ロングフライト血栓症、大丈夫?
ここ最近、ロングフライト血栓症(旧・エコノミークラス症候群)という現象が問題になっている。ロングフライト血栓症とは、主に飛行機内で、座席に長い間座っていることで血行が悪くなり、最悪の場合は死亡にまで至ってしまう症状である(詳しくは、他のサイトなどを参照なさると、おそらく分かると思います)。これを予防する手段として、水分をこまめに摂ることや、座席を時たま離れ、歩き回ることである。しかし歩き回るとしても、狭い機内、なかなか歩き回れないだろう。一方で航空会社側は予防策として、ミネラルウォーターのペットボトルを一人一人に配っているようである。まぁ、そうでなくても元々飲み物はいくらでももらえるが、こまめに摂るのは難しい(いちいち乗務員を呼ぶ必要があるので・しかもエコノミークラスの場合は、乗客数に対する乗務員数が、他クラスより少ないため)。
この話は飛行機の場合である。さて、鉄道の場合はどうだろうか?例えば、東京から東海道新幹線で博多まで行くとすると、5時間程度所要する(このくらいの距離なら、飛行機を使う人の方が多いはずだが)。昔ならばもっと時間が掛かったが、最新技術のお陰で、短縮化されつつある。
しかし、その、時間短縮の技術のお陰や企業方針で、ロングフライト血栓症を誘発する要因を作ってしまった。まずは、飲料水である。新幹線に乗る人は、何もお金に余裕がある人だけとは限らない。ギリギリのお金しか持っていない人も乗るはずである。すると、飲み物などを買わずに、到着まで我慢する人もいるはずである。以前ならば、洗面台の横などに飲料水のサーバーが置いてあった。しかし2000年になり、その飲料水が撤去されることになった。ということは、飲み水を得ることが出来ない。しかも飛行機と違い、飲み物は全て有料であり、お金がないと飲み物を手に入れることが出来ない。それでは、歩き回るのはどうだろうか?今までは、ビュフェや食堂車があり、覗くだけでも出来た。しかし、最新型700系の場合は、トイレかデッキしかなく、歩く目的がない。ビュフェなどをなくした理由は、時間短縮で利用者がいなくなった......と言う説明らしい(最もらしい理由だが、食堂に関しては関係ない気がする)。
飲み物はお金を出さないと手に入れられない、歩くにも飛行機と同じトイレしかないという、ロングフライト血栓症を引き起こすのに好条件の新幹線が、この世では走っているのである。東京から博多までを通しで乗る人には、ミネラルウォーターの一本くらいは、サービスしても良いと思うが(どうせ通しで乗る人は少ないだろうし)。
2002年7月上旬に、“「エコノミークラス症候群」は、エコノミークラスにだけ発症するとは限らないため、「エコノミークラス症候群」から「ロングフライト血栓症」と言う名称に変えて欲しい”、と言う報道があったため、このページでも対応しました。確かに、新幹線でも起こりうるわけで、「ロングフライト血栓症」と言う名称は、ふさわしいと思います。
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