JR九州・885系
……かもめ、きらめき、ソニック号 のグリーン席
2000年3月にデビュー。今までの車両のメタリックなデザインから一転、真っ白なボディになりました。インテリアにおいても、883系以上に今までの鉄道車両にはないデザインです。
※スリッパは09年夏頃に、ドリンクは2010年3月末に、それぞれなくなりました。車内販売が15年3月になくなったため、おしぼりも同時になくなったものと思われます。
12席のグリーン車です。まともなグリーン車なら床にはカーペットが敷かれてありますが(まともでないとビニール張り)、ここではフローリングです。木材は、床だけでなく壁にも多く使われています。天井部のデザインも、今までの車両と多少変わりました。
照明は、スポットライトと間接照明を多用していてお洒落です。
この先は運転室です。スイッチ一つで、曇りガラスが透明なガラスになり、前面展望が楽しめるようになります。
883系と同様の革張りのシートですが、それとはまた大きく違った感じです。普通席の座席とも、一般家庭にあってもおかしくない品です(逆に列車にあるのがおかしいくらい)。
二人掛けの座席ですが、よく見ると、これは“一人掛け×二つが横並び”になっていて、事実上、高速バスのような3列独立シートです。このため、個別の座席が回転できます。その気になれば、3人掛けボックスにもできるでしょう。3列独立で、一人一人に座席の柱があるので、結果として足下が広いです。デビュー当時は、更に座高も変えられました。
ただ、その個別回転が災いしているのか、多少の遊びがあり、その遊びがカーブ通過時に左右に微妙ながら動いてしまいます。また、傾斜するとき、革で体が滑り(滑るほど座席の幅が広いのも事実)気分はあまり良くありません。
独立シートの分、通路は少々狭いかもしれません。
背を倒すときは、右にある肘掛け真下の青いレバーを倒し、背を倒して、レバーを戻します。角度的にはあまり深くありませんが、もし深いと、揺れと重心と革張りの影響で、ズルズルと前方にずれてしまうかもしれません。
テーブルは、座席ではなく、壁と床に付いており、これもまた一般的な鉄道車両にはない様式です。回転を考慮したのでしょうか、形状やサイズが変わっており+少々小さく、特に壁テーブルのない通路側=C席は、パソコンの操作には難儀かもしれません。こういう事情なのか、電源がありません。また、揺れで落ちてしまうからでしょうか、窓枠には物が置けません。以前は、後付したような、カップ用のくぼみのある、木の板があった覚えがありました。
読書灯がなくなりましたが、壁にスポットライトがあり、壁面のテーブルを照らしています(通路側の人への恵みはありませんが…)。
前の席のヘッドレスト部(の、金色の刺繍部分)にはミニポケットがあり、きっぷを入れて使うようです。
一人掛けの座席ですが、他の列車と違い、全てが事実上の一人掛けの座席です。座面の真下中央にあるハンドルで回転します。
フローリングは、メンテナンスさえ怠らなければ、使っていくうちに艶が出て悪くないはずですが、滑ります。そして革張りの座席も滑ります。そして、振り子列車なので、よく揺れます(手書きではものは書けない)。椅子の滑りは、ズボンなどの個人差があるでしょうが、フローリングは、歩行中はもしかしたら危ないかもしれません。
以前は、この列車は、グリーン車用の共用スペースに缶飲料やおしぼりが用意され、セルフサービスとしてスタートしましたが、やがて、飲み物の入った冷蔵庫に鍵が掛けられ、平成12年7月に廃止、客室乗務員が都度持ってくる形になりました。その後、九州新幹線開業を前に飲み物サービスそのものが廃止になり、現在に至ります。
ドリンクサービスはなくなってしまいましたが、客室乗務員により、おしぼりとキャンディーがサービスされます。
終点前は、車掌が案内の後、グリーン車とデッキの仕切扉以外の客室仕切扉が全部開きます。
これらの室内写真の車両番号:クロハ884-9
資料のインデックスに戻る