その後のオカマ


 鉄道旅行をする人ならば、一度は食べたことがある、横川駅等で売っている、おぎのやの「峠の釜めし」。器は益子焼きの陶器で出来ているようで、そこそこ丈夫です。当然ながら、その器は再利用できます。そして、釜めしの上にある紙には「一合のご飯が美味しく炊けます」と(多少、文章は違うかもしれない)書いてあります。灰皿や花壇代わりに使う人もいるようですが、私は、紙の通り、本当にご飯を炊いて見ようと思い立ちました。


第一部 ひとまず使ってみる

 まずは、釜飯を食べた後、家にあるご飯を使って、お粥を作ることにしました。
 まず、お釜に熱湯を入れました。そしてご飯を入れる前に、鶏ガラだし(今回は中華粥)を入れましたが、その後少しして、「カチ」と音がしました。いやな音です。中を見てみると、微妙なひびが入っていました。ただし、外を見ても特に変化がない(水がでてジュージュー言っているなどがない)ので、ひとまずそのまま続けました。
 次に、御飯を入れました。そしてまたしても「カチ」音の発生。一応、今回も大丈夫でした。暫くして、ハムや青梗菜(チンゲンサイ)などを入れ、細かい味付けをしてできあがりです。
 そして、実際に食べてみることに。かなり熱かったですね。まぁ、味や感想としては、普通のお粥とは変わりませんでしたが...。
 で、やはり「カチ」音は気になるので、食べた後に、そのお釜に水を入れて、本当にひびは大丈夫か見てみました。今のところ、水は漏れていません。


第二部 白飯を炊いてみる

 紙には「一合のご飯が」と書いてありましたが、0.5合で炊くことにしました。普通に研ぎ、水の量は、お米と同じ量らしいので、計量カップで水を入れ、そして火に掛けます。
 あんまり急に火を入れると「カチ」の類がひどくなりそうなので、小口コンロの「超弱火」で炊いていました(炎がお釜に当たるか当たらないか程度)。で、かなり時間が経つと、クツクツ言うようになりました。そして、蓋から水が出てきました(わき上がっている状態)。それを、約11分間そのまま続けました。
 で、11分間が経ち、ふたを開けてみるとちょうど良さそうに見えるので(ただ、この“ちょうど良い”はいい加減ですが)、火を止め、少し蒸らしてから食べることにしました。
 かき混ぜると、相当の厚みの“お焦げ”が出来ていました。まぁ、これが楽しみでもあるのですが。で、ちょうど良い部分の所を食べてみると、これが良くできていました。硬さもちょうど良く、ご飯が何となく透き通っているような気がしました。「ご飯が立っている」という表現がありますが、そんな感じでした。11分程度火に掛けていたところをもっと短くすれば、お焦げは減ったかもしれません。
 で、お焦げですが、底の部分には「お焦げ」の部分を通り越して、普通に焦げているところもありました。食べ終わり(お焦げ部分も、食べられるところは何とか食べました)、洗うと、これが非常にしつこく、なかなか落ちません。そして、以前の「カチ」でひびが入ったと思われるところにその黒い焦げが入り込みそこが目立ち(もしかしたらひびは広がったのかもしれない)ました。


第三部 いよいよ成功へ

 今回は1合のご飯を炊くことにしました。祖母からのアドバイスによると、釜の外壁(?)の部分に水分があると確かにひびが入るとのことで、お米を研ぐときは別のボールで行い(まぁ、元々お釜では小さすぎて研ぎにくいですが)、あらかじめ“ふきん”の上に釜を置き、水滴を付けないようにしました。その後、研いだお米とお米と同量の水を入れました。そのお釜を小口コンロに置き、最初は中火で炊くことにしました(これも祖母からのアドバイスより)。確かに、底の部分が乾いていると、「カチッ」という音はしませんでした。  そして待っていると、火を入れてから10分30秒頃で、蓋から水がジューッと溢れてきました。その後は弱火にしました。
 約2分毎にふたを開けてみて、水分が程良くなくなった19分頃に火を止め、蒸らし(この段階では、お米には少し芯が残る程度)。そして22分で食べることにしました。
 味や見た目は、最上の出来でした。炊飯器で炊くご飯と比べると、水分も少なく、べちゃべちゃしていませんでした(これらは前回もそうでしたが)。蓋の部分が素焼きなので、水分を程良く吸収しているのでしょう。硬めのご飯が好きな私としては、これは好みのご飯です。そして前回は気になったお焦げ(炊いたご飯を放っておくと硬くなりますが、そんなような部分)の層は、わずかはありましたが、気にならないほどでした。また、普通に焦げた“炭”の部分もありませんでした。これなら、「あえてお釜で炊きたい」と思わせる状態です。
 と言うわけで、「大成功」です。


第四部 そして本番

 第三部の白飯に対して、今回は、釜めしに近い、醤油ご飯を炊いてみようと思いました。この部分は、どちらかと言えば、料理番組的な部分です。実際に炊いてみたいと思われた方は、ご参考までにどうぞ。
 今回の材料は、米、鶏肉、人参、牛蒡(ゴボウ)、市販のめんつゆです。実際の「峠の釜めし」の具は、筍、椎茸、牛蒡、鶏肉、ウズラの卵、栗、杏、グリーンピース、紅生姜なので、違いますが、これらはお好みですね。海老や帆立を入れた海鮮釜飯でも美味しいでしょう。量は、本当に適当ですが、あまり多すぎると、余らせてしまいます(お釜に入り切れません)。
 まずは、お米を研いでおきます。研いだあとは、お釜に入れておきます(水は入れないでください)。
 一方で、具を作ります。別の鍋に、めんつゆを、適量の水で割り(めんつゆによって倍率は異なるので、ちょうど良い量は何とも言えませんが、実際になめてみて濃すぎない方がいいです)、火を加えます。温まってきたら、少し小さめに切った鶏肉、人参、“ささがき”にした牛蒡を入れ、中火程度で煮ます(適宜、灰汁を抜き、日本酒を加えると良いです・強火だと少ない煮汁が蒸発してしまうので注意)。火が通ったと思ったら、その煮汁だけを、先程のお米に入れます。量は、ご飯と同量です。
 あとは、第三部と同じ火加減・時間で火を加えます。そして、火を止めた時に、先程の具を入れ、蒸らします。
 そして、蒸らしも終わったらできあがりです。これは美味しいと思います。峠の釜めしを食べたあと、容器を捨てる前に、一度、お試しください(捨てられなくなるかもしれません...)。






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