トイレ(大便器)の特徴のページです。同じ大便器でも、和式/洋式という区別だけではなく、洗浄方式で違いがありますが、そういうものも含めた紹介もします。
飛行機のトイレの特徴
飛行機のトイレは、洗面所と一体型です。そして、これは国際線の話ですが座席クラスによって面積の違いがあります(座席や空港だけではなく、こういうところでも違いがあるんですね)。少し昔の情報ですがおそらく今でもほとんど変わっていないはずですが、ファーストクラスは1.2平方メートル、それ以外は1.0平方メートルです。
全世界的に、トイレ(ギャレーなども含む)は、「ジャムコ」というメーカーが作っています。
JASの場合は、「フローラルルーム」という、女性優先のトイレがあります(他のトイレが使われていれば、男性も使えます)。ハンドクリーム等々が備えられており、臭いも違います(香水?の臭いがした…花の香りらしい)。一部の機種では臭ってしまう、消毒液の臭いをうち消す結果となるわけで、評価できます。
鉄道のトイレの特徴
鉄道のトイレは、最近の傾向として、編成の中の一箇所には“バリアフリー対応トイレ”を設置しています。つまり、車椅子の利用者などが使いやすいトイレのことですが、それにも大きく分けて、上からの見取り図的に見て正方形トイレと、縦長トイレに分けられます。正方形トイレは、トイレのスペースが全体的に広く、バリアフリーに関係なく使いやすいと思います。そして、たいていは洗面台も併設しています。縦長トイレは、レール方面の辺が長いトイレです。縦長トイレのドアの開閉は自動ドアです。比率で言えば、正方形トイレの数はかなり低いです。
正方形トイレ(JR九州・883系)
縦長トイレ(JR東日本・E351系)
トイレの洗浄方式
日本の(特に都市部の)トイレはほとんどが水洗トイレです。一般建築物のトイレでの“洗浄方式”というと、「洗落し式」や「サイホンゼット式」などと便器の形状で分類することが出来ます。飛行機や列車のトイレも水洗ですが、上記の方式とは違う分類方式で、現在のところ、飛行機で2種類、鉄道で4種類に分けることが出来ます。この場合は、あえて言うと、汚物を溜めるタンクの様子で分けます。
垂れ流し式(鉄道のみ)
その名の通り、汚物はそのまま外にまき散らしてしまう方式です。トイレのドアの横などに「停車中は使用しないでください」旨のメッセージが表示されていると、これにあたります。線路の外に何もなければ雑草の良い肥料になりますが、都市圏まで来ると衛生的に非常に悪いわけで、なくなりつつある方式です。
青い矢印:清水の流れ 茶色い矢印:汚物の流れ
カセット式/燃焼式(両方とも鉄道のみ)
カセット式の場合、こちらも、実のところ外にまき散らしてしまうのですが、捨てるのは水分だけ(もちろん、消毒などは行います)で、水分を濾過した残りの汚物(の固形部分)はカセットに保存し、定期的に車両基地でカセットを取り出す方式です。燃焼式は、その名の通り、汚物を燃焼し、粉末状にして車両基地で抜き取ります。これらは、車両基地で特別な装置がいりません。伊豆急200系や、中央線の近郊列車などのごく一部で採用されています。
青い矢印:清水の流れ(黄緑がなく、既に消毒液が入っている可能性もあり) 茶色い矢印:汚物の流れ 茶色:固形汚物タンク(取出し可能なカセット) 水色:汚水タンク 黄緑:消毒液タンク
循環式
洗浄するときに、便器に青い(透明ではない)水が流れると、これに当たります。薬品の入った水を繰り返し使いますが、それを一回で捨てるのではなく、繰り返し、濾過をしながら使います。そのため、その洗浄水を使い込んでいくと、青くはない水になっていきます。トイレに近い座席だと、その薬品のにおいで不快になるときもあります。なお、この方式のトイレは、ステンレス製の便器がほとんどです(陶器の場合、青い色が付いてしまうので)。
東海道新幹線の開業間もない頃は、この循環式が開発中で、単純に汚物をタンクに集めていた時期もあったそうです。そうなると、列車が終点に到着するたびに車両基地に戻り、汚物を抜き取っていたとのことで、非常に効率が悪かったそうです。
青い矢印:濾過された水の流れ 茶色い矢印:汚物の流れ 水色:汚物タンク
真空式
飛行機、鉄道とも、最近のトイレは、ほとんどがこの方式です。最初の状態は、弁(茶色の矢印の下の、灰色の部分)で遮断しており、洗浄スイッチを押すと、勢いのついた水がボールの汚れを洗い落とし、その後、弁が開き汚物が真空状態の管に入っていき、汚物タンクの中に入っていきます。洗浄水量が少なくて済み、また、においの遮断にも最も良い方式です。よく言われるのが、便座に座っているときに洗浄スイッチを押すと、お尻が吸い込まれる感覚になる、らしいです。
青い矢印:加圧された清水の流れ 茶色い矢印:汚物の流れ 赤い矢印:真空状態の、汚物の流れ 緑:真空空気 水色:汚物タンク
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