人身事故の影響に遭いました
掲載日
2007年09月21日
まずは概要
フラッシュ風
2007年7月8日夜、JR東海道新幹線・小田原駅を通過中ののぞみ155号が男性をはね、2時間以上の遅れが発生。
JR東海の社員による飛び込みで自殺したということが判明した。
詳細な内容
2007年7月8日20時47分ごろ、東海道新幹線の東京発新大阪行き「のぞみ155号」がJR小田原駅を通過中、男性をはね、男性は死亡した。復旧作業のため、東海道新幹線は東京−新大阪間の上下線で一時運転を見合わせたが、23時39分に運転を再開した。この事故で、のぞみ155号は三島−新大阪間を運休。上下計42本が最大約3時間遅れ、約3万人に影響が出た。
同社は乗り継ぎに間に合わず、帰宅できなくなった乗客に仮眠をとってもらうため、東京、名古屋、新大阪の各駅に列車を止め、「列車ホテル」として提供した(東京では4編成)。JR東京駅では、日付が変わった0時以降、事故の影響で止まっていた列車が相次いで到着。最大で3時間程度、車内で閉じこめられており、乗客は一様に疲れた様子だった。
その後、自殺した男性はJR東海の社員と言うことが判明した。
(事故から数日が経過したため、色々なニュースサイトや、私の記憶を織り交ぜたものにしております)
一方で被害状況
一方で、被害者としての我々の行動である。被害に遭っていない方(大半ですが)への説明と思っていただきたい。
この日は、N700系がデビューしてからちょうど一週間となる。このサイト向けも含めた取材と言うことで、日曜日の日帰り旅行を実行することになった。飛行機で熊本に向かい、特急で博多に到着し、知人と合流し、最終のぞみ52号に乗車する。
事故が発生していない頃は、いつもと変わらない乗車取材をしていた。日曜日とあって、ビジネス客は少なかった。
そのうち…車内放送で「小田原駅で人身事故が発生しました」という放送が流れた。ただ、そのときは、多少は遅れるにしても、この先進んでいけば、復旧するでしょう…と、高をくくっていた…。
やがて、名古屋に近づこうとしていた頃、というよりも、名古屋に到着するまだ少し前なのにもかかわらず大きく減速し、普段の新幹線では起こり得ない大きな横揺れのポイント通過が発生、停車した。名古屋の一つ前の岐阜羽島駅で、しかも、下りホームに停車したのであった。名古屋に到着する定刻10分くらい前、22時丁度ぐらいだった。
とうとう来てしまった…と言うのが最初の印象である。
その後の情報によると、21時43分に警察が来て現場検証を行っているという。結果、22時13分から現場検証が始まったとのこと。整合性が取れないようですが、実際に文字などで流れた内容です。
最初の内は車内販売も普通に通っていく。しかし、時間が経つにつれて、車内販売や自動販売機の飲み物はなくなっていく。飲み物がなくなるとアイスクリームなどに手を伸ばしていくようだ。
一方、N700系のグリーン車は2階建てではない。そのため、多くの人が通り過ぎるため、騒々しかったのは言うまでもない。しかも、外を見ると、先に到着した我々(
N700系
の
のぞみ
52号)を差し置いて、他の列車が駅に到着しては、先にどんどん進んでいく。しかも、新大阪発のこだま号までもが先に行ってしまった。のぞみを追い抜くこだま号というのは、新幹線史上、初めてではないだろうか。しかも、N700系という“最新型新幹線”を、300系がである。というのもこれらはおそらく、上りの場合は、こののぞみ52号以外は名古屋終着の列車で(追い抜いたこだま号ももちろん)、小田原を絡まない列車だけは遅らせないようにと言うことだろうか。しかし、このN700系も、名古屋で止めてくれれば、ドアは開くだろうし、その先の乗り継ぎもまだ大丈夫だったろうに。
やがて、一人の乗客が、車掌に「扉を開けてくれませんか?」と依頼(私自身も車内を歩いていて、車掌室をたまたま通りがかろうとしたときに、そのようなやりとりがあった)。私も飲み物を買いたかった状態だ。また、その一方で、車掌に、まだ運転を終えていない今のうちに、山手線の連絡やタクシーの手配などを要求しておく。ダメモトだが、言わないより言った方がよい。
指令に相談して数分間、止まってから1時間以上経って、ドアがようやく開いた(23時30分頃)。岐阜羽島でドアを開けるのぞみ号というのも珍しいのではないだろうか。これで、飲み物を買うという以外に、仕方なくだが岐阜羽島からタクシーで帰るなどの手段も執れる。
…と開いた矢先、復旧したとの連絡がくる。ドアが開いてそんなに経っていない。
23時45分、とりあえず、名古屋に向け出発した。
そのあとは順調かというとそうでもなく、速度を落としながら走行。そのため、N700系でおなじみという高い加速度も、さほど体感できなかった。
名古屋に23時52分頃に到着。そして比較的すぐに発車。その後の車内のLEDでは、最大180分の遅れがあった旨の表示があった。
0時25分頃。東京、品川、新横浜駅で接続する列車は総て終了。新横浜、品川で降りる予定の客も含めて、東京駅で用意している休憩列車3本を使え旨の放送のみあった。
ここで出てくるのが、先程の、ダメモトの要求だ。普通の交通機関の乗務員であれば、お詫びというほど深々としたものではないにしても、報告しに来るのが筋だ。しかし、来るどころか、その車掌が通りがかったときに、自分を見ないように通過して、客室を出てしまった。いわゆる、シカトである。
終点に到着(ここからが本当の、被害の始まり)
結果、東京駅には、2時頃に到着した。定時が23時45分なので、2時間以上の遅れである。山手線が走っているはずもない。
元々52号が東京に着く時間帯は、その後の山手線など終電に近い時間だ。ちなみに、東北新幹線なども、同じくらいの時間に東京駅に到着し、私鉄などの終電は、新幹線の終電にあわせているようだ。2時間も経てば、乗れないに違いない。
そんな中、先程のシカトした車掌である。下の写真が、その車掌である。しかも、ホームの中央で、安堵の顔を車販係?の女性に見せている。理由は何にせよ、その車掌が勤めている東海道新幹線が遅れて、家に帰れない人もいる。その割に笑顔を見せているという神経が、更に許せない。
こんな車掌が例え、放送で申し訳ありませんと言っても、上辺だけの挨拶にしか聞こえないだろう。
東京駅に到着後、安堵の顔をクルーに見せているJR東海の車掌。
(2007年7月8日・のぞみ52号・新大阪→東京間を乗務)
客の前での笑顔という事自体、無神経極まりないため、当サイトにて掲載させていただきます。
2時間以上遅れたため、払い戻しは可能で、ちなみにクレジット決算の人は、この日に現金で払い戻しと言う扱いだった(もちろん、然るべき日に引き落としがある)。
一方で、上にも書いてあるが、列車ホテルが用意されていた。しかし、のぞみ52号は最終列車である。となると、列車ホテルには既に、前の列車の人間が占領していて、のぞみ52号利用者のどれだけの人が、列車ホテルが使えたのだろうか。前の列車の自由席利用者が、列車ホテルのグリーン車を使うことも可能である。
自分の場合、タクシーで帰れない距離ではないので、タクシーで帰宅したが、連れの知人は遠路のため、東京駅で過ごさざるを得なかった。どうやら、300系の普通席だが、席は確保できたようだが、さっきまで座っていたN700系のグリーン車と比べざるを得ず、その格差はかなりきつかったとのことだ。
そして2〜3日してから、その、列車に飛び込んだ男性は、JR東海の社員と言うことが分かった。自作自演のようなものだ(自殺自演である)。
そこで、提案したいこと
JR東海にとっては、東海道新幹線は、何もしなくても客が入るため、殿様商売として有名である。当然ながら、日本を代表する交通機関を豪語しているに違いない。お殿様だからこそ、代表するからこそ、整備してもらいたい内容がある。
・列車ホテルグリーン車の利用者は、(動く列車の)グリーン車利用者のみに限定。特急券を払い戻し際の証明方法は、整理券を配れば問題ない。
・山手線を走らせる(主に、トイレ無し4ドア車の、京浜東北線・総武緩行中央線・常磐線程度も)。そこからのタクシーで金銭の負担も違う。東京駅でのタクシーの混雑も軽減する。
→列車がだめならバス。首都圏の交通機関を運行する立場として、「遅れました。列車は走っておりません、仮眠用の列車で待っててください。」では無責任だ。
→猪瀬東京都副知事が公共交通機関の24時間運行を…という話を聞いたとき、非常に支持したいと思った。もちろん、この話はアクシデントに限らず24時間運行という話だが。
お殿様でなければ、上記の笑顔車掌の教育や、JR東海社員の自殺防止、人身事故の処理時間等々、言いたいことはいくらでもありますが…お殿様向けへの、柔らかめにした提案です。
2009/04/18追記 そんなJR東海ですが、就職したい企業ナンバー1だそうです。自殺者を出す2007年当時の会社の空気が、そんな急激によくなるとは思えません。きっと離職者が多いであろうJR東海は、新卒者だましが上手いのでしょうか。それとも、そんなに、新幹線で自殺したい人が多いんですかね?
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