東急電鉄の怠慢

〜大井町線の急行通過駅は、廃駅にするつもりのようです〜

掲載日2009年04月12日
追記2009年12月15日

 東急電鉄は、一言で言えば、“嫌ならば利用しなければよいのでは?”とでも言いたげな、殿様ぶりを発揮している。
※ちなみにこのプロバイダは、東急グループの「ITSCOM」です。もし、このページやこのサイトが急に見られなくなった場合は、何らかの見えない力が働いたことになります。


このページのみの更新情報

動きや変化があり、それが判明次第、このページも修正するため、更新履歴のページには載せず、この部分に記録を載せています。
14/04/18 自動改札機、東横線の乗車率について追記
13/05/11 副都心線直通に関して内容を変えました(更新時点で内容が古いものは、東急電鉄の怠慢 旧内容に移転)
13/02/18 「副都心線直通に関する怠慢」 の掲載
10/12/04 「東急電鉄の新しい商売」 東急グループのスローガンの真意の掲載
10/08/21 大井町線の種別名の表現を変更(文章の内容には大きな変化はありません)、多摩川花火大会について記載
09/12/15 中目黒駅の21時頃の様子の写真、11月中旬に一部の駅の改札口が元に戻ったため、追記しました
09/10/01 交通安全週間などの部分を追記・修正しました
09/04/26 図などの情報を追記しました


東横線・お願いしている立場なのに入れさせたくない気満々の女性専用車両

 従来、8号車(1)、5号車(2)に設置していた女性専用車両だが、2013年03月18日の、副都心線と直通した最初の平日に、1号車(3)に設置されるようになった((1)(2)(3)は、世代を表します)。
 (2)の際は、平日・朝夕の通勤ラッシュの、特急・通勤特急・急行にのみ設置されていたが、(3)になり、平日・朝の通勤ラッシュの、全列車に設置されることになった。

87654321
 弱冷     女性
←元町・中華街    渋谷・池袋→

10987654321
 弱冷       女性
←元町・中華街      渋谷・池袋→

女性しか意識していない証拠

 現在、ホームの、1号車の停まるドア位置には、ピンクや水色のシールで、“この車両は女性専用車両です”と言うことを目立つようにアピールしている。
 別に、女性は、どのような時間帯であろうが、1号車に乗ることをためらうことがない。しかし、それ以外の乗客は、「今、この列車は女性専用車両なのか、そうではないか」、じっくり窓を見ないと分からない。放送でも「〜設定はありません」という案内もなく、別に、1号車を使っていいのかどうか迷っている人のことはどうでもいいと言うことである。
 どうやら、日本の案内放送は、海外のそれと比べ、しつこいほど丁寧なようだが、こう言うときに限って肝心な案内はない。

「専用」車両は強制ではないようだが、名称は「優先」ではない

 …と、ここまで、「男性は女性専用車両に入ることは出来ない」というニュアンスで書いてきた。
 ところが、女性“専用”車両とは表現していても、法的な拘束力はないようで、あくまで女性“優先”車両という言い方の方が正しいようである。2号車の混雑で気分が悪い場合は、元の通り、この車両を使うのも良いのかもしれない。

にもかかわらず、この有様は何?


 この写真は、とある駅の朝の様子である。この列車は8両編成。警備員にプラカードを持たせ、男性排除をアピール。警備員を雇う人件費を、別のものに掛けてもらいたいものだ。

 プレスリリースには、「女性のお客さまに安心してご乗車いただくため」と書いてある。つまり、女性だけを優先し、男性客(しかも、大半は、痴漢などをすることはないはず)のことは気に掛けず、苦痛と不便を強いさせているわけである。これは、痴漢を減らすのが目的ではなく、大多数の客に対して、朝夕のラッシュ帯を、あえて疲れさせたいのであろう。痴漢を減らすのが目的なら、単純に隔離するだけでは解決できないのではないか(1号車以外に乗車の女性がその分ターゲットになるだけである…痴漢の被害に遭いたい女性などいるのだろうか??)。
 2008年頃に、自殺防止と言う理由で硫化水素を作る方法が掲載されているWebサイトを閉じさせたりしたようだが、それで自殺が減るのではなく、単純に別の方法で自殺するだけで、意味のないものである。まぁ、「硫化水素」の自殺による巻き添えを予防できるという意味では有効かもしれないが、その代わり鉄道自殺でもしたら、それこそ何万人が巻き添えになる。

男性客をえげつない方法で排除している様子

 (2)の頃の話だが、2009年4月23日の22時00分、東横線渋谷駅発の通勤特急(列車番号:024221)での話である。
 この列車の発車時刻近くになり、発車ベルが鳴る前後に、車掌による「5号車は女性専用車両です。ご注意ください。」という放送をする一方、女性専用車両の前を走って通過中に扉が閉まり、乗れなかった男性客を見た。つまり、無駄に走らせたことになる。
 ネチネチとした小さないじめで、男性客を排除しているわけである。東急電鉄のやっていることは、黒人差別の類と大して変わらないのではないか。不要な人間を差別して排除することが、「美しい時代へ―」の目標としていることなのだろうが、これではナチス・ドイツのやっていたことと大して変わらない。もちろん、JR東日本、東京メトロ、京王、つくばエクスプレス等々、女性専用車両を導入している鉄道会社もナチスと同じで、東急に限らないが。英語放送・表記さえすれば世界標準と考えているようで、非常に愚かである。

男女差別をすることが、東急グループの言う「美しい時代」にするための手段である。



大井町線・急行導入の怠慢

 2008年3月28日に、大井町線に、いわゆる急行列車が出来た。これらは、田園都市線からの接続客のみを対象にしており、大井町線沿線住民や、大井町線に職場や学校があり、通勤や通学に使う人の利便(電車を使わない人を含めて大井町線沿線付近に用事がある人)は、一切考えていない存在である。
 利用者の利便性向上ではなく(大井町線の利便性を下げる意味では、十分すぎるほど大きく役に立っているが)、東急電鉄自身の都合で走らせている種別なので、この項目では、急行列車のことを、“回送列車”と呼ばせていただく。

空いている急行列車と混雑している各駅停車

 東横線や、朝の急行を廃止して準急にしたくらいの田園都市線のように(※早さの順序としては、急行>準急)、優等列車が混雑するのはよくあることで仕方がないが、大井町線の場合はそうとは限らない。普通列車(各駅停車)の方が混んでいることもざらである。これは、同じ時間帯で、“回送列車”の供給過多ということになる。特に、“回送列車”通過後の普通列車の混雑は酷い。
 普通列車の5両編成と“回送列車”の6両編成で、乗客数が混雑率とは結びつかないので、単純な比較は出来ないにしても、例え“回送列車”が5両であっても、混雑と言うほどの乗客数にはならない程度の印象だ。

空いている急行列車と混雑している各駅停車 〜花火大会の場合〜

 2010年8月21日に、二子玉川で花火大会があった。夕方から、大井町線は臨時ダイヤで運転していた。16時過ぎから20時過ぎ頃までは全列車普通列車で、20時過ぎ以降から“回送列車”が交じるようになった(4本に1本が“回送列車”)。
 自由が丘の手前で、上り“回送列車”を時間をおいて2列車見たが、後ろの2両は空いていた。座れる座席もありそうだ。また、前方の4両も、普通列車の混雑ほどではなかった。ところが、“回送列車”前後の各駅停車は、5両とも込んでいた。後ろ(5号車より)に掛けて空いているのは同じだが、座れそうな座席はなかった。おそらく、5両編成の普通列車の乗客数よりも、6両編成の“回送列車”に乗っている乗客数の方が少ないのではないかと思う。“回送列車”は、中国政府と同じように、メンツを保ちたいだけなのか、何を考えているのか分からないが、東急電鉄自身の都合だけで走らせていると言うことが分かる。
 こうなってしまった背景の一つに、“二子玉川の花火大会”が、二子玉川にしか人が集まらない、というわけではないことである。おそらく、このときの二子玉川駅付近は、相当混雑しているだろうが、一方で、花火は、隣接した場所からでも見ることが出来る。田園都市線で言えば二子新地駅や高津駅、大井町線で言えば上野毛駅などである(もちろん、場所や建物の高さによっては、もっと離れたところでも見られます)。おそらく、上野毛からも乗り降りする人は相当数いるはずである。しかし、5両編成の上野毛駅のホームに、6両編成の“回送列車”は止まらない。そのため、普通列車ばかりが込むのだろう。常識的な鉄道会社なら、夕方以降は終日、全列車各駅停車にするのだろうが、決して利用者の動向を見ることもなく、メンツを保つためだけに“回送列車”を走らせている。要するにエゴだ。
 ちなみに、2009年も、同じように夕方から途中までは全列車普通列車、夜から“回送列車”を走らせていたが、2009年の時も、“回送列車”の混雑状況は今年と同じような覚えがある。2009年でこの有様だったが、2010年で改良することはなかった。メンツ保持か、学習能力のない能無しがダイヤを組んでいるのか。

列車毎・駅間ごとに偏る乗車率

 曜日や時間帯によって混む/空くが出るのは当たり前の話だが、それは、大まかな時間帯によっての差違である。しかし、大井町線では、同じ走行区間(大井町〜溝の口間)・種別(普通列車)でも、一本違うだけで、混み具合が違う。今までは、「均等に何分おき」だったため、1本違ったくらいでは混雑の差はなかったが、現在では「何分おき」が、ばらついていたり、降車駅が理由で“回送列車”に乗れない人が普通列車に多々乗ってくるなどの影響などで、同じ時間帯でも、混んでいる列車と比較的空いている列車がある。

開かずの踏切

 “回送列車”運転で一番大きな悪影響は、これではある。
 基本的には、大井町線には、踏切が多い。10.4kmに、25箇所程度あるような記憶がある。
 “回送列車”→普通列車(もしくは逆)の2列車通過するまで遮断棒が上がらなかったり、そうやって片方が開かない間に、反対方向からの通過列車があるなど、酷い。朝夕の、本数の多いラッシュ帯ならまだしも、データイム帯も、この現象を多発させている。そしてデータイムも過ぎ、帰宅のラッシュが落ち着くはずの21時台というと、本数も減る時間帯だが、その時間帯でも、一回閉まってから、4本(上下2本ずつ)通過していたこともある。東急グループは、意見を承る窓口があり、私自身、さんざん言ってはいるが、大井町線を使わない人(滅多に列車を使わない人)は、このお客様センターへ連絡しづらいはずで、見えない不満・苦情は多いはずだ。そう言う、いいづらいだろうからと、弱い者いじめと同じ事を行っているわけである。
 一方、交通安全週間中の放送では、大抵(他社・他路線)の放送は「交通ルールを守り、事故防止にご協力ください」などと放送するのが一般的だが、踏切が多い=開かずの踏切多発地域である、自由が丘〜二子玉川間の直前に当たる、下り列車の緑が丘→自由が丘間での放送では、当てつけのように、“警報機が鳴り出したら、無理に踏切を渡らないでください”と、真面目にこれを守れば長時間渡れない内容を放送している。自分で原因を作っておきながら守れと言う、開かずの踏切に不快に感じる人の気分を、あえて逆なでする放送を行っている。芸人の「押すな、絶対に押すな」と同じような事をして欲しいのだろう(※押す→渡る、に置き換えてください)。
 しかも、2010年4月の期間中は、いい機会だとばかりに、夜間、某ベーグル屋の入っている保険会社のビル前の踏切付近で警察官が取締りをしていた。立っている様子を2回見かけたが、普段取締りで立っている場所とは別の場所に立っていたので、踏切絡みの取締りだろう。取締れる場所はいくらでもあるのに、もしかしたら、東急電鉄とグルになっているのかもしれない。

 無理な横断をさせないための根本的な解決策としては、訳の分からない6両編成の“回送列車”を走らせなければ(以前の状態に戻せば)、開かずの踏切も大きく解消し、無理に渡らなければならないことも減るはずだが、そうしないということは、メンツの維持。この放送は結果、上っ面だけなのだろう。つまり、東急電鉄は、田園都市線の住民の輸送が最優先で、交通安全など二の次なのである。救急車も渡れずに人が死んだこともあるのではないだろうか。

 もしかしたら、補助金目当てのために、そしてその補助金をグループ会社の東急建設に充てられるように、地下化や高架化を推し進めるべく、開かずの踏切を作為的に作り出しているのかも知れない。

東急電鉄の新しい商売

 開かずの踏切で困るのは、そこを通ろうとする人である。しかし、東急電鉄は、この先もあえて開かずの踏切を解消しないように思える。というのも…
 毎日、通ろうとするが、「開かずの踏切」により長時間通れない→ある時、しびれを切らして無理して通ったか、閉まり掛けて通ろうとしたかで、遮断棒を折る→東急電鉄から法外な修理代を請求される…
 …という話があったようだ。自分達で要因を作っておいて、そういう修理代を請求するというのは、新手の商売としか言いようがない。しかも旨みがあるのは、少子高齢化で鉄道利用者が減っていく中、東急電車を利用しない人からも商売が出来ると言うことである。そのため、東急電鉄は、これからも開かずの踏切は減らそうとせず、万円単位で回収できるビジネスを展開していくに違いない。
 新しい商売をするなら、特別席を設けるとか、そういうことをやって欲しいものである。

「暫くすると 4番線に 各駅停車・溝の口行きが 参ります」

 旗の台駅の下りホーム(自由が丘・二子玉川・溝の口方面)で、普通列車の接近放送が流れてから、実際に列車が到着するまで、暫く時間が掛かる(放送中、荏原町で止まっている様子が見えます)。何処まで“回送列車”仕様を優先しているのであろうか。


 どんなタイミングで接近放送が流れるかの図

ダイヤ乱れ

 以前から大井町線は、細かなダイヤ乱れは頻繁に生じており、そのほとんどが早発であった。例えば、時刻表では15分と書いているにもかかわらず、実際には14分台に発車することである。ATCを導入し始めてからは、どんな小さな駅でも駅側で止めているようで、2〜30秒の異常な早発はなくなったものの、ATCを導入したにも拘わらず、若干の早発は発生している。また、正確に計測したわけではないが、“回送列車”のあとの普通列車は、逆に多少の遅れが発生しているときもある。この「遅れる」パターンは、“回送列車”が始まる前は、滅多になかった記憶がある。
 このような状態となると、開かずの踏切の時間や箇所を、更に増やすことに繋がる。

 現在の、数秒〜1分程度の遅れが、車両故障・人身事故・悪天候などで、数十分を越える遅れになった場合、一般的な路線では「全列車各駅停車」が出来るが、6両編成の“回送列車”が交じっている大井町線はどうするつもりなのであろうか。だからといって、事故発生のためだけに1〜3両をドアカットする機能(ホームの短い戸越公園や九品仏で行われる、この編成のうちのこの号車の扉を開けなくする機能)はないと考えた方が自然である。踏切の多い大井町線が、酷くなることは目に見えている。

 2009年02月に、緑が丘で人身事故が発生し、大岡山〜二子玉川間が運休となった(※実際は、大井町〜大岡山間も、本数が少なかったようで、旗の台のホームに止まっていた下り方面の普通列車は数分間以上止まっていた)。全区間復旧直後に、緑が丘駅付近で、大井町方面を向かって通過する急行の車両が見えた。何処で止まっていたのかは分からないが、可能性としては、自由が丘〜二子玉川間の途中(4.1km)で、踏切の遮断棒を下げたまま停車していることも考えられる。この区間は“回送列車”が停車できる環境はなく、しかも踏切も多い。

ATC導入によるデメリット

 “回送列車”運転が始まる少し前に、ATCが導入された(おかげで、そのATCを備えていない8000系のトップナンバーの編成が、サヨナラ運転などをする機会もなかったおまけもあるようです…やるという計画はあったそうですが…)。
 ATCを導入すると、安全の他に、本数増・速達化のメリットがあるはずである。しかし、2008年3月28日以降、結果として普通列車の所要時間は1分以上延長した。本数は増えたとはいえ、それは無意味な“回送列車”が増えただけで、普通列車は本数が減った。

 また、それ以外にデメリットに感じる部分は、乗り心地の悪化である。
 加速していると思ったら急に減速ということが、区間に限らず頻発している。酷い例でいえば、自由が丘から九品仏に向かうとき、九品仏着前に急なカーブがあるが、今までは、カーブにさしかかる前に速度を落とし、駅に着く前に本格的にブレーキを掛けて停止する一方、現在は、カーブにさしかかる前に、ATC導入前と比べて更に速度を落とし、その直後のカーブ通過中に速度を上げ、再び停車前にむけ減速するような、意味がよく分からない加減速がある。

定刻を守るつもりが一切ない、大井町線の車掌たち

 車掌の仕事の一つとして、ダイヤ通りに列車を運行する、と言う役割があると思う。しかし、大井町線の車掌の一部は、その役割を果たしていない。「ダイヤ通り」とは、予め定められた運行時刻通りに走らせることであるが、それに対して、早かったり遅かったりするのである。もちろん、上記の「ダイヤ乱れ」の通り、大元が悪くないかと言えばそういうわけでもないが(JR西日本の尼崎線の事故のように、無理を押しつけていることもあるだろう)。
 定刻より早い場合は、90%以上車掌の責任(残り10%はダイヤを組んだ人間)だ。車掌が出発のサインを出さないと列車は出発しない。そのサインを、何を土地狂ったか、早く出すのである。
 定刻より遅い場合は、運転的な問題、天候の問題、乗客の問題など様々だが、一部は車掌の責任でもある。その一部というのは、「作為的に遅らせている」ことである。
 昔、Kさんという車掌さんがおり、この方は本当に厳しく時刻を守っていた。しかし最近は見かけないので、もう退職されたのか、別の部署に移ったのだろう。その後、そういう厳しい人は見かけなくなってしまった。

結果、「環境破壊」

 “回送列車”導入による、最終的な結果は、環境破壊に拍車を掛けるだけである。“回送列車”用の車両だけで見れば、省エネルギーかもしれないが、それ以外の局面で、従来以上に環境破壊を促進している。この話は、JR東海の新幹線と似ているような気がする。
 今までする必要の無かった加減速が多い=電気の無駄な消費、自動車の踏切での長時間停車(アイドリング)、そして、踏切や長時間ホームで待つ人のイライラなど、地球環境にも、精神衛生的にもよくない。

 何故、距離が短く、踏切の多い大井町線に、無理矢理、“回送列車”を導入したのかというと、田園都市線(上り列車)の利用客が、今までそのまま渋谷まで乗ると混雑が激しいため、溝の口で下ろさせて、混雑を分散させるという狙いがあるようである。溝の口での、田園都市線の急行列車と大井町線の“回送列車”との接続は考えていないようだが(データイムは考えている模様)、踏切が多く、通過施設も少ないために、大して速達効果がない大井町線に、1時間に4本の“回送列車”を入れているのには、何らかの企みがあるのだろう。これはつまり、東急が無計画に進めた田園都市計画で爆発的に増えた住民輸送のツケを、大井町線沿線利用者に払わせるということである。大井町線より、田園都市線の方が、誕生が新しい。
 また、2008年6月22日ダイヤ改正号の「東急電車時刻表」には「大井町線沿線散策ガイド」という特集があったが、紹介の総てが“回送列車”停車駅、しかも7ページの記事は、荏原町がメインとしか感じられないのにも拘わらず、旗の台付近として紹介されており存在を消されていた。この先、二子玉川、自由が丘、大岡山、旗の台、大井町以外の、(五島美術館*1最寄の)上野毛や、(東京都市大学*1最寄の)尾山台など、廃駅にするつもりなのだろうか。

*1(五島美術館・東京都市大学):東急グループの施設・学校です

全社一丸となって大井町線を邪険にし、周辺の住民をも巻き込んで不便を強いることが、東急グループの言う「美しい時代」にするための手段である。



半数の自動改札機はICカード乗車券しか通さない怠慢(一部の駅を除く)

 2008年10月頃、「PASMO(Suica)専用改札機を増やします」という広告が貼られた。


 東急線の駅には、敷地の狭さが理由か、3箇所程度しか改札口がない駅の割合が多いように思う。対面式ホームの駅は、実質6箇所だが、島式ホームの駅は、本当に3箇所しかない。

 東急側の発表では、「3分の1」の改札機を、そのようにすると言う発表だったが、通路の数ベースで見ると、実質「2分の1」が、ICカード専用となる。



 待っていてもらちが明かないので、こういう場合、×の3番の部分を、機械に乗車券を通さずに通るしかない。

 おそらく、この怠慢の理由は、コスト削減と思われる(以降の理由は推測です)。通常の磁気券を自動改札機に通すときは、改札機内部に券を入れ、改札機内で情報を読みとり、モーターを使って外部に出すが、モーター等のメンテナンスでコストが掛かるのだろう。実際、JR東日本の無人駅などでは、ICカード読みとり機能だけの簡易的な装置が置いてあるようだが、装置が安価のため、利用者の少ない駅でも一気に置けるのだろう。
 一方で、ICカード利用者ならば運賃が安ければよいのだが、特にそう言うこともでない一方、リスクは大きい状態は変わらない。
 そんな中、2009年11月中旬頃から、改札口が3つしかない駅(対面ホームで、片側が3箇所=両側6箇所の場合も含む)の一部では、約一年一ヶ月で元に戻ったものの、総ての駅ではない。


 2009年3月中旬に、一部の駅では、ご丁寧に「IC」マークを入れるようになった。


 2009年11月中旬頃から、改札口が少ない駅の一部では、元に戻った。

4つの改札口による通せんぼ

 3つまでの改札口の一部は確かに元に戻ったが、4つの改札口は相変わらずの状態である。


 この図は、とある駅の様子である。双方向通行可能な改札口は2箇所、片側通行のみの改札口は2箇所だが、片側通行うちの1つ(左から右=駅を出る人用)は、ICカード専用になっている。データイム帯のような空いている時間帯ならば問題はないだろうが、問題は利用者がどっと増えるラッシュ帯である。


※この図は、具体的にどの駅かは控えますが、改札機周辺の配置を端的に表したイメージです。券売機や精算機を略すなど、実際の駅とは異なっています。
 右側の更に右方には踏切があり、左側には、階段を数段上がるとすぐにホームがある。電車は、右から左に走ることになるが、踏切を通過し、左のホームに到着する。踏切の遮断棒が上がった直後、上側から沢山の人が、今到着した列車に乗れるよう、急いで改札口を通ろうとする。しかも、走って入る人の動きをよくみると、ちょっと遠いからか、右から左の片側通行(4番)があまり使われず、結果として3つの改札口が、列車に乗る人用で埋まってしまい、左から右に行く(駅を出る)には、ピンクの所からしか出られなくなってしまう。
 もちろん、走って入る人が落ち着けば、双方向の2箇所(1,3番)は、通る人が誰もいなければ、両側とも通れるのだが、右から左に通る人が一斉に増えると、プログラムがどのように判断しているのか、左から右への口が通行禁止の赤い表示が暫く出たままになる事が多い。そうなると、待っていてもらちが明かないので、機械に乗車券を通さずに通るしかない。

 結果として、人の動きをよく見ずに、適当に設定したのだろう。
※14年4月現在、この駅で自動改札機が新しくなりましたが、そのタイミングで、この“通せんぼ”は解消されました。他の駅では、入れ替えによってどうなったかは調査していきます。

利用客の動線を見ないで交通機関の運営をすることが、東急グループの言う「美しい時代」にするための手段である。



副都心線直通に関する怠慢

 13年3月16日から、東横線が副都心線に直通したが、それによる弊害は多々ある。

ダイヤ乱れ

 東京メトロ副都心線は、08年6月に開通したが、何故か初日から何かとトラブルを起こしている。JRでも、湘南新宿ラインが走り始めた結果、東海道線、横須賀線、宇都宮線、高崎線の何処かでトラブルがあると、この4線総てに影響が及ぶが、そういうトラブルが今後は東横線にも広がってしまう。今までは相互乗り入れしていた東横線と日比谷線が、今回を機会に相互乗り入れを止め、中目黒のホーム乗換になったが、渋谷もそれで十分だと思う。
 開業一ヶ月時点で大きな乱れは起きていないが、ダイヤ的・物理的に繋がっている以上、解消できない不安要素である。


安物だったり、古くさい車両

※9000系ファンによる感想です。そのため、一部、軽度ながらも、(いつも以上に)気分を害する表現が含まれております。
 これは非常に個人的な感情である一方、同意する人がそれなりにおられるのではないかと思うが、今回の件で、9000系、1000系が東横線を走らなくなった。この2系列は、9000系は1986年、1000系は1988年にデビューした車両で、バブル崩壊前の車両のため、今の新型車両と比べると廉価な雰囲気もなく、車内も良い意味で落ち着いている。それが、副都心線直通を機に、東横線から退いてしまった(1000系は日比谷線直通列車のため、日比谷線との直通がなくなったため、1000系が走らなくなった)。イスも座り心地がよいのだが、勿体ない。

座り心地の良い9000系(左)と、安物感が拭えない新型車両(右)

 東急9000系がいなくなる一方、副都心線、東武線、西武線にも直通する=東京メトロや東武や西武の車両が東横線に入ってくることになるが、ところが、86年デビューの車両を追いやったら、もっと古い車両が来てしまった。製造銘板を見れば、実は9000系より新しい車両もあろうが、どうも古くさく見えて仕方がない。東急9000系が追いやられた理由は、地下に潜った渋谷〜代官山間の坂がきつく、9000系では上がりきれないから、と言う説を聞いたことがあるが(※都市伝説というか、違うようです)、もっと上がりきれなさそう車両が、北の方からやってきたのだ。
 次の表は、東横線に乗り入れるようになった車両や、現在は別の路線で走っているが過去東横線に乗り入れた車両の一覧である。

会社名形式製造年特徴・印象 (斜字は感想)写真
東急電鉄5000系統2002〜・JR東日本E231系と同等
・冷房の機能は新しい分優れているようだが、9000系に乗り慣れていると車内は安っぽく感じる
90001986〜1988・VVVFインバータ制御
・みなとみらい線直通運転にあわせて乗降ドアの上に車内LED表示器取付
・車端部にはクロスシート
・バブル期に製造された車両のため、座席の座り心地も含め、新型車両よりも落ち着いている
80901980〜1985(参考)
・世界初の軽量ステンレス車両
・界磁チョッパ制御、T車遅れ込めブレーキ制御なし
・自動放送・車内LED表示器なし
・前面に貫通扉がないため、大井町線に転籍、そして9000系が転籍するようになり秩父鉄道に
※東武9000/9050系とほぼ同世代のため参考掲載
東京メトロ100002006〜・天井のアルミ装飾のお陰で車内が暗く、座席に座っている人は読書灯が欲しいのではないかと思うほど
70001974〜1989・改造も含め、全編成がVVVFインバータ制御
・T車遅れ込めブレーキ制御をしない編成もある
・編成によりドアの窓が小さな編成がある、ドア開閉に品がない(※通称:爆弾ドア)
・前面展望(かぶりつき)が不可能、メトロ7000系のデビュー当初は直通運転など念頭になかった=地下を走るだけで前が見えなくても済んだのだろう
※8000系〜9000系と同世代
031988〜1994(参考)
・編成により、チョッパ制御車かVVVFインバータ制御車があり、後者は東急線内でも自動放送と車内LED表示器での次駅表示が可能
※日比谷線用の車両だが、2013年03月までは直通列車として東横線でも走っていた
東武鉄道500702007〜・VVVFインバータ制御車
・今までの車両よりは薄まっているとは思うが、東武臭(※ブレーキの部品から発する、焦げた臭い)がする
9000/90501981〜1994・車内のLED表示器が、よくみると、ドア上広告の更に上に、1行表示のものが。(東急)9000系などのように駅名を大きく表示できるわけでもなく、位置が高いので背が低かったり視力の悪い人には…。
・編成によりチョッパ制御車とVVVFインバータ制御車
・一回、乗れる機会はありましたが、「特徴をつかもう」より、「こんなのに乗りたくない」が勝ってしまい、乗っていません...
西武鉄道60001991〜1998・新製時から全編成がVVVFインバータ制御車
・ドアチャイムが、開ききる直前に鳴るなど、意味が薄い
・戸袋窓がある編成もある
・ベンチレーターがある編成もある
・劣化版9000系という印象…乗り入れてくる他社の車両で唯一、まともなのではないかとは思うが、戸袋の窓やベンチレーターは何だか田舎臭い

※上記感想は、東横線で9000系に乗り慣れた者によるものです。一番の嫌悪感は、上り列車の行先の表示かもしれません。
※製造年は、東横線に乗り入れする編成の製造年とは限らず、デビュー年の可能性もあります。世代判断の参考程度にお願いします。

 不幸中の幸い、東横線を使う際、メトロ、東武、西武の車両に当たる機会が少ないので、今後これらの車両の乗車機会が増えた際、感想は増えるかもしれない。何より共通して言えることが、他社の車両の、品のないことに尽きる。東急の車両が、いかに洗練されているかが分かる。東急9000系は別の路線に追いやられてしまうのは、何故だろうか。虎の子9000系を他社で走らせると、大切に扱ってくれないからと言う親心だろうか。改造よりも、今の新型車両を導入した方が安いのだろうか。
 東武、西武の車両が来るというなら、スペーシアやニューレッドアローに来てもらいたいものだ。


1時間半を、硬いロングシート(もしくは立ったまま)で

 副都心線をPRするパンフレットによると、横浜から川越まで、1時間25分掛かるそうだ。特に、東横線から来る列車は全列車各駅停車になると言う東武東上線は特に、この区間を乗り通す人はほとんどいないとは思うが、走っている以上、可能性はゼロではない。ところが、この区間を走る列車は総て、トイレはない、4ドアロングシートの通勤列車で、しかも、上記の通り、座り心地の良い列車はない(※他社から乗り入れる車両の座り心地は考慮せず)。一方の西武線も、飯能に行くのに、池袋〜飯能間は有料特急があるのに、通勤電車を使わせるって、バカでしょ?横浜から飯能まで、76.6km。それくらい距離があるのを、彼ら鉄道会社は、快適性を全く意識していないようだ。
 自分なら、横浜〜池袋間は湘南新宿ラインのグリーン車、そこから飯能に行くならレッドアローを使う。


渋谷駅周辺を不便に

 東急等々は、地下化にすることによる利便性の向上をPRしている。その恩恵を受ける人は、新宿ではなく新宿三丁目に行く人や、ロングシートの車両で所沢に行きたい人だろうか。田園都市線・半蔵門線とは改札を出ずに乗り換えられることになり、代官山から三軒茶屋に行く人や、学芸大学から半蔵門へ行くには楽になるだろう。銀座線は、渋谷駅では不便になっただろうが、乗換しやすい半蔵門線で表参道駅に行けば、ホーム上で乗換ができるが、始発ではないので座れるチャンスは減る。一方で、渋谷から、JR線、井の頭線に乗り換える人は非常に悪くなったと思われる。
 今までは地上2階からの移動で済むはずだったのが、地下5階から延々と上がらないといけない。しかも、エスカレーターの設置も不十分だという。となると、渋谷を避ける人も出てくると思う。乗換のついでに渋谷に寄って買い物、みたいなこともしづらくなるわけで、今後、渋谷エリアの商店に、どれだけ悪影響を及ぼすだろうか。またこの先、地上駅の跡地にて行われる再開発に対し街全体に人が立ち寄るような再開発に…という声があるようだが、そもそも渋谷駅に降りづらい構造となったわけで、大きなビルにも小さなお店にも、人が入らない、という可能性がある。
 他社では、副都心線直通を機に渋谷駅のような廃駅はなく、かなり前で分岐して、地下に潜っている。東横線も、かなり手前で分岐して、地上駅の渋谷駅を残すことは出来なかったのだろうか。新しく駅を作る=予算をもらったり、建設会社が潤うことだけが目的だとしか思えない。東横線の両端(渋谷・横浜〜桜木町)が、地下という現実だけに飲み込まれてしまった。田園調布駅も、目黒線云々で変わるとき、あの駅舎はなくなるはずだったが、強い反対運動で復元されることになった。東急は、そういう名物をなくし、似たり寄ったりな街並みを作ることが大好きなのだろう。


副都心線効果はあるのか

 4月中旬頃、鉄道会社各社から副都心線直通により、乗車率に増減があったのかという発表があった。まぁ、とは言っても、直通して一ヶ月。勘違い乗車、間違い乗車、記念乗車、冷やかし乗車も多い時期のため、固定客がどれだけ出るかはあまり当てには出来ない数値かもしれないが…(以下の数値は、直通前と比べての数値)。
 東京メトロでは、新宿三丁目が平日で40%増、元町・中華街駅は20.6%増、川越駅は4%増えたそうだ。一方でJRは、渋谷駅で6.5%減ったそうだが、JR〜東急間で(渋谷よりは)乗換がしやすい、目黒や五反田駅がどうなったかを気にする必要はある。
 さて、このページ的には、一番知りたいのは東急である。しかも、副都心線との直通運転で一番の主役は、この直通運転を境に渋谷駅のホームの位置が大きく変わった東横線である。渋谷駅だけではなく、中目黒駅(日比谷線にシフト)、自由が丘駅(目黒線、池上線にシフト)も気になる。ところが、東急だけは発表していない。常識的に考えれば、利用者が増えると予想し、予想通りかそれ以上に増えれば、率先して発表したがるものではないか。それを隠すと言うことは、想像と違ったか、増えても減っても多方面からクレームが来ることが想像でき、混乱を避けるため発表を見送ったのだろう。
 ちなみに、定点観測ではないが、私が見た時点で、東横線の利用者は減ったような気がする。夕刻の下り列車の込み具合が、落ち着いているように見える。その一方、目黒線が混雑してきたような気がする。その時だけたまたまなのかもしれないが。

2ヶ月経過して、いよいよ発表

 今までは頑なに発表しなかった東急が、5月15日に増減を発表した。前年度比で、乗客数は2%増(渋谷駅の乗降人数等の具体性は不明、東横線全体?)、運賃収入は2.2%増だという。上記の冷やかしなどはもちろん考慮されていないにもかかわらず、たった数時間の間に大規模な切り替え工事をやってしても2%である。JR渋谷では6.5%減っておきながら、(何処の数値かは不明だが)東急は2%しか増えていない。


 一般的に、鉄道会社を含めた企業が、表向きはサービス向上をPRしているが、実際はサービスを悪くする(改悪する)際、イラストやキャラクターを用いることが多い。そのキャラクターにサービスの変化に対して台詞を言わせることも常套手段である。
 この副都心線直通の際、東急では「のるるん」というキャラクターを誕生させた。ここ最近のゆるキャラブームの一環と考えるのか、改悪へのごまかしか、両方共に当てはまるとしか思えない。

利用者に、地下に潜らせ、(定時運転が守れるかの)不安と(ロングシートに長時間座らせ)不快を与え、不愉快にさせることが、東急グループの言う「美しい時代」にするための手段である。



 例えば、東横線の8号車しか使わない、大井町線沿線付近に近寄ることはない、ICカードのリスクは特に気にしない、等も含めて、一部の利用者は、これらは特に気に掛けることのない内容でもあるが、そう言う人たちも、いつかは被害を被る、東急の新たな施策が出てくるかもしれない。その時のために、普段から危機感を持ち、意識しておいた方がよいだろう。



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