JR西日本・183系800番台

……きのさき、こうのとり、はしだて号 のグリーン席

 この車両は、元々は485系です。485系は架線が交流でも直流でも走れる車両です。その一方で、この列車の走る路線は直流のみのようです。となると交流の機器が不要となるため、撤去し、183系("1"は直流のみ走れる意味)としました。しかし、元々183系は存在し、関東周辺で走っていたため、800(700)番台を名乗るようになりました。183系のページを見ると、最初から183系の車両の場合は、運転室の真後ろにも乗降扉がありますが、元485系の車両の場合は、その乗降扉がありません。
 2013年3月16日のダイヤ改正で引退しました。




 (元)485系で先頭車両半室の、2-2配列グリーン席というと、JR東日本の東北方面ではおなじみです。



 一番下の写真の通り、車両は展望仕様ではありませんが、座席は展望仕様です。W381YPと同じ座席です(寸法は、計測場所の誤差があります)。
 一人サイズの幅の狭い中央の肘掛けは、跳ね上げることはできません。



 普通車の車両を改造したために、窓枠と座席が合わない座席もあります。
 リクライニングをしていない座席を見ると…ほぼ直角です。飛行機みたいに、リクライニングしてはいけない時間はないわけで、腰掛けた直後から倒してはいいものの…グリーン車としてはいかがでしょう。また、もしかしたら後ろの席に座ってる人次第で、倒しづらい状況にもなるかもしれません。そういうときはたまったものではありません。
 頭の部分は手前に曲げることもできます。



 381系と違って、床下は広いです。
 フットレストの高さは変えられません。



 この先は乗務員室です。展望とは無関係な乗務員室の扉に、ガラスは使われないはずですが、何故か使われています。その一方で、この写真はカーテンが下がっていていますが、もし開けられていても、運転席が高いため、前面展望は出来ません。おそらく、グリーン車客室とデッキとを区切った扉を再利用したのではないかと思います。
 座り心地・乗り心地以前に、狭い座席です。グリーン車も普通車も両方とも空いていれば、普通車の方がいいのかもしれないというくらいです。
 この列車は、やがて287系に置き換わることになりますが、その時のグリーン車は2-1配列になるようです。JR東日本の場合は、新車に置き換わる際は、グリーン席は必ず粗悪になりますが、JR西日本の場合は真っ当に進化するようです。
 JR西日本では、雷鳥号などで使われていた485系と言う車両は、2011年3月で廃止となりました。名前はなくなりましたが実際はこのように細々と生き残っています。とはいっても、この183系も、287系や381系が投入され、2013年3月までとなりました。

 これらの室内写真の車両番号:クロハ183-806



資料のインデックスに戻る