JR九州・787系(リレーつばめ)
……リレーつばめ号 のDXグリーン席
つばめ号とは、以前走っていた超豪華列車に端を発します。暫く名称が使われなくなった後、JR九州が、この車両を利用し、博多〜西鹿児島(現・鹿児島中央)間で復活。現在は「つばめ」号は、鹿児島中央〜新八代間を結ぶ九州新幹線のことを指し、この車両は「リレーつばめ」号となっておりますが、その新幹線よりもこの車両の方が、その名を汚さないような豪華な施設を誇っています。
詳細はアイコンの説明をご覧ください
その他のサービス:電源、スリッパ、茶菓子、キャンディー
サービスされる、飲み物の種類:温:コーヒー、コンソメスープ、緑茶・冷:かぼすジュース、りんごジュース(クリアタイプではない)、アイスコーヒー、ミネラルウォーター
※グリーン車は、2010年3月末にドリンクサービスがなくなりましたが、車内販売が15年3月になくなったため、DXグリーン車向け全サービスも同時になくなったものと思われます。
92年に登場した車両ですが、10年以上経った今でも、豪華さは5本の指に入る列車です。この列車には、普通のグリーン席だけではなく、個室、DXグリーンという、3種類が用意されている、非常にユニークな車両です。
乗務員室に一番近いところにある3席しかない座席がDXグリーンです。
後ろの壁に掛かっているブーメランのような形状のものは、ハンガーです。寝台以外でハンガーが用意されている座席は、これだけではないでしょうか。ただ、こちら、フックがバネで戻ってしまう仕様のため、フックに掛かっているハンガーを取り出し、衣類を掛けて、再び掛けようとすると、そのフックを引っ張り出さないといけません。出ているからといって、ぶつかってしまうなど不都合になるわけではないので、わざわざバネがあるフックでなくても良かったと思いますが…。
このDXグリーンの部分は以前は「トップキャビン」という定員6名のセミコンパートメントがありました。料金は普通のグリーン料金と同じで、座席は現在のグリーン席と同じですが、大きな木目調のテーブルがありました。
二人掛けの座席は、一人掛けが並んでいるように見えますが、台座やテーブルの都合もあり、本当の二人掛けです。枕は、ヘッドカバーはタオル地で、枕そのものは柔らかい方ではないでしょうか。
コンセントが、3人のためだけに、合計8カ所あります。
寸法的には、他のグリーン車などとは大して変わりませんが、すごいのはリクライニング・レッグレストです。手元の電動スイッチを押すと、スイッチが光り、このように変化していきます。レッグレストはほぼ水平になります。リクライニングも、列車史上最大に違いないでしょう。ちなみに、飛行機のファーストクラスのように、ボタン一つでこの状態になるわけではありません(最後までボタンを押し続ける必要があります)。
枕は柔らかく、倒しても低く感じませんが、枕の高さが変えられると、もっとよいのかもしれません。
読書灯は、これも手元のスイッチにて点灯/消灯することができます。
DXグリーンも800系新幹線とほぼ同時デビューだったからか、木目が多く使われています。ただこちらの場合は、色が落ち着いた色です。前後の座席がないので、シートポケットに当たるものは必要はありませんが、代わりに他の部分にポケットに当たるものがなく、そのため、車内販売のメニューやJR九州の車内誌がありません(一般グリーン席からもらってくる必要があります)。バックレストは、デザインの話ですが、もうちょっと重厚感があってもよいかもしれません(これも、九州新幹線のように薄いです)。
一人掛けの座席です。DXグリーンの窓にだけ、スモークフィルムが貼られており、外から、中をうかがいしづらくなっています。また、カーテンの柄も違います。
テーブルは、特に一人掛けの座席の場合は、片方によっているため、やや使いづらかったです。
この前方は、普通のグリーン席です。元々このグリーン席もクオリティが高く、普通のグリーン席と比べて、フットレストがない、途中で中折れするリクライニング機構がない、などもあり、好みが分かれるかもしれません。車両が揺れるとき、普通のグリーン席は特に問題ない一方、DXグリーンは、ガクガク横揺れしていて、新しい座席の分、何処かでコストを削られているのかも知れません。
検札の時にドリンクのオーダーがあり、その後、飲み物、おしぼり、お菓子、キャンディーが、一つのトレイに載せられてサービスされます。客室乗務員は、車内販売も含めて、その後ほとんど来ません(また、呼出ボタンがあるわけでもありません)。基本的には、検札と、オーダーしたドリンクが来るのと、最後の方のゴミ回収だけです。お代わりを聞きにくるくらいの余裕がほしかったものです。車内販売担当の人と、グリーン車担当の人は、確か別々の人だった気がするので(二人乗務)、それほど忙しくはないと思いますが…。
一つ上の写真でも見えますが、元々、普通のスリッパは備えられていますが、使い捨てのスリッパは、リクエストすることでもらえます。
これらの室内写真の車両番号:クモロ787-9
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