという主張のようです。
 インターネットのグランクラスの軽食が変わったという記事によれば、3月16日のダイヤ改正で、上越新幹線にもグランクラスを導入する機会に、軽食サービスを大きく変えていき、知名度を上げたいのことですが、そもそも、その上越新幹線向けのグランクラスには、その軽食などの人的なサービスはありません。グランクラスを、上越新幹線へ(軽食サービスはないけど)導入し、軽食の内容をよくする…ちょっと何言っているのか分かりません。
 そのリニューアルに際して、日本料理店の店主に監修を依頼したそうですが、その監修も1年契約で終わっても、何の不思議もありません。また、食器は使い捨て容器のままで、温めたりサービスの提供方法は変わらないでしょうから、例え料理の質がよくなったとしても、そんなに見違えるほどはよくはならないと思います。2011年3月にグランクラスのサービスが始まりましたが、そもそも、軽食を提供する便が全廃になってないだけでも特異なパターンです。


 これらの室内写真の車両番号:E514-27



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