(1)ロマンチック街道とスイス&パリ・・・H8(1996)年7月20日(土)〜
  7月29日(月)

夫婦で初めてのヨーロパ旅行はドイツのフランクフルトから南下して憧れのノイシュバンシュタイン城を写真におさめスイスのユングフラウに登って、最後はパリの美術館を訪れるコースを選びました。フランス語は勿論のこと英語も頼りないので阪急のゴールドのツアーで行きました。添乗員の女性が大変ベテランで29名のツアーをテキパキとまとめてスムーズに旅をする事が出来ました。

一日目 7月20日 成田→パリ→フランクフルト

平成8年(1996)7月20日朝横浜の自宅を6:30頃出発、YCATで成田行きの高速バスに乗り9時前に空港到着。 集合時間まで間があったので軽く食事をしました。9:30参加者全員集合、30名近い多人数のツアーだとそこで初めて知った。 夏休中のこともあり子供連れの人もいて賑やかなこと。11時搭乗開始。JL-405便パリ行き。12時間の長い飛行が始まった。 成田を飛び立つとあっという間に佐渡島上空、日本は狭いとつくづく感じる。

日本海を超えいよいよまだ知らないロシア上空、ハバロスクが基点になっているようで、シベリア上空からヨーロッパを 飛行する時はハバロスクから○○○マイルとディスプレイに表示されます。しかしシベリアは広い、本当に広い、3時間位 でそろそろいやになってきました。随分北を飛行しているようで下は町など全く無い原野のようです。10時間位でベルリン にさしかかりいよいよ憧れのパリが近づいて来ました。
ヨーロッパ上空 ドゴール空港 フランクフルト

でもここからが長い。デンマーク?上空から下に畑が見え出しやっとドゴール空港に着陸。野兎が駆けっこしているのには思わずにっこり、ここパリでエールフランスに乗り継ぎフランクフルトに19:40に着陸しました。かくして長い一日が終わりました。


二日目 7月21日 フランクフルト→ライン川→ハイデルベルク  晴

フランクフルトのホテルで早く目がさめてしまい周囲を散歩しましたが、真夏なのに気温15℃くらいか?かなりひんやり と感じます。9:00大型バスでホテル出発。フランクフルトからゴアスハウゼンまで行きライン川上りの舟に10:55に乗船。 川下りではなく川上りです。

ライン川は川幅は思っていたほど広くはありませんが水量が豊かで大型の船が行きかいます。 川の両岸の丘の上に古城が点々と現れます。通行する船から税金を取るための見張りだったようです。
ライン川 古城(1)

写真の右はかの有名なローレライの岩です。ここで「なじかは知らねど・・・」を歌わされました。 当方は勿論日本語で。またこのライン川沿いはぶどうの産地で両側に沢山の段々畑が連なっています。
古城(2) ローレライ

この船で昼食をとり13:15リュウデスハイムで下船。再びバスに乗り 13:45→15:20 ハイデルベルク着。早速観光です。 まず丘の上の大学と古城の見学です。大学はドイツでもハイレベルの名門だそうです。

古城はその丘の上にありもう今では廃墟のようですが、下のほうから見ると威風堂々と聳えています。古城内にワインを入れる大樽が今でも 原型を留めていました。
古城と大学 古城

大学から眼下にネッカー川(ラインの支流)が流れ、そこにかかる橋が通称「古い橋」です。 この橋からの素晴らしい古城の眺めを堪能しました。ハイデルベルクのホテルはネッカー川の淵に建つルネッサンスで19:00着。
古い橋(1) 古い橋(2)

三日目 7月22日 ハイデルベルク→ローテンブルグ  晴

ホテルを8:40出発。ハイデルブルクを出て古城街道を通ると左端の写真のような古城が点々と出現します。

古城街道 ローテンブルグ マルクト広場

途中シュバイビッシュハルで昼食と休憩。大きな教会が町の中心に聳えています。18:00ローテンブルグ到着。まだかんかん照りですから徒歩観光に出発。ローテンブルグは左から二番目の写真のように外壁でかこまれこじんまりとした中世の面影を残す町です。

マルクト広場の仕掛時計や聖ヤコブ教会を見て回りました。リーメンシュナイダーと言う古いホテルで、室内も写真のようにこじんまりとしたものでした。
聖ヤコブ教会 ホテルの室内

四日目 7月23日 ローテンブルグ→ディンケスビュール→フユッセン  晴

ローテンブルグでも早朝ブルク公園まで散歩しました。朝の空気がとても清清しく感じられました。この町は何処へでも歩いていくことが出来ます。大型車両は乗り入れ禁止です。8:30出発。一路ロマンチック街道を南下します。途中ディンケスビュールに立ち寄りました。左の写真のように各家々の窓は花で飾られています。
ディンケスビュール 窓の花

ここからさらにネルトリンゲンを通りアウスブルグで昼食して15:25ヴィース教会に到着。 ヴィース教会の周りは牧場ですが、大勢の観光客が来ていました。内部はごてごての装飾で覆われこれでよいのか?疑問に思いました。

ヴィース教会 教会内 フユッセンの中心通り

またバスに乗りしばらく行くと左手の山の中腹にかすかに憧れのノイシュバンシュタイン城が見えて来ました。今日はこのフュッセンで宿泊。右端の写真がフュッセンの中心部です。歩いている人はほとんど観光客です。

五日目 7月24日 フュッセン→ファドゥツー→インターラーケン  晴(雨)

ノイシュバンシュタイン城の見学は混むので早めに8:00出発。10分くらいで到着。下から見ると山の中腹にぽつんと優雅に立っている。 そこまで専用バスに乗り換えて行きます。城の対岸の吊橋からが写真を撮るポイントです。ルートヴィッヒU世が1869年から建造して王朝の財政 を傾けてしまったとか。内部はまだ未完のところもあるが立派なものです。

写真撮影厳禁ですが、日本語でハンドトーキの説明があります。特に注目したのは台所での料理の製作がかなり自動化されていたのには驚かされました。
下からの眺め 吊橋から

この見学の後隣のホーエンシュバンガゥ城も見学。ルートヴィッヒU世が子供の頃住んだ城です。 ここからの湖の眺めがとてもよかった。
側面 城からの湖



13:30出発。ここからスイスのインターラーケンまで延々とバスは走ります。フュッセンはドイツ南部の国境に近いところですからしばらく走ると オーストリアに入り、またすぐ抜けスイスに入り、さらにリヒテンシュタインに入り目まぐるしく国が変わります。しかし税関の検査はありません。 リヒテンシュタインのファドゥツーの休憩で夫婦でΩを買ってしまいました。

バスはさらにチューリッヒ、ルツエルンを通り20:45やっとインタラーケンに着きました。車窓から見るスイスは道路の横は湖ばかりでした。

六日目 7月25日 インターラーケン→ユングフラウ→ジュネーブ  曇→晴

朝起きるとあたり一面霧がかかっていて、肝心な日に何と言うことかと思ってTVを点けると天気予報では晴れると出ていて安心しました。7:30ホテル出発。ラウターブルネンまでバスで行き、そこで電車に乗りクライネシャイデッケまで行きます。

電車が進むにしたがい少しづつ霧が晴れ出し山が見えてきました。さらに上ると眼前にユングフラウが聳え、岩盤がむき出しのところや氷河が見え始めました。スイスアルプスの凄さを初めて実感した瞬間です。
登山電車駅 ユングフラウ中腹

クライネシャイデッケで登山電車に乗り換え標高3450mの展望台駅に向かいます。ほとんどトンネルの中を走りますが、高山病を防ぐため途中停車して体が慣れるよう休憩します。
ユングフラウ 登山電車から

右の写真はライネシャイデッケから見たユングフラウの全景です。左からアイガー、メンヒ(雲の中)、ユングフラウです。右端が氷河でです。
ユングフラウ全景 氷河

ユングフラウの頂上は4158m、そしてメンヒは4099mです。アイガーは3970m、北壁の下から絶えず雲が上昇していました。
ユングフラウ山頂 メンヒ山頂 アイガ山頂

展望台から外に出て雪原を歩きましたが、酸素が薄いようで息が切れます。その上寒いこと寒いこと気温は0℃です。

帰りはクライネシャイデッケからグリンデルワルト側に降りました。緑豊かな高原をどんどん下りグルントで電車とお別れです。グルントを流れる川が白く濁っていましたが、氷河が石灰岩を削ったためだそうです。
下山電車から 白い川

14:00グルントから再びバスで湖の横を通りながらジュネーブに向かいました。
スイスの湖 レマン湖 ジュネーブ花時計

ベルン、ローザンヌ、ニヨンを通過し17:30ジュネーブ到着です。スイスは山と湖だけかと思っていましたがけっこう畑もありひまわりが一面に咲いている所もありました。まだ時間が早いのでレマン湖のほとりの日時計やバラ園を回って19:15ホテル到着。窓から遠くに雪で真っ白なモンブランが見えました。


七日目 7月26日 ジュネーブ→パリ  晴

今日も早朝散歩をしました。ホテルは空港の傍にあるようで絶えず飛行機が離着陸していました。8:45ホテルを出発してジュネーブ駅に9:00到着。ここからパリまでTGVです。10:00発パリのリヨン駅13:38着。ジュネーブの街中はゆっくり走り街を抜けフランスの平原に入ると時速300kmに上げます。線路の傍には街らしいものは何も無く畑ばかりで、あれじゃ騒音のことを気にしなくてよいからスピードが出せる訳です。
ジュネーブ駅 TGV

花の都パリのリヨン駅にはバスが待ち受けていて、早速パリの見学です。 最初はノートルダム寺院です。正面はあいにく工事中でしたので写真にはなりません。中は薄暗く荘厳な雰囲気でステンドグラスがとても綺麗でした。 中はとても広く世界で5番目だったか?1番は勿論バチカンです。 大きさは祭壇までの奥行きの長さで測るようです。ノートルダム寺院はかなり横幅がありましたので面積は相当上位にくるものと思われます。
ノートルダム寺院 エッフェル塔

次に訪れたのはエッフェル塔です。広い場所に一際聳えています。ここは掏り多発地帯で添乗員から注意を促されました。
この後パリ三越に連れて行かれ17:15ホテル着。ホテルはヴァンドーム広場の近くの「ロティ」です。パリの中心部で何処にいくにも便利です。 家内がホテルに着いてすぐ買い物に行くと言ったのには少々呆気に取られましたがグッチとアルマーニまで付き合いました。夕食は海鮮料理のレストランで貝が山のように出ましたが皆さんあまり食べなかったみたいです。ムール貝も食べましたが、翌日お腹は大丈夫でした。

八日目 7月27日 パリ  晴

朝ホテルを8:15出発8:45ヴェルサイユ着。朝早くからもう沢山の観光客が入場待ちの状態です。 その間庭園を見学しました。

ヴェルサイユ宮殿 庭園 花壇

9:20〜11:00宮殿内部見学。まず礼拝堂から始まり次々と見学した。内部の壁面や天井の豪華さ、家具調度の素晴らしさ、 絵画彫刻の美しさ、そしてシャンデリアの煌びやかさ、ただただ感心するのみであります。

「この部屋がルイ14世の何々、この部屋がマリーアントワーネットの何々」・・・この豪華絢爛な宮殿は周辺王国の宮殿のモデル になったそうです。
鏡の間 王妃の間

午後はオプションでルーブル美術館の見学です。ナポレオンの戴冠式の絵などあれ程巨大 なものとは知りませんでした。

建物は元々宮殿なのですから巨大な広さがありとても数時間で見られるものではありません。ほとんど 有名なもののみ見ることになります。
ルーブル美術館

ここで本物のミロのヴィーナスとモナリザにご対面です。ここは黒山の人だかりでした。ヴィーナスは素晴らしい 理想の体系をしていますが、モナリザは小さな絵で防弾ガラスで覆われていました。
ヴィーナス モナリザ


夕食まで時間があるので近くのオペラ座に出かけました。威風堂々とした立派な建物で、内部も大理石がふんだんに使われ天井にはシャガールの絵が飾られていました。
オペラ座 シャガール

この旅の最後の夕食は日本食レストラン「たから」で「うどんすき」を食べました。冷房がなかったので暑いこと甚だしい。今日の日中の気温は29℃でした。こんな日は一週間位しかないそうです。

夜この旅で知り合った人4人で地下鉄に乗り凱旋門に行きました。時代物のエレベータで屋上まで上がり地上50mから周囲を見渡すと、真下にシャンゼリゼー通り、エッフェル塔、遠くにモンマルトルの丘が見えました。徐々に暗くなり10時過ぎると夜景に変わりました。帰りはシャンゼリゼー通りを歩き、コンコルド広場を通りホテルまで歩いて帰って来ました。
凱旋門から

九日目 7月28日 パリ  晴

いよいよこの旅の最終日になりました。飛行機が夜出発なので夕方近くまで自由行動になり、早速地下鉄に乗りモンマルトルに行くことにしました。まずサクレクール寺院に入り、螺旋階段を上って塔の上まで行きました。ここからのパリの眺めもすてたものではありません。ここを出て隣にあるモンマルトルの丘に行きカフェテラスで休憩していると、絵描さんが似顔絵を描けと迫ってきました。
サクレクール モンマルトル

その後地下鉄で中心部まで戻り、簡単に昼食をとってからチュイルリー公園を歩きコンコルド広場を通ってオランジェリ美術館に入りました。

チュイルリー公園 コンコルド広場 モネの睡蓮

モネの巨大な睡蓮の絵に関心しました。睡蓮の絵があんなに沢山種類があることを知りませんでした。そこを出て近くのオルセー美術館にも入りました。ここは昔鉄道の駅舎だったようで大きな建物に沢山の絵が展示してありました。だんだん歩きくたびれて休憩用の椅子に座っていたら居眠りしてしまい家内に起こされました。帰りはホテルまでタクシーに乗り15:30に戻りました。
遂に帰国の時がきました。16:30ホテル出発。ドゴール空港20:15発JL-406便。

10日目 7月29日 →成田  晴

パリを飛び立ったが、下は真っ暗で何も見えません。3時間くらい経った時レニングラード上空と放送があり下を見ると町の明かりが見えました。しかしJALの食事はもう少し美味しく出来ないものか?うんざりするほど飛行機に乗ってようやく15:00成田着陸。自宅には17:15無事着きました。初めてのヨーロッパの旅、すべてが楽しいことばかりでした。 完



旅の感想

シベリア上空の飛行時間はいやになるほど長い。座席は窓際より通路側の方が良い。用がなくても時々 散歩して歩き体を動かしたほうがベター。パリに近づいた時は本当にほっとしました。

ライン川は想像していたより川幅が狭い。ただし地球温暖化の影響で氷河が解け水量は豊富。アルプスの 氷河はあと100年くらいしか持たないそうです。物資の輸送で貨物船が行きかっている光景は日本では見られないものです。

ローテンブルグは城壁で囲まれたこじんまりとした街。楽しくなるような色んな小物を売っている店 があります。もう一泊したかった。

ノイシュバンシュタイン城は期待通りの素晴らしい城。自分のカメラ(645)でばっちり撮りました。城の対岸の吊橋からが撮影ポイント。入り口でドイツ語、英語の順に入場するので日本語は少し遅れるが日本語のハンドトーキで説明してくれるのでよく分かります。

インタラーケンで朝起きたら曇っていたのに登山電車で登るに従って晴れ渡りユングフラウの全容が 現れました。はっと息を呑むような、何と素晴らしい景色なのでしょう。3450mの展望台では空気が薄いようで少し歩いただけで息切れがするので要注意。持っているものすべてを着込んだがまだ寒かった。

宿泊する度に朝早く目が覚めるので早朝散歩をしました。ヨーロッパの朝は清々しく気分爽快です。 それと日本と違って蚊や蛾などいやな虫がいない。外で食事しても全く飛んでこない。この点は良いのだが、逆に虫が生息出来ない 環境なのか?心配になりました。

  
ジュネーブからTGVに乗車。街の中はゆっくり走りフランスの大平原を300km/hで突っ走る。周りに家らしきものが無いから騒音を気にしないで走れるので、日本の新幹線とは事情が違うようです。

パリの宿泊はバンドーム広場近くの「ロッテイ」、パリの中心なのでどこに行くにも便利でした。ここから歩いてオペラ座、三越、グッチやアルマーニの店、コンコルド広場、チュルリー公園、ルーブル美術館などに行けました。

ベルサイユ宮殿は豪華そのもの。庭園も広大で花でいっぱい。当時のフランスの国力の強大さを 思い知らされます。周辺国の宮殿のモデルになっていると言う。

夕方の散歩で凱旋門を見に行ったら、上に登るエレヴェータがあり凱旋門の上まで登りました。 上は平らになっていて夕涼みをかねて多くの人達が来ていました。日が暮れ行くパリの町並みと真下の明るいシャンゼリゼイ通り が強く印象に残っています。

ルーブル美術館で本物のミロのヴィーナスにご対面。かなり大きいもので、その素晴らしい プロポーションに圧倒されました。モナリザの絵の前は人垣が何重にもなる人だかりでした。あの微妙なスマイルはキリスト教徒 なら分かるのでしょうか?

パリもスリの多発地帯。地下鉄の乗降の際が要注意。実際この目で見ました。それと エッフェル塔の広場やモンマルトル、シャンゼリゼイ通りなど人が多く集まる所が危険。

日本に帰る飛行機がJALは20:15発。午後3時くらいまで自由時間になり、地下鉄に乗って モンマルトルに行ったり、戻ってオランジェリ美術館に入ったりと最終日のパリをたっぷり楽しむことが出来ました。パリの地下鉄 は非常に分かりやすく初めてでも簡単に目的地に行けます。

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