乗り物に乗れない、と言う愚痴

掲載日2020年04月18日
 この「特別席研究所」は、メインコンテンツ(国内線飛行機国際線飛行機JR私鉄)をご覧になると分かるように、誰もいない客室の写真を掲載しています。誰かに頼まれたわけでもなく、好き勝手にやっています。
 折り返し便が到着して乗客が降りて清掃が終わって準備が整ってから、他の乗客が来るまでのほんの一瞬の間に撮影したものが大半です。一方、自分が乗った便が到着後、自分以外の乗客が全員降り、自分だけが残って撮影するパターンもありますが、ゴミが残ったり、カーテンやリクライニングやシートベルトの状態など、使用後の状態となります(自分で清掃後に撮影となると、その後に支障が出ます)。たまに列車の場合、終点の一つ以上前の駅で(私以外の)全員が降車し、慌てて私が掃除をして撮影することもありますが、清掃の漏れもあるので極力避けたいです。
 ところで、ファイル名(corona.html)は「コロナ」なのに、何故いきなり大前提の話を書いたのかというと、旅客機・旅客列車とは、乗客が乗って初めて役に立つものですから、基本的には利用客がいて当然です。ところが、昨今の新型コロナウィルスが蔓延する中、多くの飛行機や列車が、欠航・運休していると報道されています。乗客が少ないからに他なりません。
 確かに、インターネットの予約画面を見ると、満席を示す「×」や空席僅かの「△」のマークをほとんど見かけなくなりました。私としてみれば、空いているこの時期が一番撮影のチャンス…です。

 一方、交通機関側としてみれば、誰も乗っていなくても維持にも運行にももちろんコストがかかります。普段以上に1円でも収入が欲しいに決まっています。日銭がないと、これじゃあ潰れてしまう…。少しでも交通機関や宿泊施設にお金を落とし、自分も誰もいない客室の撮影がしたいと、とある週末に行ってきました。「正しく恐れる」ように、事前に免疫力を高めるように留意し、感染リスクを高める“三つの密”を避けるために道中は空いている手段を選んでの旅程です(元々好きではありませんが、いわゆる“夜の繁華街”にも向かいません)。
 そもそも、飛行機(列車)が空いていると言うことは、空港行きのバスや、ターミナルビル(駅)も空いていました。これじゃあ地元のスーパーマーケットの方が混んでますよ(そりゃあ、外食をせず、自宅にいるばかりの人が多ければ、食材はすぐに減るんだろうけど)。県庁所在地にある駅前のホテルで聞いてみたところ、週末にも拘わらず、3割しか埋まっていないとのことでした。夕食のためにホテルを出て歩きましたが、普段の週末のその街の様子は分かりませんが、人が少なかったのは確かです。


 緊急事態宣言発令前の土曜日14時台の東京駅

 毎週とまでは言いませんが、今後も何回かこういう旅行(撮影)をしようと思った矢先、20年4月7日に、7都府県に緊急事態宣言が発令されました(都民ですので該当します)。新型コロナウィルスの感染を予防するため、飼い犬が飼い主から「ハウス!」「待て!」とでも言われているかのように、早く家に戻れ、家から出るな、外出を自粛しろ、というのが流れになっています。家を出たら処罰されるなどの法的根拠はないものの、新型コロナウィルスに感染しても症状は出ないまま周囲に移す可能性があるとのこと。「不要不急」かどうかでいえば、私としては必だし、こんな撮影に適した時期はなくいでいきたいところですが…、ホテルも休館したり朝食の様式が普段とは違ったり、繋がらない電話をひたすら掛けたり、病院には行きたくはないので、おとなしくしています。ただ、今回は、目に見えないウィルスという理由があるものの、旅行することが「悪」というような、9年前(2011年)の3月11日以降みたいな流れになっている気がしてなりません(ちなみに、世間が自粛の最中、その時は茨城の方に行きました)。宣言中でも新規感染者数が上手く減ってくれれば、状況によっては、実行するかもしれませんけれども、ただそれ以上に飛行機や特急の本数を減らしている現実もあります。

 何時になるのか分かりませんが、旅行は、緊急事態宣言が解除=新型コロナウィルスが収束してからということになるのでしょう。地震や台風の後のように、物理的に破壊することはないので、収束したら早いとは思います(もちろん、お金があればですが)。収束後は、消費喚起キャンペーンを実施する計画で、自粛した分、出掛けたがる人が多いでしょうから、誰もいない客室は撮影しづらい可能性が高く、客室撮影が目的で乗ることは当分ないでしょう。もっともその時にはすでに、倒産・営業終了している交通機関や宿泊施設があるかもしれず、倒産はしていなくても人や機材が従前の状態に戻せず、まともに旅行が出来るか分かりませんが…当サイトでは扱いませんが、特に貸切バスはその可能性が大きいでしょう。私自身だってどうなるか分かりません。

 このWebサイトは、実際に乗る前に、どういう座席か、どんなサービスがあるのかを把握してもらいたいという目的が開設のきっかけですので、乗るなと言われた以上、掲載の存在意義はありません。といって、わざわざ休止するつもりはありませんが、新規座席の掲載は見送っています(そうでなくても元々更新は遅いですけれども)。

 一日でも早い、宣言の解除、つまり、新型コロナウィルスの影響が落ち着くことを願っています。




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