モバイルバッテリー

掲載日2025年07月16日
 25年7月8日より、モバイルバッテリーを飛行機内に持ち込む際は、収納棚に入れずに常に確認できるように置くように、と言うお達しが出た。

 私としては、このモバイルバッテリーの管理をちゃんとすることに対しては賛成である。確かにここ最近、モバイルバッテリーを起因とした機内火災が多い。また、ナショナルジオグラフィックで放送しているドキュメント番組「メーデー!航空機事故の真実と真相」でも、モバイルバッテリー(リチウムイオン電池含む)が原因で火災が生じて墜落したというエピソードも多く、再現ビデオを観ていると恐ろしく感じる。
 このモバイルバッテリーだが、リチウムイオンという素材が使われていているが、衝撃や熱で爆発してしまうと言うほど不安定とのことだ。

 モバイルバッテリーというと、スマートフォンの充電に使われるパターンが多いが、スマートフォンを持っていない(持つつもりのない)私も、実は持っている。このパソコン(GPD Pocket2)の充電がUSBのCタイプで、モバイルバッテリーに繋げば、パソコン本体に充電することも出来る。数年間使っているうちに本体の電池が持たなくなって、出先はモバイルバッテリーにつなぎながら操作したこともあった(その後、修理で電池交換して、25年現在は普通に使えています)。


で、どうすりゃいいの、と言う話し

 モバイルバッテリーは25年7月の前から、預け荷物に入れてはいけないことになっている。なので、カバンなどに入れて、天井の荷棚に入れる人も多かったと思う。それができなくなったのだ。ちなみに、容量の大きいリチウムイオンは預けることも持ち込むことも出来ない。
 となると、具体的に何処に持っていればいいのかという問題になる。カバンに入れて前の席の下に置くか、背面ポケットに入れるのが無難だろうが…それが出来ない座席も、そこそこある。一番前の列や、このような座席のパターンだ。


JAL A350-900のファーストクラス
 この座席は、リクライニングを電動化した都合で、座席の下に荷物を置くことが出来なくなった。なので、どんな手荷物でも棚に入れないといけなくなった…モバイルバッテリーを除いて。

 写真が暗く見づらくて申し訳ありませんが、この座席に関して言えば、背面ポケット(座席中央の雑誌やスリッパを入れるスペース)に入れることも難しそう。また、背面ポケットに入れたとしても、サイズ的に降機時に持って帰ることを忘れてしまいそうな気がする。となると……手持ち!?
 離陸してベルトサインが消え、着陸態勢に入るまでの間は、テーブルに置くことが出来るだろうが、それ以外は手で持ってろという話になるかもしれない。
 となると、また別の問題が出てくる。寝ていると、手に持っているものを放して=落ちてしまうことが多々ある。先程も書いたが、リチウムイオンの入ったモバイルバッテリーは衝撃に弱い。無重力空間でない限り、寝落ちして手持ちのモバイルバッテリーが落ちる危険性がある。といって、まぁ、落ちた先は絨毯で、高さと言っても数十cm程度だから、それほど危険ではないかもしれない。ただ、何度も落とせばその分影響は出てくるだろうし、避けた方がいいに越したことはない…。


モバイルバッテリーを持たなくて済むように

 何処でも充電できるように、それこそ通勤電車の車内などにも、電源を増やして欲しいということが、一番大きな話かもしれない。と言っても、歩きながらでも充電できるのがモバイルバッテリーのメリットで、歩きながら電源を確保することはなかなか出来ない(ワイヤレス充電云々あっても、歩きながら出来るんですかね...?)。
 また、飛行機内に持って行かざるを得ない場合は、小さな袋に入れて、前の席の上着掛けのフックに掛けておくのもいいかもしれない。上の写真の場合、ディスプレイの横に丸いものが見えるが、それがフックであるが…これも、最前列の席を筆頭に、ない座席がそこそこある。
 上級クラス限定にはなるだろうが、客室乗務員が離陸前に、上着のように預かって、耐衝撃・耐熱の容器に収納して、着陸前後に返して貰えるようなサービスをして貰えるといいんですけどね。




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