ロンドン[LHR] ヒースローエクスプレス(Heathrow Express)

 イギリス・ロンドン・ヒースロー空港の、第5ターミナル〜第1,2,3ターミナル(ヒースローセントラル駅)〜パディントンを結ぶ列車です。第4ターミナルに向かうには、ヒースローセントラル駅から、他の列車(ヒースローコネクト)を使います。



 取材日:2014年3月中旬
 以下は、16時42分発の平日上り列車を利用したときの情報です。また、特に運賃について、頻繁に上がるようです。



列車データ

車両 クラス332
※1編成4or5両編成だが、2編成併結して運行することもある
最高速度 160km/h
座席クラス
(運賃)
 1等車:Business First(29ポンド)
2等車:Express(21ポンド)
どうやら、15年09月時点で、Business Firstは29.5£の模様
※ただし、ヒースローターミナル5〜ヒースローセントラル間は無料
  

編成図


1st:Business First  2nd:Express
※号車は便宜上付けたものです。全席自由席。

時刻表

(途中の時刻ですが、ほぼ終日この様な筋になっているようです)
上りHeathrow Terminal5
Heathrow Central

1557
1601
1612
1616
1627
1631
1642
1646
1657
1701
Heathrow Central
Paddington

1603
1619
1618
1635
1633
1649
1648
1705
1703
1719
 
下りPaddington
Heathrow Central

1525
1540
1540
1555
1555
1610
1610
1625
1625
1640
Heathrow Central
Heathrow Terminal5

1541
1546
1556
1601
1611
1616
1626
1631
1641
1646
※上り/下りは便宜上付けたものです。

運行時刻・間隔

上記時刻表のように、15分間隔で運転。
上り5:12〜23:48(ヒースローターミナル5発)
下り5:10〜23:25(パディントン発)
※日曜日の場合、異なります(始発は上り下りとも6時台からのようです)。


乗車前後について

・車内写真撮影のため、ターミナル3から、一度ターミナル5に向かい(この区間は無料)、パディントンまで向かいました。ターミナル3出発時点では、最初は分かりやすく、紫系の大きな「Heathrow Express」の表示があるスロープを下って暫く歩き、やがて券売機が見えます。その後、エスカレーターに乗って降りますが、この辺りから、ホームにたどり着く前までは一瞬迷いました。島式ホームで、片方がパディントン行き、もう片方がターミナル5行きとなります。
・改札口はありません。
・ターミナル5駅では1つのホームのみを使用(→上記時刻表の場合、16時31分に到着したら、折り返しは42分に出発する)。終日15分間隔なので、おそらくこの繰り返しではないかと思われます。
・乗降は半自動ドア。
・到着後全員下車し、扉を閉め、客室乗務員による車内点検を終えた後、乗車可能に(半自動で分かりづらいので、ターミナル5から乗る場合、周囲の人が乗り出したら乗ってください)。
・全席自由席(1等車は全区間でガラガラでした)。
・2等車はドア付近に、折り畳み式の補助椅子がありましたが、1等車にはありません。
・発車ベルはありません。また、ホームのLED表示も、何時発かの大きな表示はなく、当てにならないような気がします。
・上り列車の場合、ヒースローセントラル発車後、HeathrowExpressのロゴの服を着た客室乗務員が乗務し、検札を受けます(検札後はビジネスファーストに常駐)。
・空港では1つのホームだけ使っていたのに対して、パディントンでは、2つのホームに止まっていました。(→上記時刻表の場合、16時35分に到着したら、折り返しはおそらく55分に出発する)
・降車後、切符は回収されません(改札口そのものがないので)。
・パディントンに着いてタクシーを利用する場合、もちろん駅員の方に聞いても(英語が分からない自分相手にも分かるように)教えてもらえますが、地面に、タクシー乗り場に行く道筋が書かれています(免許センターや病院で見ることがあるような感じです)。ざっくり説明すると、少し前進し、2回左折し、エスカレーターを上がれば、タクシー乗り場になります。タクシー乗り場では、係の人から“何番に止まっているタクシーに乗ってくれ”と指示されます。

遅延について

 この日は天候も良かったので、あまり比べられませんが、何らかの理由で5分遅れて到着しました。一応、途中で、運転士による説明はあったようです(英語が分かる人なら分かったはず)。



客室内紹介(Business First・1等車)


シートマップ


 座席の色… :空港向き :ボックス席 :パディントン向き
 図内A、B、Cは、下記写真のために便宜上付けた客室の区分です。乗降扉は2枚、客室は3つに分けられています。



 区分Aの客室です。定員3名で、ちょっとした個室状態です。ただし、全客室に共通するのは、客室扉はないため、あまり大騒ぎは出来ません(元々乗車時間も長くて20分強なので、大騒ぎできる時間もありませんけれども)。また、運転席のかぶりつきは出来ません(この写真の奥側が運転席)。



 区分Bの客室です。定員10名。荷物置き場は2カ所あります。
 (区分AもCもそうですが)1-1配列で、しかも座席が片持ち式になっており、何となく不思議な、広々した客室です。荷棚はありません。



 区分Cの客室です。定員7名。この先にトイレがあります。



 全席自由席なので、座席番号はありません。
 頭の上にある謎の白いふくらみは、おそらく帽子掛けやハンガー的な役割ではないかと思います。
 肘掛けは上げられます。リクライニングや回転は出来ません。



 テーブルにはカップホルダーと読書灯スイッチと電源があります。無線インターネットも使えるようです。



 ボックス席です。ボックス席のテーブルは、1人掛け用よりも大きめで、カップホルダーは2個あります。



 荷物置き場です。客室扉はないとはいえ、客室内にあり、途中停車駅も少ないので、比較的安心して置けるのではないかと思います。
 奥にはマガジンラックがありますが、もちろん英語で書かれた冊子しかないので、詳細不明です。


洋式トイレ

 2号車にあるトイレです。手すりが、ヒースローエクスプレスの看板などで見かけるテーマカラーと同じ紫色なのが特徴的です。



乗車した感想

 金額は、20分程度の乗車で、乗車した14年3月の時点で29ポンド=約5,000円です。しかも先日値上げしたばかりのようで、確かに安くはありません。ただし、朝から夜まで1時間に4本あり、しかも1等車についてはガラガラなので、ガラガラの列車の分多めに払っていると思うしかありませんが、日本のように、1時間に1本程度(多くても30分に1本)しかなく、それなりの割高よりは、こちらの方が良心的かもしれません。ちなみに、この列車以外にもアクセス列車はあり(料金はこの列車が一番高い+早い)、ヒースロー空港〜首都圏アクセス列車全体の本数としても、それなりにあると思います。
 車内では、ドリンクサービスや自動販売機、車内販売の類はありません。空港駅のホーム周辺にもキオスクも含めてなかった覚えがあるので、飲み物が必要ならば、売っている場所が見つかり次第、購入するのがよいでしょう(確実に、あの場所にあったとは明言できませんが、税関を通った直後にならばあったような)。
 乗り心地について言えば、特に大きな揺れなどはなく、特に、ヒースローセントラルからターミナル5までの区間は大変スムーズで、日本よりも乗り心地が良かったほどです。標準軌だからこそと言うのもあるでしょう。パディントン行き上り列車の場合、空港エリアを抜けて地上に出ると、左側は平行した線路(地下鉄の車両が走っている)、右側は車両基地が時々見えます。空港に到着してすぐに、イギリスの鉄道を見ることが出来ます。
 金額が高いと言うこともあるでしょう、治安の悪い印象はありませんでした(ただし、ホームまでは無札でも通行可能なので、そこら辺は多少、意識はした方がいいでしょう・ただしイギリスは島国で、大陸から入るには入国審査があるわけで、そういう意味では、ヨーロッパの大陸と比べれば、国全体で治安は悪くないはずです)。



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