尼崎線事故の概要

 この事故について、分かる範囲の情報をまとめてみました。「JR」だけの場合、JR西日本を示します。

○死者は107名、負傷者は540名
・死因は、頭部損傷や内蔵圧迫がほとんどで、即死だった人が多い
○高見運転士(23)、以前に107mのオーバーラン
・ニュース報道では、高見運転士についてはあまり扱わない
・遺体は、ブレーキレバーを強く握った状態で発見
・司法解剖によると、持病などはなかった(病気で運転不能になった可能性は低い)
○事故直前まで、126km/hでていた…Tc車搭載の機器類から(もちろん1号車は無理です)
○事故原因は「置き石ではない」ことが断定、速度超過で車輪が浮き上がったのが大方の見方
○その事故の列車に、JRの運転士2人が乗客として乗車していたが、乗客の救助にあたらず、徒歩などで目的地へ
・連絡受けた上司も救助指示せず、1.5時間後には運転士として乗務させる
○遺族からの強い苦情で、現場南側に献花台が設けられる…それまでは、JRの人間に渡していた
・その献花台には2005年5月3日、垣内社長が献花、その列の前には遺族も。その後のインタビューでは、遺族:「見ていません」、社長「申し訳ございません(言葉を言う時点で何だか胡散臭い...)」。JR東日本の運転士も献花に訪れる。
○事故現場付近で、電柱折れる(通常、車両と電柱の間には2mはある)
・電柱が折れ、信号機が異常を示した+目の前で煙が上がっている結果、対向列車がギリギリ止まる(183系の北近畿)
○2005年5月3日、外気の熱による変形防止のため、現場付近の線路を切断
○事故付近の路線にATS-P工事…国土交通省“ATS-P設置工事が終わるまで運転再開させるな”から
・当初JRは、設置する前に運転を再開させようとしていた
○当初8mだった、実際のオーバーランは40mとも68mとも言われている(40mはJR西日本の発表から、68mは日テレの番組・『バンキシャ!』にでた、ホームで列車を待っていた乗客から)
○松下車掌(42)、脱線直前に「もの凄い横揺れだ」と司令に連絡していた
○遺族同士で連絡取りたいため、藤崎さん(遺族会代表)、JRに遺族の住所を依頼するもプライバシー理由に拒否される
・“遺族に手紙を渡して”と依頼するが、それも拒否される→代表、事故現場に行き、献花に来た遺族に直接渡す
○事故当日、天王寺車掌区の43人、事故を知りながら親睦を深めるためのボーリング大会、宴会を開催
・「そこまで大きな事故とは思わなかった」と逃げ
○JR、事件発生一ヶ月後に、遺体安置所だった体育館で、合同慰霊祭を開くことを提案
・「無神経だ」との遺族の苦情にも、「提案しただけ」と逃げ
○事故発生2時間後まで、列車が自動車を轢いたという踏切事故の認識…社内一斉放送より
・その結果がボーリング大会につながる
○JR福知山線の再開は、2005年6月19日
・復旧工事の周辺住民への通知は、工事予定開始日の一日前に、ビラ一枚がポストに入っていただけだった
○2005年6月5日、JR社長、マンション住民に謝罪し、補償交渉
・JRは購入当時のマンションの買い取り額を提案するが(今まで通りの生活を取り戻すまでに必要な金額や、仮の生活に対しての心理的な補償などはない模様)、住民拒否
○国交省調べで、「余裕のないダイヤ」を組んでいたのは、大手民鉄31社のうち、唯一JR西日本だけなのが2005年7月22日判明。福知山線回復後も、相変わらずその状態が続く。
・所要時間は延ばしたものの、同時に制限速度を引き下げた結果、相変わらず「余裕がない」現象は変わりない
・運転士の70%が今もなお、「ゆとり運行」になってもゆとりを感じていない(朝日新聞より)
○事故車両の207系の塗色変更へ
・福知山線事故を連想させるという指摘を受けたため、新型車両321系と同じ、オレンジと紺のツートンになる模様
○2005年10月23日、JR西日本が、遺族向けに事故の概要の説明会
・2005年6月18日に続いて2回目
・今まで説明会を開かなかったのは、“国土交通省が調べているので”と逃げ
・JR側の言いたいことだけを話し、遺族からの質問には今までと同じような内容しか言わず、相手にしなかったとのこと
○2006年3月のダイヤ改正で、ようやくゆとりのダイヤに
○207系(事故を起こした形式の車両)の後継車種・321系の一部は、車体構造が207系と同じ
・目先のラインの色は替えたが、中身はそのまま
・死者が増えた理由は、マンションに衝突時に、車体が弱く、乗客を守れなかったことも大きい
○2006年10月中旬、結婚予定の男性が事故の犠牲に遭い、その結婚する相手だった女性が自殺
→法律的に家族ではないからと、JR西日本が遺族扱いせず、見殺しに

読売新聞のWebサイト内にも、特集があります:http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dassen/

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