ポメラ(DM100)を使ってみる

モバイルギアユーザーによるポメラ(DM100)の感想

 普段、修理部品のないモバイルギアを持ち歩くのは、おなかの調子がよくない状態の外出と同じようなもので、極力衝撃を与えたくないという意識があります。とは言っても、備忘録を含めた手書き以外のメモツールはほしいわけですが、移動電話のプッシュボタンや液晶画面では全く使いものになりません(ノロノロとボタンを押しているうちに、内容を忘れてしまう…慣れている人ならば問題ないのでしょうが)。
 そんな中、2008年に文具メーカーのキングジムから、「ポメラ(DM10)」という電子メモツールが発売され即購入しましたが、使っていくうちに折り畳みのギミックが不調になり、使い物にならなくなりました。やがて、そういうギミックのないDM100が発売、こちらを購入することにしました。
※以下の内容は、DM10との比較内容を主に書いています。

サイズ・構造

 今までのポメラの特徴と言えば…(1)機能はテキスト文書作成のみ (2)使いやすいキーボードを備えた (3)折り畳みの出来る電子メモ帳…という、シンプルな3点。ところがDM100は、(1)と(3)が排除されてしまった。(1)は次項に書くが、(3)は普通のノートパソコンのような、2枚貝のような構造になった。この製品名は、ポメラ=ポケットメモライターの意味で、少なくともDM10は、キーボードを折り畳むことでスーツのポケットに入れることが出来たが、DM100は入れられない。ただ、使い物にならなくなった理由(キーボードを折り畳むヒンジ部分が壊れた)が排除されたので、一概に悪くなったとは言えない気もする。
 寸法を、DM10とDM100とで比べると、折り畳まなくなった=横幅は大体倍となる(折り畳みがなくなった分、厚みは薄くなった)。画面は、横が倍になったからといって、画面も倍になったわけではない。筐体が横長になった分、電源が、DM10の単4×2本から、単3×2本になった。そのためか、稼働時間は延びている。
 キーボードは、普通のキーボードとして、全く違和感を感じない。[CTRL]キーと[CAPS]キーの入れ替えや、[無変換(NFER)][前候補 変換(XFER)][かな][Insert(INS)]の4キーに別の機能を割り当てることも出来る。また、折り畳みのギミックがない分、がたつきがなく安定して使えるようになった。
 そして外部に記録するメディアが(ミニやマイクロでない)SDカードに対応することになった。ところが、使って比較的すぐ、入らなくなってしまった。異物でも詰まっているのかと思い、SDカードスロット内部を見てみると、SDカードの情報を読みとる端子が折れていた。SDカードを荒々しく挿入して、折れるとは考えづらい。たまたま知人で同じDM100を持っている人がいるが、聞くと同じ症状だという。文書は現在、内部メモリに保存して、時々USBケーブルでパソコンにバックアップしている。パソコン側はポメラを、“メモリカード”と認識するので、複雑な操作等は必要ない。


ATOK・ソフトウェア

 DM10と比べてメモ以外の機能が少し増えた。とはいっても、メールの送受信が出来ることになったわけではなく、国語/和英/英和辞書機能と、表機能(表計算ソフトのような関数は使えない)。DM10より後に出来た機種のため、細かいところで改良はされているが、ベースはDM10と同じである。

 漢字変換は、JustsystemのATOKが使われている。しかしDM10と同じく、(自分の思う)ATOKの操作性を100%再現されていない(また、カスタマイズできない)。[F10]キーを押せば記号の一覧が出るなど、MS-DOS時代の一太郎・ATOK並の機能(→マウスは必携ではない=ポメラにはポインティングデバイスがない)はあってほしい。[検索/挿入]メニューの中に[文字パレット]はあり、そこから記号は呼び出せるが、JISコードからしか検索が出来ない。分類(半角・記号/英/数字・ひらがな/カタカナ…など)ごとにジャンプ機能も欲しい。


要望すること

 ジャンプ機能など既に書いたり、メール機能がほしい…というのは、DM10のページや、モバイルギアでのメールに四苦八苦している現状を書いた文書を見てもらうとして、別の内容を。それだけ、ハードが使いやすいので、何だか勿体ないと思う。
 キーボードについては、ノートパソコン用のそれと比べても劣らないだけに、テキスト入力機能として、RTF(リッチテキスト)形式くらいはあっても良いのかなと思う。RTFとは文字の修飾が可能なファイル形式である。フォントやサイズや色が指定できるわけだが…となると…複数のフォントデータを積む必要があったり、カラー画面でなければならず、それはそれでマシンスペックを要求し電池を消費するわけで、利便性が失われるかもしれないが...。
 ポメラのマシンスペックは分からないが、極論(?)とすると、一太郎 Ver.4.3程度の機能があれば十分な気がする。一太郎 Ver.4.3とは、CPUに12MHz程度(※1.2GHzではない)、メモリに640KB(※約0.6MB・640MBではない)、システム用にフロッピー5枚分(※約6MB・6GBではない)もあれば動けるMS-DOS時代のワープロソフトのことである。もちろん、当時のマシンと比べてCPUから何から違うはずなので、どう頑張っても使えるとは思えないが…。

 ちなみに、このDM100は11年11月に発売と、15年12月現在で4年が経過している。コンピューターに限らず、商品をすぐに廃番にする世の中で、ロングセラーは非常に有り難い。ロングセラーというのはそれだけ、故障時の部品保有期間が長くなるわけである。ソフトウェアは変えて欲しい部分もあるが、ハードは長く製造し続けて欲しい。





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