ある踏切事故の記録
2005年の1月9日、山口県で踏切事故が発生しました。たまたま私が山口県に行っていて、私にも影響が出ました。このページはあくまで、交通事故を起こさないでもらいたい、という意味で掲載するものです。
<事故内容>
列車と衝突し軽四の46歳死亡 山口の踏切
九日午前七時四十分頃、山口市佐山のJR山陽線嘉川−本由良間の丸山第一踏切で、下関発岡山行き普通列車(四両編成、乗客約七十人)と、近くの自営業中村重治さん(四六)の軽自動車が衝突、中村さんは頭などを打ち間もなく死亡した。乗客にけがはなかった。
小郡署の調べでは、現場は警報機、遮断機のある踏切。遮断機が下りた後、軽乗用車が踏切内に進入したらしい。中村さんは消防団員で、山口市内である出初め式に行く途中だったという。原因は調査中。
事故の影響で、この列車が約三時間半遅れたのを最高に最高上下五本が遅れ、十四本が運休(部分運休を含む)した。
山口新聞 2005年1月10日朝刊より
下りのはやぶさ号で、下関に行こうとしていた。予定ならば下関で時間を潰し、昼頃に防府に向かう予定だった。ブルートレインに揺られながら、小雪が降ってはいるものの、その時まで順調に走行していた。
7時41分、本由良と嘉川の間で、駅に近づいている様子もないのに、ブレーキがかかる。しかも、今までより、何となく急だ。停止直後に、“上り普通列車が、乗用車と正面衝突しました”という放送が流れる。ちょうどロビーカーの前に追突車両があり、野次馬がわんさかいた。
写真中央上部、運転席側の窓付近には、折れた踏切の棒と思われるものが見える。
別の角度からの撮影。
後ろから見た様子(岡山方面を見ている状態)。対向列車の客(つまり我々)は、上の写真のようにはっきりと見えるが、ぶつけられた側の列車の乗客は、伺い知ることが出来ない。右方に見える、縦の青い棒は、ブルートレインの車両そのものです。
事故を起こした踏切。写真左方から、車が進んで事故を起こした。この付近は平坦で、しかも線路がまっすぐだ。しかも踏切の棒が見えると言うことは、警報機もある(上記<事故内容>参照)。特に見づらい場所ではなさそうだ。(走行中に撮影したため、画像が見づらいですが、ご了承ください)
規模は、写真を見ればよいとして、ニュースなどで把握しなくても、おそらく自動車(軽自動車)の中の人は即死だったろうということは想像でできる。まさに「ぺちゃんこ」状態だった。まるで「痛い、痛い」と言っているかのように、ぶつけられた115系が警笛を鳴らしている(本当は、この現場に向かっている警察などに、場所を知らせるために鳴らしているはずです)。車両周りを見回りに出た運転士が携帯電話のボタンを操作していた。カメラで撮影しているのか、もしくは指令とやりとりしているのか。
結果、はやぶさ+さくら号は25分程度の遅延。それ以外の列車はその後も足止めを食らっていたはずなので、この付近の列車の中では、おそらく一番早い復旧だったはずだ(その理由:はやぶさ+さくらは、この現場から早く抜け出たい一方、他の列車は、現場に近付くことになるため、進むことが出来ない)。その後、車掌より、「一旦停止を怠ったために起こった事故と思われます。運転には注意しましょう。」というまとめの放送もあった。
その後…下関行きを断念し、宇部で下車。我々や、宇部にいた利用客は、宇部線を経由し、新山口へ行くことになった。ホームで並んでいると、「これ、乗り切れないなぁ...」と同じくホームで立っている運転士と駅員。もちろん、予想外の出来事のため、列車の増結などはない。そして入線した。
「乗り切れないなぁ」と言われながら入線した電車。一両編成・ドアは2箇所。
実際は、首都圏の電車に乗り慣れていると、まだ倍は乗れる程度の乗車率だった。これが、地域差だ。ただ、ドアは2箇所しかないため、もしもっと人が多ければ、乗りきれないと言うより、降りきれなかったかもしれない。車内の地元客(高校生)の会話に聞き耳を立てると、もちろんこの事故の話をしていた。この列車は、ほぼダイヤ通りに走っていた。
新山口に着くと、あさかぜ号が足止めを食らっていた。新幹線への振替乗車が認められたようで、乗客はほとんどいない。そして下関方面は、代行バスが出ているとのこと。JR西日本でおなじみ、ローカル線での予定通りの運休には代行バスは出ないが、予定外の運休にはバスが出るらしい。10時30分現在で、あと1時間半はかかる、というやりとりだった。
ダイヤ通りではないものの、新山口から、防府方面へは列車は走っていた。目的地でもある防府駅に到着し、しばらくして駅の掲示板を見ると、11時04分に全線で再開したらしい。
そして15時50分頃、再び事故現場を通ると(今度は、防府から下関に向かっていた)、踏切の棒を取り替えている作業を目にしたが、他のもの(軽自動車等々)は、見あたらなかった。
首都圏での事故と違い、「何万人に影響が出た」旨のニュースは流れませんでしたが、少なからず、予定が狂った人はいるはずです。事故現場周辺の様子を見る限り、何故踏切事故が起きたのかが分からないほど見通しの良い場所です。ブレーキが急に壊れたのでしょうか。酒帯びだったのでしょうか。それとも、発作が起こり運転が出来ない状態になってしまったのでしょうか。
このようなことが起こることにより、法律はますます厳しくなり、それこそ、生活しづらくもなっていきます(よい例が携帯電話を掛けながらの運転の禁止です)。交通安全、自らの行動の自制を心がけていきたいものです。
…さぁ、3時間30分を、どうやって回復運転しましょうか(2005年4月29日追記)。
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