CPUはどれだけ高速化できるか


 このパソコンは、発売から5年以上が経っています。普通の電化製品ならば、“形は古くてもまだ使える”程度ですが、パソコンの場合はそうではありません。何かしらの改造をしないと使えません(全くダメかと言うと、そういうわけではありませんが)。

市販のCPUアクセラレータを使う、の巻
 そういう前提でパソコンは存在するので、サードパーティー(パソコン本体は作らないが、パソコンに関する電気的な部品を販売するメーカー)から、“寿命を延ばす”色々なものを売っています。替える(増やす)部品としては主に、メモリ、ハードディスク、CPU等ですが、あいにくCb3には、そういうメーカーでは新たに替えられる(替えてもそういうメーカーが保証してくれる)CPUが売っていないのです。しかし、だからといって諦めなければいけない、というわけではありません。探してみるのです。
 今回用意したのは、メルコ社製のHK6-MD400/N2というCPUアクセラレータです。この製品を選んだ理由は、このCb3の3ヶ月後にCb10というマシンが出たのですが、外観はほとんど同じだからです。なお、Cb10は、先程のHK6...は、取り替えられるというお墨付きです。また同時期の機種の場合、比較的中身は似ているはずです。また、外観にこだわる理由は、本来ならば中の電気回路が重要なのですが、これらの機種は“ディスプレイ一体型”故、スペース(高さ)が足りないのです。更にHK6...は、お墨付きの機種が多いのです。

 取り付ける前の下準備や、取り付け方は説明書を見れば分かるので省略しますが、電源は説明書によるとCD-ROMの電源を拝借するのですが、位置的に届かないのでハードディスクの電源を拝借しました。
 あとは慎重に取り付け、電源を入れると...普通は“ピポッ”という音が鳴るのですが、鳴りません。正式に言えば、その音が早すぎて聞き取れません。進んでいくと、画面では説明書通りの画面です。ところが、途中で一切の作業が止まりました。いやな予感です。
 しかし、リセットボタンを押すと、あとは正常に動いているように見えました。もちろんアプリケーションも動きます。ところが、音が出ないのです。確かにWindowsの起動時の音もしませんでした。デバイスマネージャを見ると、使えない旨の表示でした。
 結論としては、動きはしますが、音が出ませんでした。会社のような音を出せないところならばいいのですが(Cb3が会社にあるということは、あまり考えられませんが)、一般家庭ではちょっと使いづらいですね。対処法はあると思いますが、私が出来るのはここまでです。

 なお、クロック速度は300.01MHzという、従来の4倍ものスピードが出ていました。ちなみにCPUの種類は「K6-2」という、昔の規格のパソコンをPentium2時代の規格の性能(単純に速度だけではなく、色々な局面で性能アップ)まで上げられるCPUとして、ありがたがられているCPUです。
 CPUは、結局元に戻しました。「ハードディスクは換えられる」でのやり方でWindows95をセットアップすると、最近の下手なマシンより軽いからです(それ以前にそのCPUアクセラレータは借り物だからです)。


速度が速いCPUをそのままはめる、の巻
 そして今度は、全く別の日に、中古のPentium200MHzのPC-9821を手に入れました。中身を見ると、CPUをはめる(ソケット)形状が、Cb3と同じではありませんか。と言うことで、その200MHzのCPUを挿してみることにしました。

 Cb3のCPU(75MHz)には、CPUの上にファンはありませんが、200MHzには乗っかっています。すると、ファン用の電源を供給せねばならないのですが、Cb3にはその供給元がないので、そのまま無視しました。あくまで「出来たらいいな」程度ですから。ファンを考えなければ、装着そのものは問題がありませんでした。

 そして、[CTRL]と[GRPH(Alt)]と[CAPS]と[かな]を同時に押しながら電源を入れるとCPUの速さが表示されるのですが、変わりませんでした。そして、起動が終了し、Windows95起動後に起動する、CPUの速さが分かるユーティリティを使っても、75MHzのままでした。

 結局、CPUをそのままはめたのでは、速度は変わらない、と言うことが分かりました。これがDOS/Vマシンならソフトウェア的に色々設定できるものもあるらしいのですが、またPC-9800シリーズでもスイッチを物理的に変えることで対応できる機種もあるらしいのですが、あいにくこのマシンはあくまで“初級者用”で、そんな難しい設定は用意されていないようです。結論としては、「単純にはめるだけではダメ」と言うことです。本当にこれを挿したいのなら、「下駄」なるものを買わないといけないようです。しかし、付けようとしてもディスプレイ一体型マシン故、付けられない(というよりも、工夫しないとダメ)、と言うこともあるようです。あぁ、八方ふさがりですね。





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