後フォローをする能力のないNECグループ

 久しぶりに、マイコンピューターの更新となりますが、それまで、掲載していたパソコン類の使用をやめ、DOS/V機などに切り替えていたわけではありません。NEC製品を使い続けて十数年となります。

 後フォローというのは、購入後の全体的な話を指します。どういうときに後フォローが必要かというと、操作方法のヘルプや、故障したときなどのメンテナンスです。

 そして、今回該当する会社は、NEC本体(があるのかは分かりませんが)と言うよりも、
です。
  メンテナンス会社NECフィールディング株式会社(英文表記:NEC Fielding, Ltd.)
  部品製造メーカー(推測)NECパーソナルプロダクツ株式会社(英文表記:NEC Personal Products, Ltd.)



事の発端

 PDAの話です。PDAやノートパソコンのキーボードの構造は、下から、基盤→パンタグラフ状の部品→キートップ、という構造になっています。そして、そのキートップは、パンタグラフ状の部品に引っかかるよう、爪があります。このため、逆さにしてもキートップが外れないわけです。

 マイコンピューターに記載されているPDA(モバイルギア MC-R520)の、一つのキートップの爪が、折れてしまったのです。

 となると、ハード的な故障のため、メーカーに依頼するわけです。

個人所有のNECのコンピューターが不調なときの流れ
  (1)121コンタクトセンターに電話を掛けます。そして、故障の旨を連絡します。
  (2)暫くしてNECフィールディングより電話が掛かってきます。ここで、詳しい症状などを話します。
  (3)翌日、宅配便を使ってパソコンを引取り、工場(ここでは、NECパーソナルプロダクツ)に運ばれます。
  (4)修理した後、返却されます。代金は、通販などと同じ、代金引換です。

…以前は、直接NECフィールディングの窓口に持っていって、「ここの部分が」などと、実物を持っていって説明できたのですが、そう言うようなことは現在は出来ません。

 順序の通り進め、(2)の通り、NECフィールディングから電話が掛かってきました。話によると、このPDA(MC-R520)は、製造中止から7年以上経っており、部品保有期間は切れているとのことです。
 ところが、このPDAには後継機種(MC/R550)が出ていたことがあり、色こそ違うものの、外形寸法は同じです。また、中身のキーボードの配置も全く同じです。2台並べれば、知らない人は単に色違いとしか分からないような代物です。その事情を話した上、何とか出来ないのかと依頼をしました。
 ところが、調べようとせず、しかも言い方が役人というか、国鉄職員というか、ケンカを売っているような態度で、即答で「出来ない」と言う回答でした。部品がないため(3)に進まないと言う話です。
 ここで、調べてもらって、“後継機種の方も部品保有期間が過ぎていて、どちらにしても代わりになるような部材もない”という話であれば、この場合は仕方がないです。
 しかしどちらにしろ、諦める一方、この先の手段はありません。というのも、このモバイルギアシリーズは、シリーズ全体で廃止になってしまっており、新しい商品を買うことも出来ないのです。後継機種MC/R550も廃番になっており、新機種が出ていないのです。


「クレーム」です

 調べようともせず、けんか腰に、出来ませんと仰るNECフィールディングの女性社員。NECフィールディングのサイト内に、意見などを承るページがあったため、社員の応対のクレームとして連絡を入れます(商品そのものではなく、その女性社員についてです)。
 すると、別の方が出ていただき、その女性社員は新人で応対が悪かった旨は認めてもらい、実際にあるか調べてもらうため、(3)に進めて、工場で見てもらうことになりました。


電話上で「ため息を付く」NECグループの社員

 ここで預かってもらい、代替機種の部品が使えることが分かったので、色などは違いますが、修理してお返しします、という回答ならば、問題ないわけです。それが、自分としては理想的な回答です。

 2〜3日後に、回答が来ました。
 「この度は機器修理によりご迷惑をおかけしています。本装置は部品の保有期限が切れているため修理が出来なくなっております。大変申し訳ございませんが、現状のまま返却とさせて頂きます。」という文面と、「現状のまま返却」しか欄のない回答欄。
 結局は、理由を言わずにただ出来ないという、NECフィールディングの女性社員と、同じような見解でした。

 その理由を追及するべく、FAX送信元のNECサービスセンター群馬に電話を掛けることにしました。すると、電話に出た女性社員が、見出しの「行為」をしたわけです。ため息の後は、折り返しで調べてもらう(振りをしてもらう)ことにはしてもらいましたが。

 翌日、再びFAXが届きました。
 「再度、お調べさせて頂きましたが保有期限は2006年12月末となっており、部品も御座いませんので、修理が出来ない状況です。他製品の流用のですが、動作確認していない部品への交換修理は、弊社では行っておりませんのでご了承下さい。」(※改行以外は回答文のまま・一部抜粋)
 これには、何故、代替機種の部品が使えないかという、最終的な理由がありません。この文章では事情説明だけです。その旨をもう一度追求しました。
 ところで、保有期限の2006年12月から、修理依頼の2007年5月まで、それほど時間は経っておりません。この数ヶ月の間に、部品を使い切るほど故障が頻発したのでしょうか、それとも、2007年1月になってそれらの部品を捨てたのでしょうか。どちらにしても、私個人としては、良い印象は持てません。

 翌日、回答のFAXが届きました。
 結果としては、長いのでここについては略しますが、文面を見ると、一見丁寧ですが、メーカーのよくあるけんか腰の態度が見え見えです。部品がないので修理できない。代替機種の部品流用は、やったことがないか分からない、この先やろうとも思わない、という回答でした。


最終的に

 これ以上交渉しても意味がないと判断し、中古でMC-R520を入手し、単純にそのキートップとパンタグラフ状の部品を取り替えることで、治りました。

 あえて嫌な客を演じましたが、新しい商品もないので、これを直すしかありません。



後フォローとして不満な点

 部品保有期限は仕方ありません。ただしこれは、普通の電器製品に限ったことです。

 ところが、今回の話は、シリーズ全体で廃番になった商品で、代替品がないものです。
 廃番になった理由は、結果として売れなくなったからですが、何故売れなくなったのかは、NECのPR不足です。PR不足のことを別名、「怠慢」と言います。
 その怠慢の結果、廃番になり、しかも部品も作らないと言うサポート側の怠慢です。


 両社の怠慢が、利用者に影響を与えるわけです。もちろん、これらに限ったことではありませんが。

 ところで、このモバイルギアシリーズは、我々一般人が使うのはもちろんですが、マスコミなどの記者の方も使っているようで、一定の利用者は存在しています。マスコミの方々の持っているモバイルギアが壊れたら、どうなるのでしょうか。ちなみに、他のメーカーであるかというと、似たようなものはありますが、キーボードは使い物になりません。

 これでは、使うなと言っていることと同じです。2006年の話ですが、某給湯器メーカーの古い商品を、安全装置を無効化して使っていたところ、死亡事故が起こりました。確かに、無効化出来てしまうところは不備だったのでしょう。
 しかし、家庭で使うコンピューターは、死亡事故を起こすのでしょうか。そもそも、人体の生命に拘わる仕事で使ってはいけないはずです。※一方で、このガス給湯器は、後継機種が出ており、その機種でなければならないという理由はありません。
 だからといって、決して、壊れた古い機器をずっと使いたいわけではありません(愛着とか、そう言う話は別として)。部品もない、代替機種もないとなると、このまま使っていくしかないのです。その割に、メーカー側は、そう言う事情を勘案せず、ばっさりと、部品を製造しなくなるのか、部品を捨ててしまうわけです。


メーカーとしての役割

 私の勤めている業界の話ではありますが、この業界で売られている商品にも、もちろん、部品保有期間はあります。一方、商品の分解図を、インターネット上で素早く出すことが出来ます。一方、メーカーの営業や、技術相談室に電話することで、ある程度の知識を教えてもらうことが出来ます。その知識とは、部品の情報なども含めてです。
 上記の例で言えば、MC-R520とMC/R550の、2機種の部品図面を出します。そして部品だけを取り寄せます。もちろん、自己責任的な話もあり、間違った部品を使う可能性もあるものの、NECのコンピューターよりは、直せる可能性はあります。一方でその前に、その部品を見た上で、寸法が違えば、MC-520とMC/R550は別物だ、と諦めがつきます。

 コンピューター部品は、細かい寸法が決まっておらず、適当に組み立てているのでしょうか。社内的には、適当な人間の寄せ集まりなのでしょうけれど、一応、適当な人間の寄せ集まりでも、製品は一応、そんなことはないようです。細かい点を言えば、何故MC-R520は壊れてしまったのか、と突き詰めると、いい加減に作った、等の話は出てくるかもしれませんが、7年程度は問題なく使えたため、ここではそれ以上の追求はしません。
 中にはいい人もいるでしょうが、悪い流れに汚染されないことを祈るのみです。
 そんな商売が出来るNECが羨ましいです。


実際に入手してみる(予定)

 NECグループは信頼できないわけです。となると、実際に、自分でMC/R550を入手し、実際にどれだけ違うのかを判断することにします。


我々として気を付けたいこと

 我々の出来る対抗策としては、一つの商品を買って、使い続けたいと思えば、同じ機種を複数台買うしか手段はありません。この場合、中古商品でもいいでしょう(発売直後では出ないものの、暫く経ってしまうと、またなくなってしまいますので、見つけた時に買うことです)。
 メンテナンス部門を、信頼してはいけません。NECの場合、修理引き受け箇所を頻繁に替えたり、引取修理そのものを中止したり、正直紛らわしいです。

 自分達の手で、製品を作るのがベストですが、現実的には難しいため、結局の所、NECなどのようなメーカーに頼らざるを得ないのは事実です。しかし、メンテナンスなど、その後の話は、2台目を買う等々、自衛手段などを執るしかありません。

 もちろん、2台目を買う必要もない程度のマシンであれば、この限りではありません。





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