グランクラス・軽食やサービスの歴史
掲載日
2025年04月13日
JR東日本が、東北新幹線にて、グリーン車より上級クラスのグランクラスのサービスを、2011年3月に開始しました。やがて、上越新幹線、北陸新幹線(2015年3月より)、北海道新幹線(2016年3月より)でも、車両が替わったり、開通次第、サービスを提供するようになります。ここでは、グランクラスで出されるサービスの移り変わりをご紹介します。
なお、一部の内容は、
E5系
、
E7系
のページに掲載したものを移設した内容となります。
サービスの違い
表記
該当列車
ラウンジ
スリッパ
毛布
ウェルカム
セット
乗務員
軽食・
飲み物
A
はやぶさ(一部除く)、
かがやき
東京駅のみ
○
○
○
○
○
B
はやて、やまびこ、なすの、
とき、たにがわ、
はくたか、あさま、つるぎ
東京駅のみ
○
○
×
×
×
東京駅・ビューゴールドラウンジ
東京駅出発時のみ、東京駅八重洲中央口に隣接した、「ビューゴールドラウンジ」を使うことが出来ます。ラウンジそのものは15年12月にオープンしました。このラウンジの原則としては、VIEWカードのゴールド所有者が、東京発の特急列車のグリーン車に乗るときに利用できるようですが、グランクラス利用者の場合は、VIEWカードを所有していなくても利用できます。
新幹線を乗る程度の移動の際は、乗車券は大抵、「東京都区内」発になり、例えば蒲田から目的地まで使えます。ところが、ラウンジは改札外にあり、厳密に言えば途中下車扱いになります。有人改札口にて「ラウンジを使いたい」旨、伝えてください。
外から見た入り口です。空港ラウンジのような重厚な扉だったり、大きく“ラウンジ”の旨の表示はないので、お気をつけください。
受付です。写真右側がラウンジ(客室)となります。
トイレはラウンジ内にあります(一度外に出たりしなくても大丈夫です)。そのトイレの大便器個室内にも手洗器があり、予算があったんだなぁと思わせます。
カーテンで遮られているとはいえ、外に面しているので、室内は明るいです。もしこのラウンジが改札内にあった場合、外に面することは難しいでしょうから、明るい室内にすることは出来なかったと思います。
基本的には1〜2人での利用を想定しているようです。実際、自分も含めて、1人利用が多かったです。
雑誌類も置かれています。
セルフサービスの航空会社のラウンジと違い、係員が応対します。ちょっとしたホテルのロビーラウンジと同じです(ホテルメトロポリタン丸の内の方が応対しているようです)。係員はラウンジ内に常駐。お代わりなどもすぐに頼めます。
写真は2020年4月の例です。飲み物(ソフトドリンク)の他、茶菓子も用意されます。おしぼりはそれこそJAL機内のサービスのような、柑橘系の香りがします。
ラウンジを出ると、人は多く色々な音(あえて言えば騒音)がする、いつもの東京駅の中を歩くことになります。数分前までは、東京駅にいたとは思えないくらい静かな空間でした。山手線など通勤列車で東京駅に到着してラウンジに向かうときも同じ雑踏の中を歩きましたたが、ラウンジを出た後だと騒音は大きく感じます。空港以上にラウンジの価値が大きいとわかりました。ただ、この形式のラウンジは、東京駅にしかないところが大変残念です(ここまでの人的サービスが無くてもいいので、仙台や金沢くらいには欲しいです)。
車内サービス
使い捨て・持ち帰り可能なスリッパは、
B
でも用意されています。
下記軽食類は、
A
のみです。
(1)2011年3月〜2019年3月
東京駅からの場合、当時は2名体制で、ワゴンも使ってサービスしていました。
途中駅から乗った場合、着席後まずは、温められた大判の布おしぼりが(袋のまま)配られます。そして、食事・ドリンク・おつまみ/茶菓子の希望を聞かれます。食事は和食か洋食かの選択制、おつまみ/茶菓子も選択制で「両方」は不可能です。そして、少しするとまとめて持ってきます。カートなどで持ってくるわけではなく、一人一人分持って来るため、都度9号車寄りの準備室を往復します。JALファーストクラスの2〜3列とは違い、6列となると倍ですので、地味に距離はあります。
食後のおかわりは、特に率先して聞かれません。コーヒーの場合、飲食店のようなポットとグラスを持ってきて、目の前で注がれます。
テーブルは、通路側の席だと乗務員が出してくれますが、そうでない場合は自分で出さないといけないようです。また、お代わりなどの飲み物だけ頼んだとき、テーブルをそのまま出していましたが、乗務員がテーブルに置いてくれるわけでもなく、“私の持っているトレイから、あなた自身で取って欲しい”というニュアンス。JR東日本が、と言う意味ではかなり上等ではあるものの、客室乗務員による応対のレベルは、ANAのプレミアムクラスと同程度かもしれません。JAL
ファーストクラス
へは、遠い話です。
軽食・洋食(2014年04月上旬・東北新幹線上り)
洋軽食は、2019年3月で廃止になりましたが、下記(3)で復活します。
当時の献立の内容です。
サンドイッチ
●たまごサラダ&岩手県産ロースハム ●ツナとオリーブのサラダ&ブロッコリー
付け合わせ
●ミニハンバーグ(青森県産りんご入り) ●フルーツ(キウイフルーツ&パイナップル)
お弁当も、おしぼりと同様、頑丈にラップでくるまれたままです。料理だけ温めることが出来るわけもなく、もちろん冷たいまま。下にちらっと写ったフォークは使い捨てです。
軽食・和食(2015年06月中旬・東北新幹線下り)
当時の献立の内容です。
カレイ塩焼・だし巻き玉子・いか人参・しそ巻き・だし(※山形の郷土料理) 菊花添え・アスパラ豆腐 はす含め煮、じゅんさい・煮物 キャベツ巾着、海老真丈鳴門巻き、蒟蒻、飾り人参・季節御飯
(2)2019年4月〜2022年9月
19年4月1日に、グランクラスのサービスをリニューアルしたとのこと。軽食の種類を一本化(洋食を廃止)し、その分、質を高めたという主張のようです。軽食の内容は、東北・北海道新幹線の下り/上り、北陸の下り/上りの4種類に分けられ、内容は3ヶ月に一回変わるようです。
グランクラスの軽食が変わったというインターネットの記事によれば、3月16日のダイヤ改正で、上越新幹線にもグランクラスを導入する機会に、軽食サービスを大きく変えていき、知名度を上げたいのことですが、そもそも、その上越新幹線向けのグランクラスは
B
のみ。グランクラスを、上越新幹線へ(軽食サービスはないけど)導入し、軽食の内容をよくする…ちょっと何言っているのか分かりません。
そのリニューアルに際して、日本料理店の店主に監修を依頼したそうですが、その監修も1年契約で終わっても、何の不思議もありません。また、食器は使い捨て容器のままで、温めたりサービスの提供方法は変わらないでしょうから、例え料理の質がよくなったとしても、そんなに見違えるほどはよくはならないと思います。2011年3月にグランクラスのサービスが始まりましたが、そもそも、軽食を提供する便が全廃になってないだけでも特異なパターンです。
軽食・和食(2019年10月下旬・東北新幹線上り)
短時間乗車だったので、飲み物はペットボトルごと貰えました。乗降が客によってバラバラな列車ならではの心遣いです。
当時の献立の内容です。監修 橋本幹造
鮭チーズ風味パン粉揚げ特製たれづけ・鯖チーズ風味パン粉揚げ特製たれづけ・刻み紅生姜・ぶなしめじ当座煮・隠元豆煮浸し・だし巻き卵・玉ねぎ酢醤油・白飯(宮城県産 だて正夢)
軽食・和食(2020年04月上旬・北陸新幹線上り)
グランクラスが出来た当初は、茶菓子かおつまみは選択制でしたが、その後(リクエストなどをしなくても)両方とも持ってきてもらえます。
当時の献立の内容です。
ふくい
サーモン寿し
牛コロッケの
いんげん添え
鶏肉のごま味噌焼き
蕗のせ
小茄子煮と
ずいきの甘酢
福井へしこ
ちりめん寿し
小鯛酢漬けと
菜の花柚子添え
さつま揚げと
野沢菜わさび
抹茶羽二重餅
この時点では、北陸新幹線は金沢までしか開通していませんが、福井の業者(番匠本店)が調製しています。
(3)2022年10月〜
22年9月までは、北陸新幹線では、東京〜金沢間速達タイプの「かがやき」号と、東京〜金沢間の「はくたか」号のグランクラスで、軽食などのサービス(
A
)がありましたが、10月からは「かがやき」号のみになってしまいました。東北新幹線で見ても、速達タイプの「はやぶさ」号のみなので、特に異常という話ではありませんが、JR東日本お得意のサービスを縮小傾向にさせているのは確かです。ちなみに、定期列車の本数は(時刻表の編成表に書かれていて、車内サービスのある号数をカウント)、はくたか号の30本に対して、かがやき号は20本です。
また、上記軽食や飲み物、おつまみ・茶菓子の内容も変わるようです。該当列車の縮小傾向→軽食があまり出ない→となると…。
B
の「はくたか」号では車内販売はあるものの、コーヒーを含めて有料です。
北陸新幹線が金沢までの頃の「つるぎ」号ではグランクラスは用意されていませんでした(予約システムとして発売しませんでした)が、金沢〜敦賀に延伸した24年3月からは、(もちろん
B
で)用意されています。
グランクラスの公式サイトによると、
A
のみ、おしぼりやミネラルウォーターなどが入ったウェルカムセットがサービスされるようです。
B
でも上記車内販売員や車掌が配ればいいのに、やらないのがJR東日本らしいところです。
また、25年4月より、
A
のグランクラスのみ、料金が値上げします。
※いつか乗車した際、掲載します(当面、予定無し)
トピックス・おまけ
1周年でグラス
グランクラスのサービスが始まり一年が経った12年3月頃、車内サービスで使われているグラスをプレゼントする企画がありました。このために用意したのかもしれない、茶色の紙袋に入れて配られました。
さて、サービス開始10年というと2021年でしたが、特に何もありませんでした(コロナを言い訳にしたわけでもなく)が、サービス開始当初は、こうしてやる気がありました。
時々、駅の売店で売られる
グランクラスの軽食ですが、時々、茶菓子と一緒に東京駅などの駅弁屋で売られていました。
22年5月に売られていたものですので、上記(2)の内容です。税込1,680円。
確かこの時は2回目だった記憶があります。再現メニューの類ではなく、その時に実際にサービスされるものと同じようです。25年現在、(3)ですが、やりそうにはないと思います…。
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