何故鉄道関係の人は...
飛行機の国内線には、様々な航空会社が、様々な割引制度を用意している。また、そういう制度は、各会社間で重複することがある。
そういう重複する運賃の一つに、搭乗日の何日か前(発売日から、だいたい3週間くらい前まで)に買うと運賃が安くなる、と言う割引制度がある。それを、複数の航空会社が用意している。正式名称は、「事前購入割引」や、「早期購入割引」と言うが、これでは堅苦しいので、日本航空では「前売り」、日本エアシステムでは「売り出し5日間割引」や「2週割引」、全日空では「早割」という愛称で販売している。これらの愛称は、「ウォークマン」のような登録商標ではないが、商品名を特定している。
こういう運賃制度に対して、鉄道会社も対抗せざるを得ず、また鉄道に関する職業(出版社なども)の人も使わざるを得ない時もあろう。飛行機に対抗した運賃を作ったり、使う分には構わないが、問題は、利用客や書籍を見る人に対して使うことである。
彼らがこういう事前購入割引切符を、「早割」と呼称しているのである。もちろん、それは個人的な発表ではあるが。以前、某鉄道会社の、意見などを承るカウンターへ行ったときも、「早割などがありますからねぇ」というような発言を耳にした。また、某鉄道系雑誌には「利用交通機関は早割か高速バスになる」と、その冊子の編集後記に書いてあった。
確かに、こういう間違いを指摘すると、揚げ足を取るような感じにもなる。また、ヘッドホンステレオのことを「ウォークマン」、洗浄機能付き便座のことを「ウォシュレット」と“ついつい”言ってしまう。これらは、確か登録商標であるが、それはそれは言いやすい名称でもある。Panasonicの携帯できるCDプレーヤーはウォークマンではなく、INAXのお尻が洗える便座はウォシュレットではない(INAXの洗浄便座は“シャワートイレ”)。「早割」などは登録商標ではないはずだが、これは、全日空だけが使える運賃割引制度である。
それを、利用客と直接対話が出来るカウンターで呼称したり、雑誌の記事に記載してあったのである。同じ交通機関の割には、少しいい加減ではないかと思うのである。しかし、本当に一社の割引を特定しているのならば、こちらとしては何も言えないのだが。
鉄道以外の交通機関の関係者(飛行機やバスなど)が、「大阪の“パスネット”は使える会社が多くて使いやすいね」と言ったりすると(本当は、総称は“スルッとKANSAI”)、「早割」と発表した鉄道関係の人はそれをどう思うのでしょうか?
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