ポメラ(DM10)を使ってみる

モバイルギアユーザーによるポメラ(DM10)の感想

 普段、修理部品のないモバイルギアを持ち歩くのは、おなかの調子がよくない状態の外出と同じようなもので、極力衝撃を与えたくないという意識があります。とは言っても、備忘録を含めた手書き以外のメモツールはほしいわけですが、移動電話などのプッシュボタンでは全く使いものになりません(ノロノロとボタンを押しているうちに、内容を忘れてしまう…慣れている人ならば問題ないのでしょうが)。最近は、QWERTY配列のキーボードを兼ね備えた電話機(スマートフォン)もあるようですが、あくまでそれはメジャーなキーの配列だけの話で、決して使いやすいサイズとはいえず、また、ファンクションキーも含めて、そもそも完全的な配列ではない機種がほとんど、というより全機種がそうかもしれません(右下のキーの位置がとんでもないところにあるなど)。
 そんな中、2008年の話ですが、文具メーカーのキングジムから、ポメラという電子メモツールが発売されると聞いて、即購入することにしました。
※以下の内容はDM10の場合を示します。DM20やDM5の場合と、若干の相違点があるかもしれません。

サイズ・構造

 使わないときは非常にコンパクトである。
 使うときは、まずはノートパソコンのようにディスプレイを開き、左側のスイッチ(キーボードオープンボタン)を押し、折り畳まれたキーボードを広げて、電源を数秒間押す。
 コンパクト化と、キーボードサイズ確保のためのためのこの構造は、よく考えられている。ところが、ギミックが多い=落下時の衝撃に弱いようで、落としてしまったところ、蝶番(ひんじ)などの部分がおれてしまった。モーターなど動く部品がないので、今のところ、動作には影響はないが…。

キーボード

 パナソニックのノートパソコンを参考にしたというキーボードは、サイズ、配置ともに問題ない。これだけで、買ってよかった、と思わせるほどである。
 ただし、時々感度が弱いのか、強く(やや長く)押さないと反応しないこともある。例えば、numロック時、[Alt+右Shift]を押す必要があるが、すぐに反応しない(電源投入時の長押しとも違う)。また、「反応しない?」と思って同じキーを2回押すと、後に2回分反応してしまう。落下のショックの影響かもしれないが…。
 次項のソフトウェアに関係することだが、電源投入時のCAPS LOCK固定、キーマップ入れ替えがほしいところである。

ATOK・ソフトウェア

 メモ以外の機能は本当になにもない。あえていえば、メモを保存するときのタイムスタンプのために、初期設定時に時刻を設定する必要があるが、その副次的な産物としてのカレンダーだけである(DM20は、もうちょっとあるようだが)。

 漢字変換は、JustsystemのATOKが使われている。私自身、パソコンではATOKを使っているため、キーボードのサイズを含めてストレスなく操作できるだろうということでポメラを買った訳である。変換の性能は、パソコン版とは若干劣るものの、この筐体ならば仕方がない。
 しかし、約20年間、ATOKを使い続けた者としてみると、ATOKの操作性を、100%再現されていないようである。最近のATOKになって搭載された新機能がないのならば仕方がないが、そういうわけではない。
 例えば、[ESC]キーを押しても全キャンセルにならないことである。パソコン版の場合、確定する前ならば、どんな状態(変換する前、変換中)でも、[ESC]キーを1回押すことで、まっさらな状態にできるが、ポメラは2回押さないと消えない。
 また、半角(全角)変換の設定もほしいところである。数字は学習機能で一回覚えさせれば半角(全角)に変換できるが、アルファベットや記号はそれができない。これだけで、後々データをパソコンに移したときのストレスも違う。
 
 ちなみに、購入当時は、候補+数字選択がだめだった。例えば、「機体」を入れようと、「きたい」と入力→変換すると…
  1. 期待
  2. 気体
  3. 機体
  4. 奇態
  5. 北井
  6. 危殆
…と出たので、3番を選ぼうとして[3]を押すと、「期待3」となってしまった。
 ただしこれは、ファームフェアで改良されている。

 保存や諸設定等々、メニューはAlt左の[menu]ボタンから操作する。Windowsボタンと同じ場所だが、通常、パソコンのWindowsボタンを使うときは、新たにアプリケーションを起動しようとするときである。一方、Windowsマシンで、コマンドや文章の編集は、[Alt]キーだが、ポメラで[Alt]を押してもなにもならない(表示サイズを変えるなどの機能ならばあります)。
 ソフト全体で言えるのは、設定できる項目がほとんどない。本格的なキーボードを希望する人間にとっては、自分好みで使えるようにカスタマイズできることが重要だと思う。ソフトがこれでは、勿体ない。

要望すること

 本来ならば、メール機能がほしい。といっても本格的なものではなく、簡易的なもので十分である。添付ファイルが見られなくてもかまわない。ある程度の内容がわかればよい。そして、それに対して簡単に返事ができればよい。移動電話そのものから見られるからいい、という意見も多いと思うが、電話のアカウントではなく、普通の(パソコン用の)アカウントにきているかどうか、という確認を、出先でしたいためである。まぁ、最近は無線LANもあったり、それらにつながる端末(i-phoneなども)あるため、出先でも全く読めないこともないのだろうが、無線LANが使える場所ばかりに行くわけではなく(今となっては携帯電話の電波が届かないところに行く機会はなかなかないが)、外出時にいちいち色々なマシンを持っていくのは手間だ。ポメラには、USBのコネクタがあるので、ポメラと、ケーブルと、携帯電話だけでメールができるという話である。ただ、そのためには、メールサーバーへの接続するプログラムや携帯電話に通信させるためのドライバがあることが必要である。





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