私は、東京オリンピックの招致・開催に反対です

掲載日2013年01月13日
追記2016年08月08日
 ここ最近(2013年1月)になり、妙にオリンピックの東京招致活動が盛んになりました。どの国で開くか決定する基準に、国民の同意も大きいようです。そのため、招致委員会(以下、やりたい側)は、色々と理由づけ、国民の感情を煽って同意を増やそうとしています。ところが、その理由が、「夢」という言葉でくくられ、どうも絵空事のような気がしてなりませんが…。ここでは、現実的な反対理由を記します。
 遠くでやっているテレビ・ニュースだけのことであれば問題はありませんが、東京オリンピックというと当然、首都圏で大会が行われ、首都圏在住者の「普段」を乱します。
 2013年9月8日追記・残念ながら、東京招致が決定してしまいました。「東京オリンピックの被害予想
 2016年8月8日追記・開催する前から既に起きている被害内容をご紹介します。「16年08月現在の被害状況


 本来なら、「東京 2020 オリンピック・パラリンピック」とでも書いた方が良さそうですが、どうせ20年がダメになると24年の招致に向けるだろうから、年は省くことにしました。
※以下、オリンピックなどと記載していますが、パラリンピックも含みます。


景気が良くなるんですか?(夢だけで飯食っていけるんですか?)

 日本が直近で開いた全世界的なスポーツ大会と言えば、2002年に開催されたワールドカップがあります。本来は日本だけで開催するつもりだったはずが、どこかによる横やりのお陰で、どこかの国との共催という変な形にはなってしまいましたが。そこから10年以上経ちましたが…どうでしょう、日本の景気は良くなりましたか?当時は儲かったであろうテレビを作るメーカー(パナソニックやシャープ)、今はどうですか?本社のビルや工場を売却していませんか?
 それでは一方で、余所の国でオリンピックを開催すると、その国の景気は良くなっていますか?2012年にはロンドン、2004年にはアテネと、ヨーロッパで開催されました。現在ヨーロッパでは金融危機云々報道されていますが、イギリスやギリシャだけは順風満帆ですか?2008年は北京で行われましたが、(万博も五輪も落ち着いた)現在の中国は落ち目と言われていますがいかがですか?
 却って悪くなるような気がしてなりません。


羽田/成田空港発着便を倍にでもなさるおつもりですか?

 このサイト的には一番の反対理由です。上記のワールドカップの際も、民度が低いのか、使い方が分からないのか、不快な車内の特急に乗車した事を書きました。それとはまた別に、私の被害例を書きます。ここでの項目は、オリンピックに限らず、スポーツ大会全体にあり得る話です。
 2011年の秋頃に、(私は関東在住ですが)関西在住の知人から、半年以上ぶりに会えないかと言う連絡が来ました。その会おうとした日は、連絡のあった一週間後。その友人の普段の休みが平日の一方、土日祝日が休日の私とは、なかなか会う機会がないのですが、珍しく土日に休みが取れたとのこと。そこで早速羽田〜伊丹線の空席を見てみると、金曜日の夕方以降の便は、全便全席満席でした。普段であれば、普通運賃であればまだ席が残っている可能性は高いのですが。
 どうしたのかと調べてみると…日曜日に、大阪で市民マラソン大会があるのです。結局大阪へは行けず、それ以来、生活パターンの違うその知人とは会うこともなく、現在は音信不通です。大袈裟に書けば、こういうスポーツ大会は、そういう知人とのコミュニケーションを破壊させるツールであるわけです。
 協賛企業に、航空会社大手2社の名前が連なっていますが、では、現在、1時間に1本の羽田〜大阪線を、スポーツ大会の際は2本に増やせるんですか?また、通常でも羽田発着は遅れがちな現在、もし増やせたとしても、定時発着できますか?一方で、多少の増便はあり得ますが、そのためには、利用者の少ないものの生活には必要な路線の減便などは行いませんか?

 そして問題点は、旅行の際にはまた必要な宿泊施設です。首都圏のホテルの宿泊料金が急騰したり、オリンピック以外の用事で使いたい人が泊まれない可能性も出てくるでしょう。上記の大阪マラソンの際も、飛行機の段取りと同時進行で、宿も探していましたが、適当な宿はなかなか見つかりませんでした。

 ちなみに、大阪マラソンそのものは一日間だけですが、オリンピックとなれば数日間続きます。前々から計画しているオリンピック見学者と違い、急に出張などで旅行しなければならない人の中には、移動難民や宿泊難民が出てきてもおかしくはありません。オリンピックの時くらい、出張しないで応援してろとでも?それで給料が出れば応援しますが。


山手線を1分ヘッドにでもなさるおつもりですか?

 主に旅行向けの飛行機/ホテルに続いて、日常利用としてのこの見出しです。(飛行機以上に)普段でさえ混雑している首都圏の鉄道や道路。この状態にオリンピックという行事が重なるわけです。実際、この先の東京は過密化すると、やりたい側の公式サイトでは認めています。
 東京マラソンのように、道路を封鎖することも考えられるでしょう、しかも平日に。地震などの非常時でもないのに、たかだかスポーツ大会のためだけに、道路が使えないのは困ります。今の時点で混雑しているものを、迂回させることになり、更に混雑させようと企んでいるわけです。一方で首都圏の通勤電車について言えば、現在、JR山手線では、通勤ラッシュ時に2分30秒に1本を走らせているようです。これを1分間隔ででも走らせるのなら、混雑も抑えられるのでしょうが、まぁJRは、新幹線を数本程度の増便しかやらないでしょう。
 その一方で、やりたい側は、交通機関については、バリアフリーをメインにするようで、混雑緩和までは考えていないようです。頭が体育会系で、気を遣わないから?(体育会系の中高生の通学シーンを見ると、そう思えます→それがそのまま大人になればねぇ...)とりあえず、スポーツ大会の場所だけ確保できれば、後はどうなったっていい、というようです。また、バリアフリーと言っても、お金を使って改修工事したいだけでしょ?


単にお金を使いたいだけではないですか?

 やりたい側のWebサイトを見てみました。
 基本的に、賛成している意見は、大半が元オリンピック選手による意見です。頼みやすいし、一方頼まれた側も、自分達に日の目が当たるからと言う下心もあるでしょう。
 さぁ、このサイトを作るのにいくら掛けているのでしょう。既成事実を作ってお金を使いたい感が見えてしまいます。

 東日本大震災の復興云々という記載もありましたが、東京への資金集中が、福島などの被災地域にどれだけ日の目が当たるのでしょう。海外からのお金を期待しているのですか?また、電力会社や政府が筆頭になって福島原発のことを有耶無耶にしようとしている中、オリンピックを開催する際、電力が足りなさそうだから原発再稼働とか、平気でやりそうな気がします。


 その他こういうスポーツ大会は、ワールドカップの時にも書きましたが、テレビやラジオの普段の番組を中止するなど、細かいところでも日常生活を奪います。百害あって一理なしとまでは言いませんが、東京でオリンピックを開催することによる日本中の国民へのメリットは、非常に限定的ではないかと思います。
 東京開催にメリットがあるとすれば、オリンピック中継を見たい人が、時差の都合で深夜に見ることはないため、寝不足による仕事のミスロスがなくなり、経済損失が抑えられることくらいでしょうか(その代わり、就業時間中に見るという副作用はありましょうけど)。


東京オリンピックの被害予想

 日本時間2013年9月8日に、2020年のオリンピックが、東京で開催されることが決定してしまいました。ここでは、開催の矛盾点や、上記で書いた内容以外で、ふだんの生活に影響を及ぼしそうな内容などを追記していきます。
 決定した時点で中止になることはないでしょうから、いくら書いても負け惜しみ、このページの存在価値はなくなったも同然ですが、2020年前後の不便を今から覚悟しておいた方がいいでしょう。「備えあれば憂いなし」です。

震災復興が後回し

 東京が(2度目の)オリンピック開催に声を上げたのは2016年開催(する会議の)時。この頃(2009年)は東日本大震災の発生前でした。そして2011年に震災が発生し、今回のオリンピック招致の際は、皇族も巻き添えにした上で、震災後の日本の復興・再生などとアピールしたようです。4年前には使えなかった材料で、招致へのアピール・ロビー活動で悲劇のヒーローを演じるためのアイテムとして使うことに成功しました。こういうのはお役人のお家芸ですよね。要は後付けであり、震災の復興には特に気にしていないように感じます。オリンピック関連の予算を優先し、東北の復興への予算をちゃんと確保できるのでしょうか。復興をだしにして、復興を後回しにしそうな気がします。
 また、福島原発についても胡散臭いです。2011年3月にまずはレベル7の事故が発生し、その2年半後の2013年8月に、レベル3の汚染水漏れがバレてしまいました。1つの原発で2つのレベルを頂戴したというこんな調子ですから、今から、オリンピックが開催される7年後の間に、どんなトラブルが待ちかまえているのでしょうか。政府が470億円を掛けて対処すると言いますが、オリンピックそのものにも予算を掛けないといけなくなった今後、そんなにお金が余っているのでしょうか。
 首都圏では、鉄道の人身事故が数年前よりも増えた気がする今日この頃ですが、(大多数の声は『デモだ』と切り捨て)ごくごく一部の
大企業の言葉だけを聞いて、「アベノミクスで景気ががよくなった〜♪」と勘違いして大喜びの今の政権のことですから、国民行事という理由付けで、消費増税だけではなく、オリンピック増税を平気で行いそうな気がします。ですので、今後一層の節約が必要になるかもしれません。
 まさか、震災復興のために増税して得たお金までも、オリンピックに回すという愚行はしないと信じたいですが…。上記の通り、新しい原発が造られる/再稼働させるいい口実にもなりますし、東北地方が不憫です。
 結局、国には頼れないということです。

死にませんか?(企業が)

 この招致発表直前、(私自身は見ていませんが)周辺で、「オリンピック絡みで株価が上昇する企業」みたいなメモが回りました。大手の交通機関や建設会社、マスコミ等の企業が入っているのではないかと推測されます。このメモが回った時点で今更株を買っても遅いのかもしれないものの、逆を言えば、そのメモに書いていない大多数の企業は、大していい影響はないことになるでしょう(上記のワールドカップのように)。商店街の魚屋さんや八百屋さんが、オリンピックのお陰で売上げが上がる仕組みを、誰か教えてください。
 そして、2020年のオリンピックは、パラリンピックを含めて7月24日から9月6日まで開催されるようです。8月は丸々オリンピックに費やされます。
 その準備期間を含めるとおそらく長い期間で、東京ビッグサイトは使えなくなるようです。現時点で、有名なイベントの「コミックマーケット」はこの時期の開催ですし、もちろんそれ以外の、各業界の展示会が開催されているはずですが、ビッグサイト以外のコンベンション施設を使うことになるか、2020年度は中止になることもあるでしょう。と言うことは、各企業が開発した新製品を公表する=商売の機会が奪われます。これで、景気に繋がる論理がよく分かりません。
 オリンピックにあやかろうなんて思っていてはダメです。そもそも“オリンピック”という言葉で商売が出来るのは、オリンピックの団体に沢山のお金を差し出せた、グローバルな大企業だけです。

死にませんか?(選手が)

 2020年のオリンピックは、パラリンピックを含めて7月24日から9月6日まで開催されるようです。8月は丸々オリンピックに費やされます。
 2013年の8月の暑さは、異常気象と言われるほどでしたが、2012年も同じように暑かった覚えがあります。7年後の8月は涼しくなるのでしょうか。また、水不足も懸念しないといけません。
 これは、私自身は一切影響がないことですが、ここで関係するのがオリンピックに出場する選手です。今年の東京の最高気温は、38℃を超えたようですが、あくまで百葉箱で測定したものです。アスファルト上の気温は何℃になるでしょう。湿度も高いです。その中で駆け回らないといけないとは、ちょっとした虐待行為ではないかと思います。死ぬ気で根性で頑張れ…と。オリンピックの結果報告で、「熱中症でダウン」という新聞記事が出てくるかもしれません。
 夏のイベントと言えば、甲子園の高校野球もありますが、通常通りに開催すると、おそらくオリンピックと被ってしまうでしょうが、2020年も普段と同じ日程で行われるのでしょうか。高校野球を楽しみにしているファンは一定数いると思いますが、ずれた場合、この時期に、テレビ鑑賞・ラジオ視聴以外の別の手段を探しておく必要があるかもしれません。
 この日程になったのは、アメリカの放映権の都合で、秋だと他のスポーツ大会の中継があるためにこの時期に開きたいのだそうです。平和の祭典は、お金が最優先で選手は二の次です。まぁ、日本の蒸し暑さを知らないアメリカ人の都合で決めるようだから、仕方ないですね。

つーかそもそも、スポーツに興味ないでしょ?

 「東京オリンピックの被害予想」とは関係ない話ですが…。
 海外に対してアピールした政治家は、そんな気がします。2020年、コンパクトな開催地・東京で、目の前で、自主的に(招待の類ではなく)、競技の様子を見る政治家が一体どれだけいるでしょう。結局、経済効果だけしか気にしていないわけです。
 あえて書けば、オリンピック開催中、国民の意識がオリンピックに集中している間に、変な法律や規制を制定する可能性は考えられますけれども。

唯一のメリット?

 今回の招致決定は、ロビー活動も大きなウェイトを占めるといいます。ロビー活動がうまく行ったと言うことにもなるのでしょうが、そのロビー活動を、オリンピック招致という無駄なことではなく、多方面にもっと活躍してもらいたいものです。
 つまり、太平洋周辺国の自由貿易絡みの案件や、隣国が謝罪と賠償を求めている戦前のでっち上げのことです。海外との交渉がうまくいけば、今の日本国内ももうちょっと良くなっているのではないでしょうか。

 「東京オリンピックの被害予想」の部分には(2013年9月更新現在)、交通機関に関することはありませんが、何か気になることが出てきた際は追記していきます。


16年08月現在の被害状況

 まだ4年先ですが、既に国民の生活にとって、色々と被害が出てきています。
 今までは「オリンピックを東京に招致を!!」なんて国民を誘導して応援させ、招致が決定したら手のひらを返したかのように、「オリンピック」やそれを想起する言葉(TOKYO 2020とかスポーツの祭典なども)は、世界的大企業であるオリンピックのスポンサー以外は使うな、というお達しが出たそうです。私は元々この通り応援していませんが、招致を応援していた人に使わないのは可哀想に思えます。

儲かる方へ…

 都内に倉庫がある業者がいたとします。都内にある大きな倉庫というと、海に近いところにあることが多いですが、それがオリンピック絡みの目的に使う方が儲かるからと倉庫を閉鎖。倉庫の移転先が都外になり、配送体制に不便が生じるパターンです。今まで2日で手に入るものが4日掛かるという可能性はあります。
 私の知っているO社はホテルにすると聞いたことがありますが、取引先が不便になっても、企業としては儲かれば(何をしたって)いいわけで、あまり文句は言えません。同業他社に発注するだけです。

香港の思い出よ再び

 上記で、羽田空港の発着本数云々書きましたが、なんと解消する案ができたようです。今までは海上を飛行していましたが、陸地を飛ぶことにすれば、発着枠が増やせるというのです。実際にこの方法で飛ぶのはまだ先のことですが、どうやら役所間で合意に至ったとのこと。
 羽田空港からリムジンバスで30分ほどの大井町駅上空など、着陸のために相当な低高度で飛行することになります。騒音や落下物、事故については、国交省が航空会社に指導をするようです。ただ、外圧に弱い日本のことですから、海外の航空会社から「低騒音の飛行機の導入や、厳しいメンテナンスには多くのお金が掛かるから、指導は守れない」と言われれば、日本の役人は「指導はしました」=「それならば、どうぞそのまま飛び続けてください」と、危ない飛行機を都心にドシドシ飛ばすことになるでしょう。もし部品が落下したり、事故を起こしても、被害の賠償は国ではなくその航空会社と行うわけで、国はノータッチ。メンテナンスがまともにできない航空会社のことだから、満足な賠償を行うことはないでしょう。
 飛行ルートを見れば渋谷の方も飛ぶようです。スクランブル交差点の他にも、低空で飛ぶ飛行機と言うことで、外国人観光客にとっては、“昔の香港のようだ”と、歓迎されるかもしれません。
 結局のところ、周辺住民(や国民の財産)のことなどどうでもよく、外国人の観光客を増やしたい、つまり、外国人から上辺だけよく思われたいということになります。つまり原発と同じです。

 これは有名ですが、国立競技場建設により、周辺に住んでいた人が強制的に退去させられるなど、もう過去の話にされそうな内容も出ています。また、これらの話はあくまで直接的なものであり、オリンピック関係を優先することで、他の問題(介護、欠食児童や待機児童等々)は後回しにされていることも十分にあり得ます。

早速、五輪絡み(と言うことにして成立させたがっている)法律が(28日追記)

 16年7月に参議院選を終え、数の強制力でどんどん悪法を作ってしまえと言わんばかりに、オリンピックに向け、「共謀罪」を成立させようとしています。この共謀罪は、2000年代前半に計画しては廃案になったようですが、今回はオリンピックでテロが心配だからと言う大義名分で作るようで、中身は従来と同じでもタイトルだけ「テロ等組織犯罪準備罪」に変えるそうです。
 「オリンピックのために作るので国民の皆さん、理解(=我慢)してください」と言えば、何でも通じるようです。悪法を作る政治家や官僚の皆さん、良かったですね、東京でオリンピックが開催できて。





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