コーヒーって安いんだろうな…
掲載日 | 2015年10月11日 |
追記 | 2017年05月27日 |
※この文書は、飲食店を開いている人間としての目線や、特に私が飲食店を開こうと思って分析した訳ではないため、現実とは違う可能性もあります。
隣町にある、スムージー専門店が先日閉店した。持ち帰って自宅で飲むのはもちろん、待ち合わせなどの時間つぶしや、友人と話をするときなどによく使わせてもらった。スムージーと言っても、お洒落で堅苦しいものではなく、バナナミルクなど、気軽に頼めるメニューもあった。ソファーも大きく居心地がよく、客数もそれなりにいたと思うが、どうやら家賃の高さ(と、居心地の良さも?)が影響したようだ。一方、そのお店から3分も歩かない場所に、某シアトル系カフェがある。ここも全席禁煙で、チェーン全体として居心地のよさをアピールしている。
これらのお店の規模や地の利(人通りの多さ、駅からの距離、2階建て構造、角地にある)など、お互いに近い。また、サービスの方法もセルフサービス+火を使った調理はしないから、設備への費用や人件費も大差はないだろうし、飲み物の値段で比べても、スムージー店もシアトル系カフェの値段も、4〜600円前後。その中で、このシアトル系カフェは当分安泰ではないかと思う。閉店効果でスムージーの客がここに流れると言うのも含めて、それでも安泰なのは、売り物がコーヒーだからではないかと思うようになった。
スムージー店で出されるスムージーは、複数の野菜や果物を目の前でミキサーに掛けて提供するわけで、それなりの鮮度が重要だ。しかも、長期保存できない色々な食材を在庫しておく必要がある。一方のシアトル系カフェの売り物は、基本はコーヒー。もちろん、牛乳などの生鮮品を在庫していたり、コーヒー豆も鮮度が重要だが、メインのコーヒー豆は常温で何日でも保存できる。在庫しているコーヒー豆は1種類だけということはないはずだが、エスプレッソ系の飲み物であればカフェラテであれキャラメルマキアートであれ、深煎りした1種類でいいはず。となると、その飲み物一杯当たりの利益は、コーヒーの方が出るのではないだろうか。
逆を言えば、スムージー店の様子を見ると、雰囲気はそのシアトル系カフェに似ていたが、値段的には合わせなければならないわけで、無理していたのかもしれない。ちなみに、2014年の5月頃、そのシアトル系カフェで、バナナミルクが発売されたが、販売期間や一日の提供数も限定、マスコミの宣伝効果もあってか、お昼には売り切れていた。もしこれが通常販売だとしたら、食材の保管に苦慮するのかもしれない。だからこその限定だったのだと思う。
ホテルに行くと、無料のコーヒーサービスがあるホテルがある。ホテルのグレードが違っても、基本はコーヒーであり、紅茶やジュースはまず無料では出ない。飛行機のサービスや列車の車内販売でも、コーヒーにはこだわったという文言を目にするものの、紅茶はこだわらないどころか、そもそもないこともある。また、仕事で取引先に行くと、出されるのは紅茶やジュースではなく、コーヒーが多い(一番多いのは緑茶ですが…)。最近は(烏龍茶もメロンソーダも飲み放題の)ドリンクバーが多いが、ファミリーレストランなどでお代わり自由なのは、コーヒーだけである。
一方、私自身、例えばレストランでの食後に、コーヒーか紅茶どちらにしますか、と聞かれるとほぼ即答で紅茶と言うほど、コーヒーがそれほど好きではない。全く飲まない訳ではないが、大量に入れられたコーヒーはにおいと後味が好みでない。なので、コーヒーばかりが優先して出される世の中が、不快とは言わないまでも、気持ちよくない。世の中にはコーヒーが苦手な人がいると思うが、そういう人にとっては苦痛なんだろうなぁ。
それだけに、今回のスムージー専門店が閉店し、代替手段がコーヒー店というのが残念なのである。
何でこんなにコーヒーばかりなんだろう。よく飲まれる(*)ということもあろうが、上記の推測は素人の私の推測とはいえ、やはりコーヒーが(人件費などを含めて)安いからだとしか思えない。薄くしたコーヒーならアメリカンだと称することも出来る。紅茶専門店があまり見られないのは、気軽に立ち寄れる雰囲気ではない印象があるからでしょうかね。
*(コーヒーがよく飲まれる):本人がコーヒーが好きと言うよりも、“同業者間で集まるとしたらゴルフ”みたいに、周囲がそうだから自分も、と流されている部分はあるかもしれません。
後日談・その1(15/12/08追記)
そのスムージー専門店の跡地が、マネキンが林立している洋服屋(婦人服)になっていました。まぁ、一杯数百円の飲み物よりは、一回で売れる額は数十倍でしょうが…。
後日談・その2(17/05/27追記)
とある取引先が開いた集会に参加するとき、机の上には(空の)コーヒーカップがある場合がある。
着席後、何も言わなければコーヒーが出されるが、その際、紅茶をリクエストすると、少々お待ちください…と、紅茶が出てくる。まぁ、レモンなどはない場合が多いので、ミルクティーではないが、コーヒーフレッシュを入れることになる。これでレモンも出てくると凄い。中には、ティーポットで出てきて、お代わりも出来たホテルもあるが、いい意味で忘れられない。
ところが、17年5月のシェラトン・グランデ・ベイ・トーキョー(※舞浜にある有名テーマパーク周辺のホテル)での話。同じようにリクエストすると、紅茶はできないと言う回答だった。これはまぁ、人数が多く(700人超とのこと)細かく対応できないのか、それとも主催者がケチなのだろうか、ちゃんとした理由はわからない。貰って飲まないとしても、落としたりこぼれたりしたら面倒くさいことになるので、コーヒーカップごと撤去して貰った。何だかアレなので、その後空いた時間にロビーラウンジに行き、改めて紅茶を飲んだ。ちなみに、同じ集会は去年は都内のホテルで行われたが、こういう話はなかったような気がする。
まとめて大量に入れるコーヒーである。おいしいわけがない。会場内には酸化したコーヒー臭が漂うだけだ。コーヒーが完全にNGな人には、こういう大人数の場所はつらいだろう。
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