JR東日本・電話に出んわ

掲載日2019年11月10日

発端

 ここ最近、鉄道旅行を全くしていないわけではないが、単純に特急列車に乗って目的地に向かうとかその程度だったが、先日、じっくり乗り回す旅行に行った。区間はJR東日本の区間である。
 その中で、時刻表などに載っていない情報を知りたかったので、時刻表に記載してある、JR東日本の「お問い合わせセンター」に電話を掛けることにした。
 ところが、全く出ない。交通機関に限らず、こういうセンターに掛けると、掛かるけれども、「ただいま電話が大変込み合っております。順番におつなぎしますのでそのままお待ちください。」というアナウンスから始まり、そのまま待たせるか、「暫く経ってからお掛け直しください」と切られるかというパターンがあるが、それにすらなく、本当の話し中(プープー音)が続くのみ。午前中から深夜まで掛けたが、ずっと話し中だった。もしかして携帯電話だからダメなのか…?と思い、一般回線から掛けても勿論ダメ、このセンターは24時までだが、24時を過ぎてから携帯電話で掛けてみたが、「本日の受付は終了しました」と流れたので、一応、携帯電話からはNGということはないらしい。
 ちなみに、現地の観光協会や、宿泊先、同業者である私鉄、JR東日本の都内の駅の順で、時刻表記載の番号以外を知らないかを聞いてみたが、一様に、そのセンターの番号しか知らないとのことだった(観光協会だけは食い気味で『知りません』と言われたが)。私鉄の方の「申し訳ありません」という応対は、こちらも申し訳ないと思うほど低姿勢だったが、あくまで悪いのはJR東日本だ。

 応対するのはおじさん一人だけだから出ないんだろうなと思いながら翌日も掛けたら、2〜3回で繋がり、電話に出たのは女性だったのは少々拍子抜けだった。“どーせ聞いてもたらい回しされたり分かりませんとか言われるのがオチだろう”と思っていたが、30秒くらい保留してから自分の希望通りの回答を得られたのはよかった。


問い合わせセンターの歴史

 ここで、JR東日本の、問い合わせ窓口の流れを、プレスリリースと自分の記憶を元にたどっていく。
 1987年に民営化してから、サービスをよくしようという大義名分の元に、こういうセンター(JR東日本テレフォンセンター)を設立したものと思われる。今ではインターネットで調べられることも多いが、(私が鉄道によく乗った)90年代後半は、電話しか手段がなかった。中央的な窓口の他、山手線の駅の番号も時刻表に掲載されており、例えば渋谷が繋がらなかったら新宿などに掛ければ繋がることはよくあった。電話は100%男性で、ほとんどがおじさんだった記憶がある。
 その後、44箇所あった電話番号を統一し、IP電話を使うために、2005年4月1日から集約。市外局番がIP電話の「050」から始まる番号に統一された(IP電話にした辺りで、携帯電話NGかと思った)。一応、05年3月14日付のプレスリリースには、「つながりやすくなります」と書いてあるが、JR東日本のことなので、多分一年位してから回線を削減したとしてもおかしくない。
 大きな変化は上記の集約だが、「JR東日本テレフォンセンター」という名称がその後、2010年6月1日より「JR東日本お問い合わせセンター」と変わり、問い合わせセンターにAIを使うなど(2017年4月25日付のプレスリリースより)、細かく変わってはいる。
 上記、「希望通りの回答」は、確かにいい意味で変わったと思う。駅ごとに聞いてみたら、「分からない」と言われるのがオチだと思う(で、乗る列車の発駅の電話番号を聞いて、改めて聞き直すという流れにしたと思う)。


現況として

 JR東日本のWebサイトによると、“「呼び出し」などで直接駅とお話しをしなければならないような場合は、駅へ転送”とのことで、こういう場合でもこの番号に掛けなければならない。しかし、今は携帯電話を持っている人が多いだろうから呼び出しする機会は少なく表沙汰にはならないとしても、これだけ繋がらなければ、役に立つことはあるのだろうか。
 上記のJRの駅員によると、今は駅にはNTTの外線はないらしい。もちろん、転送すると言うことは、内線的な回線はあるだろうが、問い合わせ要員の人を減らし、外線電話をなくせば、かなりのコストダウンになるだろう。
 決して、今までのおじさんを悪く言うつもりはないが、統一した理由は上記の他、うっかりした回答を言わせないように統制したいとか、その辺りもあるかもしれない。


仕方ない日だった?

 ちなみに、掛けた日はどんな日だったかというと、台風19号の影響で一部区間が運休していた北陸新幹線が、復旧して臨時ダイヤで運行するダイヤの発表があった日だった。おそらく、そういう発表の問い合わせが殺到したから一日中掛からなかったものだと思われるが、発表して混むのが分かれば、普通なら人増やすよなぁ。一日中繋がらないのは尋常でない。
 また、例えば航空会社だったら、東京から掛けても、東京のセンターに繋がることがあれば沖縄に繋がることもあったりと、色々なセンターがあるようだが(でも、電話番号は統一)、JR東日本のセンターは複数あるのだろうか。これで、そのセンターの一箇所がそれこそ台風や地震などの災害で使用できない状態になったときに代替手段はあるのかも気になる。よく、コスト削減で海外に繋がる会社もあるらしいが、といってJR東日本のセンターが、青森〜長野・新潟間のどこかになければドン引きだけど…。




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