耳がある・東急トークセンター

 大手企業各社には、利用客の意見、苦情、質問などを承る専用電話がある。鉄道会社でも、ここ数年前からそういう窓口を設置している。東急電鉄でも、「東急109(トーク)センター」という名前で専用電話回線を設置している(現在は、『東急お客さまセンター』に名称が変わっています)。

 あくまで他社と比べての話であるが、この東急トークセンターは、質問にはきちんと答えてもらったりしているのである。例えば、ある東急線の話だが、いつも毎日、時刻表通りに運行していなかった(実は今でもしていないときもあるのだが)。たまにならともかく、それが毎日のようにやられ、しかも早発する(00分発車と書いてあるのに、59分台に出発してしまう)時も多いのである。これが続いたので、この番号に電話した。すると、運転課の人が折り返し電話をくれたのである。結局は言い訳に過ぎない答えなのだが、理由は分かった(それなりにこちらも納得できる答えでもある)。また、その電話の直後から(しかし、幾日かしたらまた元に戻ってしまったが)一応、直っていることもあるのである。

 こういう質問にも答えてくれたことがある。ある新車の、デビューの日付を確認したところ、ついでに運行時刻も教えてくれたことがある(私は頼んではいなかったが)。おそらく、他の人が運行時刻まで教えてもらえるよう頼んだから、「この人もだろう」ということで教えてくれたのだろう。また、東急電鉄の広報紙で「東急トークセンターをご利用ください」という紹介文に書いてあった過去の質問例でも、「TOQ-BOX〔虹などのペイントを施した車両〕の運行時刻を教えて欲しい」と書いてあったほどである。

 この東急トークセンターは、東急電車以外にも、グループ会社の意見や質問にも答えてくれる。JR東日本の場合は、列車内のサービスでも、会社が違うと“答えかねます”という回答の一方、東急トークセンターは、それなりに答えてくれるのである。当たり前といえばそうだが、意外と企業は、そういう質問に答えてくれない。

 それでもあまり評価すべきではない点もある。それは一部なのだが、その電話に応対する係員である。例えば先程のような“列車の時間が正確でない”という苦情に対し「お客さまの時計は正確でしたか?」と聞いてきたり、こちらが言った言葉に対して「はい、はい」と、“今言ったことをきちんと聞いているのか?”と思わせるような感じで(全然レスポンスがない)、つまり“書き写していて他のことは話せない”と言っているかのような態度だったりした人がいる。つまり「聞く態度がなっていない」のである。一方で応対の良い人もいるが、応対の悪い人が応対に出られると、後味がかなり悪く思うのである。

 とはいえ、この東急トークセンターは、他社にも見習って欲しい窓口である。是非ともこのまま頑張ってもらいたいものである。





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